要塞アルカトラズ編〈その十五〉
項志はそう言うと、一点に気を集中し、右手を天に、左手を地の方に向け、まるで虎が咆哮するポーズをとった。
レッドル「ま、ま、まさか、気功法白虎の構え。」
項志「ほおー、この構えを知っているのか。少しは武道の心得があるらしいな。」
ブルーバ「信じられん、お前、気功法最高位の一人、白虎の戦士なのか。」
項志「そうだとしたらどうする。俺の名字我皇は、そこからとったものだ。」
レッドル「その昔、中国でこんな伝説があった。数ある中国拳法の中でも最高位である気功法、その中でも頂点を極めた者達を、気功獣拳四天皇と呼び、その四戦士が手を組めば、世界を牛耳ることができると……」
項志「世界征服などには興味はない。ただ、正義がすたれ、悪が蔓延する世の中を黙って見過ごせないだけだ。」
ブルーバ「言い伝えでは白虎は風、青龍は雷、玄武は水、朱雀は炎を自在に操れると聞く。お前は風を操ることができるのか。」
項志「そうだ、今その奥義を見せてやる。」
そう言うと、門の横にある大岩めがけて気を放出した。
項志「白虎、風神波ー!!」
その気の放出と共に、十トンはあろうかと思われる大岩が粉々に砕け散った。
レッドル「こ、これが古文書に書かれていた、伝説の白虎風神波、この目でしかと見たぞ。」
ブルーバ「こんな奴相手に、何万人集まろうが勝てるわけがない。」
レッドル「俺達の完敗だ、お前の力は俺達の想像を遥かに越えている。世界最強の四戦士の一人だったとは……」
その時、後方で人の声がした。
礼子「項志くーん。」
亜輝「項志、無事か。」
項志「よおー、意外に早かったな。」
亜輝「お前のおかげで、すんなりたどり着くことができた。」
レッドル「仲間か。」
項志「ああ。」
亜輝「あなた達ですね、キャサリンが言っていた門番というのは。はじめまして、神龍亜輝です。」
礼子「同じく、小早川礼子です。」
ブルーバ「項志の知り合いとは思えないほど礼儀正しいじゃないか。」
項志「なんだと、まるで俺が不作法者みたいじゃないか。」
レッドル「違うのか。」
亜輝「それより項志、一刻も早く人質を救出しなければ、施設ごと爆破される可能性がある。」
レッドル「その為には、鉄格子の暗号を解読しなければ救出はできない。」
礼子「その件ならクリアーしているわ。」
ブルーバ「それなら話は早い。俺達も行くぞ。」
亜輝「あなたたちもですか。」
レッドル「そうだ、人質救出こそ、我々の悲願だからだ。」
次回は四月二日頃の予定です。




