要塞アルカトラズ編〈その十四〉
その頃、救出部隊は出撃していたが、小型艇の周りは水しぶきが上がり、上空では爆発音が鳴り響いていた。
亜輝「これが戦場か……礼子さん、大丈夫ですか。」
礼子「大丈夫と言えばウソになるわ。しかし、私も一度は死んだ身、この程度で弱音を吐くわけにはいかないわ。」
亜輝「さすがですね。高校時代のニックネームは確か『鋼鉄の女』でしたっけ。」
礼子「あら、覚えていてくれて光栄だわ。しかし、今は、コスモスの一員として、全力で任務を遂行するのみ……」
亜輝と礼子、そして救出部隊を乗せて、ボートは爆音の中、アルカトラズに近づいて行った。
その頃アルカトラズでは、
項志「行くぞ、レッドル、ブルーバ。」
そう言うと、超高速で二人に接近し、拳を向けた。
しかし、二人も項志の拳をかわし、別の位置にいた。
だが、かわした背後の岩が砕け散っていた。
そして、その風圧で、衣服の一部がちぎれとんだ、。
項志「俺の拳をかわすとは、さすがだな。しかもその拳法『太極拳』とみた。俺の気をよみ、受け流したのか。」
レッドル「かわしたつもりだったが……まともにくらえば命はないな。」
ブルーバ「まったく、すさまじき奴だな、項志。」
レッドル「次は俺達の番だ。二極一対の攻撃、よけきれるかな。」
そう言うと、項志にひけをとらない速さで、項志の周りを超高速で回り始めた。
そして、拳を繰り出してきた。
項志「さすが、強化人間……しかし、そうでなくてはおもしろくない。」
そう言うと、その拳を、ことごとくよけた。と、同時に、項志も拳を繰り出した。
レッドル「すべてかわされている……その上、この間合いで拳を繰り出すとは。俺達の動きをよんでいるのか。」
ブルーバ「バカな。二極一対のこの技が敗れたことは今まで一度もない。項志、恐ろしい奴。」
項志「突きの速さ比べは五分五分というわけか。」
レッドル「俺達二人を相手に、互角に渡り合った奴は、お前が初めてだ。」
項志「それは光栄だな。しかし、お前達、まだ本気ではないんだろ。」
レッドル「見抜いていたか。」
ブルーバ「出来ればお前を殺したくはない。」
項志「出し惜しみしてると死ぬんじゃなかったのか……そういう俺も60%ぐらいだがな。」
レッドル「そうだろうな……戦っていてわかった事がある。お前、まだ、とっておきの奥義を出していないだろう。」
項志「ピンポーン、正解です。」
ブルーバ「出し惜しみは寿命を縮めると言ったはずだ。」
レッドル「俺達は強化された人間だが、もともと武闘家だ。お前の全力を見たくなった。」
項志「そんなに見たいか……後悔するぜ。」
次回は、三月二十六日頃の予定です。




