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49. 王都到着

お待たせしました、本編再開します!

「お~い、そろそろ王都に着くぞ~。」


 御者のおじさんの声で目を覚ます。


 遊び疲れてウトウトしていたらいつの間にか眠っていたらしい。


 周りを見ると同じように寝ていたりお喋りをしていたりと、最後は思い思いに過ごしていたようだ。


 既に日は沈み始めており、馬車の外には夕焼けが広がっていた。




「───全員の身分証を確認しました。どうぞお入りください。」


 馬車専用の門で乗客全員のチェックをし、馬車がゆっくりと街の中を進んでいく。


 暫くして、何台もの馬車が止まっているターミナルのような場所に到着すると、馬車が止まった。


「長旅お疲れさん! また利用してくれよな~。」


3日間(・・・)ありがとうございました!」


 そんな風におじさんと言葉を交わして馬車を降りる。


 先に降りていた他の乗客と別れの挨拶をしてそれぞれ散っていく。


 3日間という短い時間だったけど、寂しいと感じるくらいには彼らと仲を深めることができた。


 最初はただ暇潰しをしたいっていうだけの理由だったが、レクを提案して本当に良かったと思う。


 そして、思わぬ収穫もあった。


「これ俺の店の場所な。顔見せだけでもいいから店に来てくれや。」


 そう言ってメモを渡してきたのは、立派な口髭が特徴の強面のおじさん。


「ゴウタさん、ありがとうございます! 絶対に行きます!」


 ゴウタさんはこの街───『ガートラ』で武器職人をしていて店も持っているという。


 今回仲良くなったことで、武器を買う時はまけて(・・・)くれると言っていた。


 ちょうど装備のアップグレードを考えていたので渡りに船だ。


 これから挑戦しようとしている『ガートラ大ダンジョン』は国内最高難易度のダンジョン。


 武器は強いに越したことはない。


 固い握手をして別れを告げると、ゴウタさんも人混みに紛れて消えていく。


 見えなくなったところで振っていた手を下げ、最後まで残っていた人物に振り向く。


「お待たせ。……それで、話って何かな?」


 最後まで残っていた人物───それは、いつも俺の真正面に座っていた黒髪少女こと、『ハクレシア』だ。



「……王都に着いたら言いたいことがあるからちょっと待ってて。」



 そんな風にこっそりと耳打ちされたのが今日の昼休憩での出来事だ。


 そのおかげで今日の午後は何を言われるのかと内心ドキドキしながら過ごすことになった。


 なんてことない感じを装ってはいるものの、こういったシチュエーションは初めてなので嫌でも緊張してしまう。


 ハクレシアも緊張しているのか、口を開きかけては閉じるということを何回も繰り返している。


 お互いに黙ったまま時間だけが過ぎていき、そろそろ何か言うべきかと考えたところでハクレシアさんが覚悟を決めたように口を開いた。


「……PT(パーティ)組んで。」


「……ホントごめん、今何て?」


 耳を澄ましていたものの、周りの雑音に搔き消されるくらい小さく手を合わせながら聞き返す。


「……だから、一緒にPTを組んでほしいの!」


 予想していた言葉と違い、一瞬がっかりした気持ちになるも、すぐに安堵が広がる。


「なんだそんなことね。勿論オッケーだよ。」


 俺がそう答えると、ハクレシアは心底安心したような表情を浮かべた。


 ハクレシアの年齢は高校生くらいだが、こう見えてなんとCランクの冒険者であり、俺よりもランクが高い。


 加えて最近はソロでの活動が多いと言っていたので、いわゆる姫プで盛られたランクではなく正真正銘自分の力でのCランクだ。


 PTを組むと経験値が分配されるというデメリットも存在するが、それよりも強者と一緒に攻略できることの方がメリットは大きい。


(それに、ここのダンジョンは最奥ボスを倒さないとアレが手に入らないしな……。)


 そんな訳で俺としては断る理由はなかった。


「……それじゃあ明日から一緒にダンジョン行くってことで、いい?」


「了解。ダンジョン集合で良いかな?」


「ん。」


 そんなこんなで簡単に明日の予定を決めたのち、ハクレシアとも別れた。


 その後は宿を探したりダンジョンの下見をしたりして過ごし、1日を終えた。






 ─────この出会いが俺の人生を大きく変えることになるとは、この時の俺は知る由もないのだった。


本編再開です! と言いながら第2章が終わって閑話に入る作品がこちらです()

もう少し書くか悩んだんですがキリがいいのでここで区切らせてください。


ようやくのヒロイン枠の登場ですがここまで長かったな……。


第1章と同じく、この後は何話か閑話を挟んで第3章になります。

これからも拙作をよろしくお願いします。

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