【三つ目の選択肢】
日記を読み終えるのに一体どれだけの時間がかかったのか。
それすらもうよく分からなくなってたよ。
最後まで読み終えた時にはね。
特に重要なのは、要約して書き出した内容に関してだ。
三つ目の選択肢。
正直言ってこれは希望なんだか絶望なんだか分からないものだったよ。
抜け道とでも呼べるものは確かにあった。
が、少なくとも自分が望んでいたようなものじゃなかった。
というより、これは果たして新たな選択肢と呼べる代物なのか。
そこがすでに疑わしい。
無論、メリットもある。
いや、考え方によっては相当なメリットだ。
しかし言った通り、考え方によりけりさ。
受け取り方ひとつでまったく印象が違う。
はっきり言って、フィリアは死ぬほど悩んだよ。
変な話だが、選択肢がふたつだった時より、格別に悩んだ。
下手に選択肢が増えた分だけ考えなきゃいけないこと、覚悟しなきゃいけないことが増えすぎた。
しかもここも重要なんだが、これはあくまでも単なる予測であって本当にそうなるかどうかは確認できてない。
結果が予想でしかないってのは、かなりの大博打さ。
この一点だけでも、これを選択肢として含めるのには大きく躊躇する。
悩むね。
なんとも悩むことばかりだよ。
しかし悩んでる時間すら惜しいのも事実さ。
それにこれはリスクがでかいってだけが理由じゃないんだが、当然フィリオにも相談する必要がある。
こちらもまた悩むとこだよ。
もはや半分廃人みたくなってるフィリオに、まともな選択を期待できるかどうか。
とはいえこの選択肢は他の選択肢以上にふたりの意見が一致することが大切だ。
相談無しにやれる選択肢ではないことは確かだよ。
え?
一体その選択肢ってのはどんなものかって?
ああ、簡単だよ。
この館でのドアの使い方、分かってるだろう?
取っ手を掴んで、行きたい場所を頭に浮かべる。
……うーん。
やっぱり素直に教えるのもつまらないね。
じゃあヒントだけ教えてやるよ。
取っ手を掴むのは一体、何人だい?




