要塞アルカトラズ編〈その二〉
そして三日後、項志は竜馬に呼ばれた。
項志「俺は何をすればいい。そういう事だろう。」
竜馬「ああ、そうだ。お前はこれだ。」
そして、英会話CDを手渡した。
項志「英会話かよ。」
竜馬「おそらく、今回のミッションは合同捜査になる。語学力なくしては成り立たない。お前には申し訳ないが、やるしかないだろう。それにお前には、イングリッシュティーチャーを用意してある。」
先生「おお、私好みのボーイね。」
それは三十代半ばのアメリカ国籍の金髪女性だった。
項志「マジかよ。この先生で勉強になるのか。」
竜馬「お前の事をアメリカコスモスに話すと、その噂を聞きつけて名乗り出たのだ。」
先生「親切丁寧に教えるね。でも私、若い男大好きね。」
項志「こんなんで本当にいいのか。」
竜馬「ああ、いいんだ。そのお姉さん、アメリカンカンフーの使い手だ。英会話もそうだが、体力面でもサポートしてくれるだろう。」
項志「ほおー、そういう事か。なかなかおもしろい。体力面でも相手してくれる人物を連れて来るとは、さすがコスモス日本支部長といったところか。」
竜馬「項志、今回のミッション半端じゃないぞ。心してかかれ。それに大きな戦闘になるだろう。お前のその力、最大限引き出さなければ攻略は不可能だ。」
項志「ああ、わかっている。」
先生「では、レッスンワン行くわよ。」
項志「かまわないぜ。しかし、その袋の中の物は何に使うんだ。」
先生「あら、気付いていたのね。この銃、いつ撃つかわからないわ。気を抜いたら、あなた死ぬわよ。」
竜馬「今回のレッスン、気を抜くと死のレッスンとなる。」
項志「おもしろいじゃないか。先生、よろしく頼むぜ。」
先生「まずは体力メンテナンスよ。」
項志「OK、いつでもいいぜ。」
そう言うと、いきなり回し蹴りをはめてきたのだが、あっさりかわした。その間、銃弾を三発撃ってきた。その銃弾は、三発とも、指と指の間に挟まっていた。
先生「オー、アンビリバボー、信じられないネー」
竜馬「その男の運動能力は神業だ。もはや人間の域を超えている。」
そして三日が過ぎた。
先生「この少年、バケモノネー、最終的に英語のレッスン中に、私の次の行動、全て言い当てたネー、銃を使用する暇などなかったわ。それも英語の勉強しながらなのよ。もう、神よ、オオマイゴッドだわ。」
項志「先生、あなたの目、口、手の動き、そして空気の流れを全て読みきった。そして、次の行動を導きだしたということだ。」
先生「もはや無敵ね。」
竜馬「この我皇項志の他に神龍亜輝、小早川礼子がいる。この三人が揃ったことで、アルカトラズ攻略を実行に移すことができたのだ。」
先生「まだいたネェー、これで私もアメリカに帰れるネェー」
項志「先生、俺に頼みたいことがあるんじゃないのか。」
先生「オー、ボーイ、これ程のハンディがありながら、全てクリアした人はこれまでいなかったネー、しかし、あなたと同レベルの人間や、強化人間が二人いるネェー」
竜馬「強化人間だと。」
先生「そうネー、アルカトラズ簡単にはいかないネー」
項志「なぜ、そんなことを知っているんだ?」
竜馬「項志、この人の名はキャサリン・ローズだ。」
項志「キャサリン・ローズだと。」
竜馬「そうだ、超一級の暗殺集団のリーダーだ。」
項志「なぜ、その悪のリーダーが、俺に力を貸そうと言うのだ。」
先生「項志、お願いがあるねー」
項志「やはり、そう来たか。」
先生「アルカトラズに行った時、門番に二人の男がいる。その二人の男、私の弟ネー」
項志「救出してくれというのか。」
先生「私の弟達はドグマに拉致され、強化人間として再生され、アルカトラズの番人になった。私は弟達を救出したい。今までドグマの手先となり、危ない仕事もたくさんしてきたネー、しかし、竜馬からあなた方のことを知り、そして東京ドームの事件も、あなた達の活躍も聞かされて、弟達の救出の時が来たと思ったネー」
項志「わかった、必ず救出する。」
先生「おお、やっぱり、思った通りの少年ネー」
そう言って抱きつき、頬ずりするのだ。
項志「わかった、わかった。必ず助けるから。」
項志は思った。やはり外国語も外国人も苦手だと。
次回の予定は、十一月十三日頃の予定です。




