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【キミの声をきかせて】~声を失った少女は、四人の王子に溺愛される~  作者: みみまる.com


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13/16

EP13:あの時と違うこと。


───────────────…


澪side


春琉くんに抱き抱えながら寮に戻ると


泥まみれになった私に泣きそうな顔をした碧くんと響也くんが駆け寄ってきた。


「澪ちゃーーん!!無事でよかったよー!!」


「…澪!!大丈夫か…?!」


申し訳なくてごめんねとペコペコと頭を下げていると


「お前ら…散れ!!澪が風邪ひくから話はあとだ」


そして、足を引きずる私を脱衣所まで連れていくと


「あがったら呼べよ」


そう言って春琉くんは少し怒ってるのか視線を合わせてくれなかったけど、私の頭をぽんっと撫でる。

その大きな手だけは温かくて優しかった。



そして温かいお湯で泥を洗い流した後、私はお風呂から上がったけれど私の心はズーンと暗く落ち込んでいた。



みんなに迷惑をかけちゃった……。


せっかくお迎えに行ったのに、足を挫いて私が迷惑をかけた上に助けられてるなんて…

はぁ…本当にバカだ……。



タオルを肩にかけたまま挫いた右足を引きずって、しょんぼりと肩を落としながらリビングに向かう。


リビングに入るとソファには、すでに着替えを終えた春琉くんが座って待っていた。

私の姿を見るなり春琉くんは大きなため息を吐く。


「……ったく。何やってんだよ…足いてぇんだろ?あがったら呼べっつったろ?」


呆れたような心配しているような、でもどこかホッとしたような声だった。



春琉くんはソファから立ち上がると、私の前にやってきて、肩にかかったタオルを手に取ると私の頭を優しくゴシゴシと拭く。


「はぁ…んとに…髪の毛びしょびしょすぎ。出会った日もびしょ濡れだったな…」


ぶっきらぼうな物言いだけどタオルの隙間から見える春琉くんは、少しだけ懐かしむような…そしてすごく優しくて温かい目をしていた。


そしてソファに座ると


「ここ座れ」


そう言って指差すのは、春琉くんの足と足の間…。


そ、それはちょっと恥ずかしいような…


と、戸惑っていると優しく手を引くと私を足の間に座らせた。



出会った時は足の間ではなかったけど…こうやって優しく手を引いてソファに座らせた私のびしょ濡れの髪の毛を乾かしてくれたっけ…。



ドライヤーを持ってきてカチッとスイッチを入れると温かい風と春琉くんの大きくて優しい手が私の濡れた髪を優しく揺らす。



「……出会った頃を思い出すな…あの日拾った時もボロボロで…風呂から上がったら髪の毛びしょ濡れで……俺にこうやって髪の毛乾かされて…変わんねぇな…」


ドライヤーの音に消されそうな低くて心地いい春琉くんの声。


髪をすくう彼の大きな指先が驚くほど優しくて、さっきまで落ち込んでいた私の心が温かいぬくもりで満たされていく。



ねぇ…春琉くん、あの時と少しだけ違う所もあるよ?



あの時は何もおわなかったけど…なんだか背中に感じる春琉くんの体温に少しだけ緊張する私がいるよ…。



私をいつも守ってくれるその温かくて優しい手が私の髪の毛を触れる度にドキドキするよ…。




やがて、髪の毛が乾くとドライヤーの音が静かに止まった。


お礼を言うためにホワイトボードに手を伸ばそうとした、その瞬間だった。


「…………!」


後ろから、春琉くんの大きくて長い腕が私の体を包み込むようにして前へ回された。


そのまま私の胸の前にある腕が私をぎゅっと抱き寄せると後ろから抱きしめられる形になった…。


そして身長の高い春琉くんの腕の中にすっぽり収まる私の頭の上に春琉くんが顔を載せると頭の上から酷く安心したような優しい声が降ってくる。


「…はぁ…本当心配した…」


驚いて目をパチクリさせる私を、春琉くんはさらに腕に力を込めて自分の体に隙間なくぴたりと密着させた。


「………っ!」


ひいいい…ドキドキがやばいよ…!

ど、どうしよう…!


私の心臓の音が春琉くんに伝わらないか更にドキドキする私。


「……俺が見つけれなかったら…ほんとどーするつもりだったんだよ…俺の為に家飛び出してんじゃねぇよ…」


少しだけ不安そうに切なそうな声を出す春琉くんに、すごく心配をさせてしまって胸がきゅっとなった。


「…………」


「…声も出せねぇんだから、これ以上心配させんなよ…次こんなことあったら俺の心臓もたねぇよ…」


そう言って私を優しく抱きしめる春琉くんに

私は申し訳なさと嬉しさの中で静かに顔を赤くしながら抱きしめられ続けた。




────────────────…



春琉くんが満足するで抱きしめ続け

私を解放したその後の事だった…


二人で静かなリビングでホワイトボードで会話を楽しみながらクスクス笑っていると


バタンッ……!!!


静かな空間を切り裂くように二階の階段の上から、何かが激しく倒れるような大きな音が響き渡った。


「……?!」


「……あ?…なんだ今の音……」


春琉くんと二人でリビングの扉を見つめる。


そして春琉くんが立ち上がると階段の方に向かい声を張り上げるが返事がない。


「おい響也!なんか落としたか?」


二人で顔を見合せていると…バタバタと慌ただしい足音が聞こえてきた。


「あっ!春琉と澪ちゃん!!大変だっ!碧が…!!!」


二階から勢いよくきょーくんが走ってきて、すごく慌てている。


その姿に春琉くんがすかさず駆け寄ると


「…どーした?」


「碧が部屋の前で倒れてる!体が…めちゃくちゃ熱くて…!」


その言葉を聞くと春琉くんは急いで二階にかけていった。


大変…!!大雨の中私を探し回ってくれたから…!!!!…碧くん!!!



まだ痛む足を引きずり私も大急ぎで春琉くんの後を追いかけた。


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