要塞アルカトラズ編〈その四〉
そして、決戦前夜、コスモス基地内。
亜輝「ついに来たな、この時が。アルカトラズの事は事前に調査はしておいた。並みの要塞ではないぞ。気を引き締めてかからないと、全員死ぬことになる。」
項志「そんなにすごいのか。」
亜輝「ああ、そうだ。前にも話した通り、かかわった人間で、生還した者はいない。いつしかこの周辺は、ブラックホールゾーンと呼ばれ、近づく者はいなくなったほどだ。」
礼子「こんな小島、すぐに攻略できそうなのに、なぜ。」
亜輝「そういうわけにはいかない。拉致被害者がいる。その被害者も、超一級の科学者達だ。そんな人物を基地ごと抹殺してみろ。世界各国からの誹謗中傷で、コスモスの地位も失墜する。そうなると、ドグマより、コスモスの存在そのものが危うくなるだろう。」
項志「そういうことも想定内ということか。卑劣なドグマらしいやり方だな。それに、前に俺に英語を教えてくれたキャサリン・ローズの双子の弟も、門番につけられているらしい。それも、俺と同じレベルの力があるそうだ。」
亜輝「ああ、奴ら被害者を人体改造強化して、その警護につけているらしい。しかし、人体改造に耐えられる人間は、全体の一%にも満たない。残り九十九%は全て破棄される。」
礼子「なんてひどいことを。」
亜輝「礼子さん、これが奴らの実態だ。奴らのブレーン、つまり人工知能の原型はアドルフ・ヒットラー、そのことを考えると、当然の事だろう。」
礼子「前にも聞かされましたが……」
亜輝「この話になるといつもそうだが、このセリフが出てくる。犯罪組織ドグマ、奴らの心に愛はない。」
竜馬「亜輝の言う通り、奴らに愛はない。しかし、この世の中、愛のない奴らが、否、悪が栄えたためしはない。必ずや、愛ある者の手で滅んで行く。なぜなら人間、独断とエゴでは生きていけない生物なのだ。奴らのブレーン、ヒットラーも、一時期は栄えたものの、最後は人々から見限られ、自決した。人と人との絆がなかったからだ。」
項志「その通りだ。俺も島の修行の時、そう思ったぜ。亜輝の存在、そして両親。俺を支えてくれた人達がいなければ、おそらく死んでいただろうぜ。人間、自身のエゴには限界があるが、他者の為なら、すごいパワーが生まれることを実感した。」
礼子「そうね、そのとおりね。私も、あなた達の信念に突き動かされて、ここまで来たのだから。」
竜馬「コスモス日本支部は、四人が参戦するが、一人一人が一騎当千の力を持っている。エドワード総司令もおっしゃる通り、今回の作戦、日本支部の働きがカギとなる。そして、必ず生きて、日本に帰還するのだ。」
次回は、十二月十一日頃の予定です。




