再会
親に半ば強制でお見舞いに行くよう言われ、渋々向かう俺。
昔はあんなに仲良かったのに、どうして嫌がるの?
なんて言われても、昔こっぴどくフラれて、今も引きずってるなんて口が裂けても言えない。
病院のロビー?玄関?に入ると彼女の親がいた。
久しぶりねぇだの立派になってだの言われたが、正直面倒だった。
「あいつも君がなかなか絡んでくれないと寂しそうにしていたし、絶対喜ぶから是非会っていってくれ。」
「はぁ…。」
ミナが俺に会いたがってる?
社交辞令が見え見えだった。ちょっとやさぐれた気持ちになる俺。
病室を聞き、エレベーターに乗った。
…緊張する。
会いたい。でも会いたくない。
どんな顔で病室に入る?
何を話せばいい?
拒否されたら?多分、俺は立ち直れない気がするぞ。
…落ち着けよ。ただの幼なじみだろ?
普通な顔して、大丈夫かとか話せばいい。
拒否なんてされないさ。幼なじみなんだから。
全く落ち着かなかった。
ガチガチのまま病室の前まで来てしまった。
どうしよう。帰りたい。
でもここまで来たら引くわけにもいかない。
行くしかないんだ。
決心してドアをノックする。
「はい、どうぞ。」
それは懐かしい、そして未だに愛おしいと感じる声だった。
ミナだ!どうしよう!?
まだ迷うか?いけよ!
ドアノブに手を伸ばす。
クソ、手が震えてやがる…。
ガチャ
ドアを開けた。
そこには彼女がいた。
大人びて、更に綺麗で可愛くなっていたが
本当に、どうしようもないくらい彼女だった。
目が合う。
頭が真っ白になる。
何も考えられない。
見つめ合っていたのは多分三秒くらい。
俺には一万年と二千年くらいに感じたが…。
ほにゃ
って彼女は笑った。
目尻が下がって、口の端が少しだけつり上がる。
昔から全く変わらない笑顔だ。
「久しぶりだね。」
「…ぉお。」
「日に焼けたねぇ」
「…おお。」
「また背伸びた?」
「おぉ」
「おおばっかりじゃわかんないよぉ。」
そんな事言われても、それが精一杯で、限界で、一杯いっぱいだった。
「元気だった?」
「おぉ。」
「またそれ?」
そう言いながら笑う彼女を見ながら、俺は泣きそうだった。
聞きだい事だとか、言いたい事とか山ほどあるけど、
彼女は俺を拒否しなかった。
それが俺にはすごい安心と言うか、嬉しかった。
本当に泣きたくなるくらいに嬉しかったんだ。




