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小早川礼子編〈その五〉

 亜輝「礼子さん、なぜ俺達と渡瀬さんがつながっていると思ったのですか。」

礼子「カンよ。ただ、あなた方と父と渡瀬さん、その行動パターンを見ていると、全く同じなのよ……母がよく言っていたわ。あの気難しい父が心を許した人は竜馬さんだけだと。それだけ人間的にも優れているのだと聞かされたわ。」

項志「すまなかったな、礼子。疑ったりして。」

礼子「いいのよ、気にすることはないわ。もし私があなたの立場なら同じことをすると思うわ。それに犯罪組織が相手ならなおのこと、一瞬の気のゆるみが死につながることも考えられるわ。」

亜輝「しかし、礼子さん、この仕事、女性には荷が重いと思いますが……」

項志「俺もそう思う。この仕事、いつも死がつきまとっている。俺達の両親も、ドグマ、つまり犯罪組織に殺された。そして渡瀬さんも一命はとりとめたが、サイボーグの体になってしまった。お前位の美貌と頭があれば、これからの人生幸福にやっていけるんじゃないのか。」

礼子「それはあなた達も同じじゃないかしら。幸福かどうかはその本人しかわからないわ。それに母と共に生前葬、つまり、葬式は済ませてきたわ。」

竜馬「そこまでの決意だったのか。なぜこの道を選んだのかね。」

礼子「初めは母の言う意味がよくわからなかったわ。私も平凡な人生を送るつもりだった。しかし、この二人に会ってから、私の中の何かが変化し始めたのよ。そして、あの校長室での会話を聞いた時、私の中の何かがはじけ飛んだわ。そして決定的だったのは、あの球場での事件よ。最後に出て来た覆面選手、あなた達でしょう。」

亜輝「そうですが……」

礼子「あの事件の後、私はあなた達と同じ道を歩むことを決意したわ。私の中に流れる父の血がそうさせたのかもしれないわ。」

竜馬「類は友を呼ぶということか。」

項志「しかし、葬式まで済ませて来るとは……」

礼子「あの小早川敬護の妻と娘よ。ハンパじゃないわよ。そして母は言っていたわ。礼子、もし、あなたの身に何かあれば、私の命もありません。親子共々この道を歩むのです。」

竜馬「敬護も熱い男だったが、その魂は妻と娘に受け継がれていたか……わかった、君も我々の同志だ……この二人とは、今は別行動だが、コスモス日本支部を立て直した後に合流しようと思っている。それまでこの二人と行動を共にしてくれ。」

礼子「わかりました。」

項志「おい、亜輝、これってやばいパターンじゃないのか。」

亜輝「そうだな、ドグマ以上に手ごわいかもしれん。」

礼子「何をコソコソ言ってるの。さあ、あなた達、手を前に出して。」

項志「何をする気だ。」

礼子「気合いを入れるのよ。私がかけ声をかけるから、同調してちょうだい。」

項志「マジか、俺が最も苦手なやつだぜ。」

亜輝「項志、ここはこらえろ。逆らうとどうなるかわからんぞ。」

礼子「これから、レスキューボーイズプラスワンの結成式を行うわ。」

項志「プラスワンて何だよ。」

礼子「あなたたちプラス私、2+1で三人てことよ。じゃあ、行くわよ、レスキューボーイズプラスワン、ファイト・オー」

亜輝・項志「オー」

礼子「声が小さい。」

亜輝・項志「オー!」

項志「まさか、こんな事になろうとは。」

亜輝「項志、あの修行を思い出せ。それと比べれば、どうということはないだろう。」

項志「修行の方が、まだましだー」

                           第二部・完

次回は、十月十六日頃の予定です。

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