要塞アルカトラズ編〈その六〉
亜輝「ここがアルカトラズ海域、死の海域か……」
項志「お前、何を考えている。」
亜輝「いや、ここで強制収容されている人の事を考えるとな。」
項志「確かにな。」
亜輝「なあ項志、自然はこんなに雄大で美しいのに、人間はなぜこんなに争うんだろうな。」
項志「人間は、自身の保身の為なら、どんなことも犠牲にする。もはや人間は自滅するかもしれない。」
亜輝「そんな人間ばかりじゃない、その逆の人もいる。その人達の為にも、ここで止めなければならない。」
項志「だが、ドグマを壊滅した後に、第二、第三のドグマが現れるかもしれんぞ。」
亜輝「その時は俺達が止める。命ある限り戦う。それがレスキューボーイズだろう。」
項志「そうだったな。」
亜輝「項志、悪い癖だ。それは、お前が一番わかっている事だろう。」
項志「わかっていたか。」
亜輝「何年一緒にやってきたと思っているんだ。お前の考えなど全てわかっている。」
項志「さすが兄弟だな。お前が相棒で良かったぜ。」
亜輝「もしどちらかが倒れた時は、どちらかがこの任務を遂行すると言いたいんだろう。」
項志「全てお見通しか。それでこそ、命がけの戦いができるというものだ。」
その時、エドワード総司令が現れた。
エド「お前達の会話を聞いていると、俺と竜馬の昔を思い出す。」
亜輝「渡瀬さんと総司令がですか。」
エド「そうだ。俺達は施設で育てられた。お前達と同じ様に、両親をドグマに殺された。竜馬と初めて会ったのは、スイスのアカデミーだった。十八歳の時だ。ちょうどお前達と同じ位の頃だ。その後、必然的に同じ道を歩んでいた。そして、今のお前達の会話と同じことを話し合っていたよ。」
項志「同じ身の上という事か。」
エド「俺はその後、家庭を持ったが、竜馬は家族を作らなかった。あの敬護の事件が影響しているのだろう。」
亜輝「礼子さんの父のことですか。」
エド「そうだ。友の死がショックだったのだろう……」
項志「わかるような気がするぜ。」
エド「そのせいか、お前達三人揃った時『一度に三人の子どもができたようだよ』と喜んでいたよ。」
亜輝「俺達もそうです。両親がない今、渡瀬さんが親父みたいなものです。」
エド「そうか、そうか。最強の子供達だな。」
そう言って二人の肩を叩いた。
そこに竜馬が現れた。
竜馬「何を三人でこそこそやっているんだ。」
エド「さあ、そろそろ作戦会議を行うぞ。みんな会議室に集合してくれ。」
項志「だとさ。さあ、いこうぜ、親父。」
竜馬「何、なんなんだ、いったい。」
亜輝「渡瀬さんは俺達の父親がわりということですよ。」
竜馬「何の話をしていたかわからんが……会議室に集合だ。」
次回は、一月八日頃の予定です。




