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【キミの声をきかせて】~声を失った少女は、四人の王子に溺愛される~  作者: みみまる.com


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17/28

EP17:律くんはマイペース。



今、私は春琉くんと壁に挟まれいわゆる壁ドンてやつをされている。


朝起きていつも通り、朝ごはんが終わりお弁当を渡していた時の事。



キッチンをチラリと見た春琉くんが


「…なぁ、最近律の弁当だけねーけど」


え…えとっ、律くんに秘密って言われてるし…な、なんて言えばっ…


あたふたしていると


「なんで慌ててんの?なんかあんの?」


そう言って壁までジリジリ近寄ってきた春琉くんは壁に私を挟むように壁に両手をつき私を逃がさないと言ってるようだ。


【なんでもないです…たまたまです】


震える手でホワイトボードを春琉くんに見せると目を細める春琉くんが


「へぇ…俺に嘘つくなんて生意気…。俺がそんな嘘に騙されると思ってんの?」


そう言って私の顎をつかむとクイッと上を向かせる。


ひぃ!バレちゃうっ!けど…目の前にある春琉くんの綺麗な顔はかっこよすきて…ドキドキする。


不謹慎だけど…顔がみるみるうちに赤くなる私に春琉くんは、ため息をつく。


「…はぁ…くそ…っんな可愛い顔しやがって…とりあえず学校だから帰ったら聞かせろよ、わかったな?」


そう言うと解放された私。


どうしようとドキドキで朝からパニック!!


みんなを送り出したあと、私は家事があまり手につかないでリビングを一人ウロウロしていた。



すると…いつの間にかお昼になっていて…


「あれ…澪、どうしたの?」


律くんが現れた。


【春琉くんにお昼の件バレてます】


私は慌てて律くんにホワイトボードを見せると律くんは落ち着いていて


「…へぇ、案外早かったね。なんか手伝うことある?」


そう言って笑うといつも通りお昼ご飯の準備を手伝う律くん。


マイペースすぎないっ?!


えっ…そんなもんなの?私あんなに一生懸命隠したけど…バレてよかったってこと…??


うぅー…律くんてマイペースでよくわかんないなぁ…。



手伝ってくれる律くんと一緒に簡単にお昼を作ると二人でダイニングテーブルに座る。


「いただきます」


律くんはいつも通りで、どうすればいいかわからず…黙々と二人でご飯を食べていると



───ガチャンッ


???


こんな時間に誰だろう…と律くんを見ると律くんはわかっていたかのように


「…やっぱり、きたね」


そう言って笑いながらご飯を食べている。


私はそんな律くんを不思議な顔で見ていると



リビングの扉が勢いよく開いた。



そこには息を少し切らした春琉くんが立っていた。

そして私と律くんを怖い顔で睨みつけている。


「……おい。お前ら…ここ最近二人でこそこそ何してんだよ」


私は朝の嘘のせいでパニックになる中、目の前の律くんはご飯を綺麗に口に運びながらどこまでもマイペースだ。


「……別に何も。澪が寂しくないようにお昼を一緒に食べてるだけだよ」


「…はぁー?聞いてないんだけど」


「そんなに怒らないでよ。理事長が来た日に決めたんだ…春琉だって澪に寂しい思いさせたくないでしょ?俺だってそうだよ」


そう言っていつもより真面目な顔で春琉くんを見る律くん。


「…ちっ…そーかよ」


そう言って春琉くんは悔しそうな顔をする。だけど、それ以上は何も言わなかった。


「じゃあ、俺はご飯食べたから部屋戻るね。春琉、あんまり澪をいじめたらダメだよ」


そう言って立ち上がると律くんは私にだけ


「ごちそうさま。美味しかったよ」


と優しく微笑んで自分の食器を片付るとこの地獄の空気のまま私を置いていってしまった…。


律くんは…どこまでもマイペースだ…。


そして春琉くんは私の手を引くと春琉くんの腕の中にぎゅっと閉じ込めた。

すごく安心する匂いがする…。


「はぁ…朝嘘ついたな…お仕置。このままじっとしとけ…」


そう言って私は大きな春琉くんの腕の中に抱きしめられる。


赤くなる私はこれは…お仕置なのかな?

なんて腕の中で言われた通りじっとしてた。


一時して落ち着きた春琉くんに手を引かれて、リビングのソファに一緒に座る。


「…で?全部吐けよ」


サラサラの綺麗な黒髪の隙間から見える綺麗な顔で少し寂しそうな目をして私を見つめてくる。


そんな目で見られた私はホワイトボードに今までの事を書いた。


するとそれを見た春琉くんは


「はぁ〜…律のやつ…やられた。まぁ律の気持ちはわかるけど…な。俺だってお前を一人にさせたくねーし、寂しい思いなんてしてほしくねー…」


そう言って春琉くんはソファに項垂れるとぼんやりとしながら天井を見つめていた。


私はなんて言えばいいかわからなくて黙って春琉くんの隣に座り続けた。



そして、夕方になると学校が終わった響也くんと碧くんが帰宅した。


春琉くんから事情を聞いた瞬間に寮のリビングは大騒ぎになった。


「はぁ…!? 律のやつ…昼間部屋から出てきたのかよ…くそー…やられた」


響也くんが頭をガシガシと掻きむしりながら悔しそうな声をあげる。


「澪ちゃん何もされてない?!僕がいない間に律くんとご飯…うらやましいっ!僕とだってまだ二人きりでご飯食べたことないのにぃっ!!僕の為にも今度ご飯作ってよぉ!律くんずるいっ!!」


碧くんはうるうると目を潤ませながら私の肩をつかみじっと見つめてくる。


男三人からの凄まじい勢いで責め立てられて…声の出ない私はどう対処すればいいかわからなくてあたふたとしていると…



その時だった。


「……みんなうるさい」


リビングの扉が開き、二階から降りてきた律くんが、音もなく私の後ろにそろっと現れた。


そして近づいてきた律くんは、私を後ろから長い腕でグイッと自分の方へ引き寄せるとそのままみんなの前で私の体を両腕ですっぽりと包み込んでしまったのだ。


り、律くんっ?!


背中から伝わる律くんの熱い体温に私の心臓が跳ね上がる。


そして目の前にいる三人も驚いて固まる。


そして…いつもよく分からなくてマイペースな律くんは気怠げにみんなを見つめながら平然と言い放った。


「澪がこまっててかわいそう…これ以上みんなで澪をいじめるなら、俺の部屋に閉じ込めるよ?」


そう言う律くんに


「は?!何言ってんだよ!お前っ!てか離れろっ」


春琉くんが瞬時に立ち上がる。


「春琉の言う通りだっ!澪を離せよ」


響也くんも久しぶりにイライラとした顔をしていて


「律くん…それは良くないと思うんだけど?」


碧くんの怒っている顔もはじめて…見たっ。



リビングが一瞬で修羅場になった…。


私は律くんの腕の中であたふたすることしかできず…。


こ、この地獄…ど、どうしたらいいのっ?!


と思っていると更に律くんは爆弾を落とす。


「……何怒ってんの。だって澪は、俺とずっと一緒にいてくれるって言ったし。だから二人でお昼ご飯食べるのもこうやってくっつくのも当たり前でしょ?」


そう言って律くんは予想以上に不思議でマイペースだった…。


私のこの間伝えた言葉たちが律くんの中では、こんな解釈になっていることにも私は驚いてキョトン…としてしまった。


「「「はあああああ!?!?!? 」」」


「澪、律に何言ったんだ?!」

「澪、今のどういう意味だよ!?」

「澪ちゃん、僕に説明して!!」


更に問い詰められる私……。



その日の夜は、夜ご飯食べたあと相変わらずマイペースに何も無かったかのように律くんは部屋に戻って行ったけど…

私は永遠と三人に問い詰められたのだった…。



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