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figlio figlia  作者: 花街ナズナ
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【要約】

過去に館へ訪れた子供たちの残した痕跡を私なりに調べ上げた。

以下はそのまとめだ。

私が変化によってこれから訪れる子らの助けとなれなくなっても、この日記の記述がどうか彼らの役に立つことを祈る。

この館はひとつの部屋にひとつのドア。

この原則は絶対だ。

そしてふたりの子供が館に入ったなら、そのうちのひとりしか館を出ることはできない。

もし、ふたりの子供のうちひとりが霧の部屋へとドアを通じさせ、そこを通過したなら、残されたひとりは間違ってもそこに入ってはいけない。

一度ドアが閉じれば、もう残された子は霧の部屋へとドアを通じさせることはできなくなるが、もし開いている状態のドアに飛び込むことがあれば、この前にも書いた通り、その結果は悲惨そのものだ。

ピエールはジャックを追って、霧に引き裂かれて死んだ。

ジョリスとウィリアムはどちらが館を出るのかで揉め、結局はふたりして霧の部屋を抜けようとした。

この結果は私しか見なかったのは何よりだったと思う。

ようやくアナトールとカゾットも慣れてきたふたりが、同時に霧の中で血と肉の欠片に変わってゆくさまを、ふたりが見たならまたピエールのことを思い出し、心を痛めたろう。

デニスとロレンスは、弟のロレンスが館を出た。

霧の部屋に関する痛ましい事柄が続かなかったのは良かったが、根本は変わらなかった。

デニスが自室で首を吊っているのをアナトールが見つけたのはまたしても私の不注意だ。

デニスの自殺を止められなかった上、その現場をアナトールに見せてしまうとは。

すでに書いたことを何度も書くのには理由がある。

間違っても、彼らと同じような真似はしてほしくない。

その一心からだ。

霧の部屋をふたりして抜けるのは不可能だ。

つまり、この館からふたりが出ることはやはり出来ない。

しかし、方法は何も無いというわけではない。

これは私が見つけたある過去の子供の残した日記に書かれていた手段だが、もしもこれが真実であるなら、ある種の希望はある。

ふたりが入り、出るのはひとり。

この原則は絶対だ。

破ることはできない。

だが、これを読んでいる子供が一体、何をもって救いと感じるかによって、その道もひとつの選択肢となり得るだろう。

ふたりの子供。

どちらかが出て、どちらかが残る。

この選択肢にもうひとつ、新たな選択肢を加えよう。

手順自体は単純だ。

問題はそれを君が真に望むかどうか。

願わくば、後悔の無い選択を。

私に残せることはこれだけだ。


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