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63. ナズェミテルンディス!!

久しぶりにステータス回をやろうと思ったところ、前回が4月だったためその間のあれやこれやをしていたら昨日投稿できませんでした……。

本当にすみません。

「ごめん、そっちに2匹行った!」


「おっけー! こっちは耐えられるからそっちはよろしく!」


 声の飛んできた方向へ振り返ると、報告通り2体の『レッサー・ウルフ』が左右から大口を開けて迫っていた。


「《アーススパイク》、『パリィ』」


 地面から50センチ程の土の棘を出現させる魔法───『アーススパイク』で右の『レッサー・ウルフ』を攻撃し、左のウルフは左手に装備した小盾で弾き飛ばす。


 ウルフの体を下から貫くつもりで放った魔法はギリギリのところで躱されたものの、左前脚を捉えたことにより鮮血が飛ぶ。


「《ファイヤーボ───『回転斬り』!」


 条件反射でウルフへの追撃に移るが、その直後に背後からの攻撃の気配を察知。


 即座に魔法をキャンセルし、居合の要領で左腰のマジックバッグから剣を抜くと、振り向きながら横薙ぎに剣を振るう。


「ウキ!」

「ウギ!」

「ウギャ!」


 綺麗に飛んでいく『レッサー・モンキー』達を見送りながら剣をマジックバッグに戻し、再度振り向くも既にそこにウルフの姿はなく、少し離れたところで恨めしそうに低く唸っていた。


 1対5。


 加えて、猿も狼もAGIが高いため中々攻勢に転じることができない。


 それなら、こちらもAGIを上げればいいじゃない。


 そんな訳で早速『AGIブースト』を自身に付与。


「───行くぞ!」


 まず初めに狙うのは脚を負傷しているウルフ。


 まるで「え、俺!?」と言わんばかりに目を見開いているが……手負いの敵から倒すのは別に普通だと思うよ?


 そんなくだらないことを考えつつ数歩でウルフに肉薄すると、平手打ちをするように右手を振りかぶる。


 が、これはただのビンタではない。


「《ファイヤーボール》!」


 顔に命中する直前、手の平に火球を出現させ、それをそのままウルフにぶつけてやるのだ。


 命名するなら『ファイヤービンタ』と言ったところだろうか。




─────スキル『ファイヤービンタ』を習得しました─────




「───はぇ?」


 突然頭の中に流れた音声に、思わず変な声が出た。


 今なんて言った? ファイヤービンタを習得しました?


 適当な思い付きだったのにスキルとして認められるのかよ……。


 因みにだが、「トリアル・ワールド」では魔法だけでなくスキルも創り出すことができる。


 それは既存のスキルや魔法を組み合わせたものでも、全く新しい動きでもどちらでも可能だ。


 例えば「ダッシュ斬り」と「回転斬り」を合わせて、ダッシュ後にその場で回転斬りを行う「ダッシュ回転斬り」とか、(用途は不明だが)五芒星を描くように剣を振るう「ペンタグラムスラッシュ」とかな。


 あ、ヤバい。 思い出したら笑いが込み上げてきた。


 「……プッ、ククク。なんだよ『ペンタグラムスラッシュ』って。何でその場で棒立ちして五芒星を描くんだよw」


 ネタスキル集みたいな動画の常連だったけど、マジで絵面が面白すぎるんだよ、アレ。


 前から飛んできている魔法に対してドヤ顔でスキルを発動するんだけど、当然防げる訳もなくて無様に吹っ飛んでいく姿がもう、ね。


 あれはもう、ある種の芸術なのよ。


 ……うーん、ちょっとこの世界でもそういうのをやりたくなってきたな。


 誰に見せるって訳でもないけど……こういうのって自己満足だしな。


 あ、でも自分がやったら後で見返せないのか。


 ……むむむ、それはちょっと良くないなぁ。


 どこかにカメラ、もっと言えばビデオカメラがあればいいんだけどこの世界にはないからなぁ。


 いやまぁ、身分証の顔写真を撮るときに使ってはいるからあるにはあるんだけど、この世界のカメラって神の作った魔道具って言う設定で部屋に固定されちゃってるんだよね。


 もし小型化して誰でも使えるようになれば間違いなく売れるんだけど、作り方分からないしなぁ……。


 とりあえず頭の中のやりたいことリストにでも入れておこうか。


 と、そんなことを考えていると残る魔物はモンキーとウルフがそれぞれ1体ずつになっていた。


 無意識とまではいかないが、この程度の敵なら別のことを考えていても全然何とかなるな。


 こういうのはゲームで散々レベリングをしてた影響だろうな。


 言っちゃ悪いけど、レベル90台とか本当に作業感半端ないからな……。


 何かほかのことを同時にしてないとすぐ眠くなっちゃうんだよね。


「トリアル・ワールド」は好きだけど、それとこれは別問題。


「《アーススパイク》《ファイヤーアロー》」


 そんなこんなで残っていた2体の魔物も魔法で倒し、こちらは戦闘終了。


 援護に行くかとハクレシアの方に目を向けると、何故か彼女はこちらをじっと見ていた。


「えっと、どうかした?」


 そっちが終わってたなら手伝ってくれても良かったのに、という思いも込めながら聞くと、ハクレシアはゆっくりと口を開いた。


「……やっぱりクロトって相当強いよね? 今何レベルなの?」


 しかし、返ってきたのは予想していたのと違う言葉だった。


 そのため、俺は一瞬言葉に悩んだのだが、ハクレシアは沈黙と受け取ったらしく───


「───あ、もちろん嫌だったら言わなくていいんだけど。」


 と、慌ててフォローを入れた。


「あぁ、ごめん。そういう訳じゃなくて、単に言葉に詰まっただけだよ。今のレベルはね───」


 そう言って、俺はステータスウィンドウを確認する。



────────────────────



クロト     Lv 39(+3up)

所属:冒険者ギルド

Dランク(E→D)



SP       0 pt



HP      390〈+39〉(+33up)

MP      390〈+39〉(+33up)


STR     140〈+15〉(+18up)

INT     296〈+38〉(+29up)

STM     129〈+15〉(+8up)

DEF     76〈+8〉(+10up)

AGI     184〈+20〉(+30up)

DEX     84〈+8〉(+14up)

SEN     85〈+8〉(+13up)



《称号》

女神に選ばれし者

準中級冒険者(初級→準中級)

初級片手剣使い

初級棍使い(駆け出し→初級)

初級盾使い(駆け出し→初級)

駆け出し魔闘使い(new)

上級魔法使い(中級→上級)



《熟練度》

細剣術     Lv 20(+4up)

棍棒術     Lv 10(+3up)

小盾術     Lv 11(+4up)

魔闘術     Lv 1(new)

空魔法     Lv 10(+6up)

火魔法     Lv 10(+3up)

水魔法     Lv 27(+2up)

風魔法     Lv 7(+2up)

土魔法     Lv 2(new)

光魔法     Lv 5(+3up)



《スキル》

【走突】【一段突き】【二段突き】【三段突き】【回転斬り】(new)

【叩きつけ】【横殴り】

【シールドバッシュ】【パリィ】

【ファイヤービンタ】(new)



《魔法》

【転移】【エア・フロート】(new)【瞬間移動:ハクレシア】(new)

【ファイヤーボール】【ファイヤーアロー】(new)

【ウォーターボール】【ウォーターアロー】【水伏爆】

【ダウンフォース】【シルフィードダンス】

【アースボール】(new)【アースウォール】(new)【アーススパイク】(new)

【STRブースト】(new)【INTブースト】【STMブースト】【DEFブースト】【AGIブースト】【DEXブースト】(new)【SENブースト】



────────────────────



「───今のレベルは39だね。」


「39……え、高くない……?」


 何やらブツブツと呟き始めたハクレシアをよそに、もう一度ステータスウィンドウに目を戻す。


(分かってたけど、マジで『ファイヤービンタ』ってスキルが追加されてら。まさかこんな形で『魔闘使い』を獲得するとはね。)


 『魔闘』について簡単に説明すると、その名の通り魔法と徒手格闘を融合させた戦い方のことだ。


 そして何を隠そう、俺のメインキャラで一番使っていたのがこの『魔闘術』である。


 通常のスキルではMPを消費しないのだが、『魔闘術』に関しては魔法とセットの技であるためにスキルを使う度にMPも消費するのだ。


 だが、その分威力は折り紙付き。


 メインキャラはとにかくMPとMPの回復力を高めて魔法や魔闘術を連発する、火力重視のビルドだった。


 まずは各属性の魔法のレベルを上げようと考えていたために習得を後回しにしていたが、せっかく覚えたならぼちぼち使っていくのも悪くないかもしれない。


 ……というか、久しぶりに使ってみたい。




 数十分後。


「うぉぉぉ! 『ファイヤービンタ』!」


「ウキー!?」


 左頬にまるで漫画のような赤い紅葉を咲かせたレッサー・モンキーが木に激突し、そのまま光へと変わっていく。


「一撃か~。やっぱり魔闘強いな!」


 久しぶりのメインウェポンでテンションが上がっていた俺は、スキップをしながら素材を回収しに向かう。


 当然、背後からジト目で見ているハクレシアには気付かなかった。




前書きでも書いたんですが、前回ステータス書いたの4月なんですよね……まーじでサボりすぎた。

まぁ作中時間では一週間も経っていないんですが。

───え、私の執筆速度遅すぎ……?←

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