レスキューボーイズ 第五部 聖獣四天王編〈その三十二〉
水薫「白虎咆哮の構えか……」
項志「行くぞ。」
そう言うと、目にも止まらぬスピードで水薫に近づいて行った。
水薫「ほおー、成長したな、項志。」
項志「今までの修行は伊達じゃない。」
その後、二人の姿が見る者の視界から消えてしまった。
レッドル「消えた……二人の姿が見えない。」
二人がぶつかる衝撃音と閃光だけが見えるのみだった。
ブルーバ「どうなっているんだ、二人はどうなったんだ。」
レッドル「なんて戦いだ、二人を目で追って行けないなんて。」
水薫「アルカトラズを落としたのもうなずける。」
項志(心の声)『攻撃を全て受け止められている……それに激突する際、この体に伝わる衝撃は、いったい何なんだ。今まで味わったことのない感覚だ……全身が軋むようだ。』
項志「なぜ受けの拳なのですか。」
水薫「これはけいこだ。実践ではない。」
項志(心の声)『もし水薫が本気を出せば、俺はどうなってしまうんだろう。』
水薫「そこまでだ。体術の方は申し分ない。その拳圧とスピードならばな。」
項志「なぜ攻撃を加えて来ないのですか。」
水薫「攻撃すれば、おまえの体はただではすまないだろう……それは避けたい。」
その言葉に自分の未熟さと、四天王の強大な力の前に項志は平伏すしかなかった。
項志「しかし、俺も霧風先生から受け継いだ四天王の一人。なぜここまで差があるのですか。」
水薫「おまえは四天王について何もわかっていない……四天王とは唯一無二、拳法界で世界の頂点に立つ存在なのだ。おまえは今まで自分の力に対して優越感に浸ったことがあるのではないのか。その心がある限り、おまえに四天王の資格はない。」
項志(心の声)『そういうことだったのか、俺はまだ俺自身との戦いに勝ってはいなかったのだ。』
水薫「おまえに四天王の歴史を話してやろう。しかし、その前に風神凰牙を見せてみろ。」
項志「わかりました。しかし、あなたにこの技を使うということは、あなたも奥義を使うということですよね。」
水薫「ああ、そうだ。」
その時であった。水薫の弟子達が集まって来たのだ。
弟子1「水薫様、奥義を、水神を出されるのですか。」
弟子2「今まで水薫様の奥義など見たことがない。」
水薫「お前達、風神凰牙も見たことがないだろう。」
弟子3「はい。」
水薫「ならば、風神と水神の戦い、よく見ておけ。」
次回は、三月一日頃の予定です。




