襲撃(1)
ー翌日、俺、渡部裕也は宿で目を覚ました。
宿の人にお礼を言い、俺は宿を後にした。
村の中には色んな商店があり、食べ物や武器、衣類など生活に欠かせない物が売られていた。
俺が貰った金は100ジェルのみで、買えるのは食べ物のみであった。
「くっそ、何も装備買えねぇ」
暫く村を歩いていると目の前から軍隊のような人たちが歩いてきた。
「なんだ?この村の部隊か?」
周りの人は集団に気付き、咄嗟に家の中に隠れ、ドアを閉めた。
「あれ、なんで皆隠れるんだ?」
商店街のようだった村も、急に音も立たないような村になってしまった。
「お前、命知らずだな。我らはマグノリア国王に歯向かえし者、お主は国王の肩を持つ気か?」
「俺はこの世界の住人じゃない。お前の知らない場所からきた。お前らに歯向かう気も無いが、国王の肩を持つ気もない。」
俺は答えた。
「そうか、ならばこの村にももう用はない。皆には消えてもらおう。」
「なっ!」
俺は危険を察し、剣を抜いて声の主にむけて構えた。
「お前、歯向かう気はなかったんじゃないのか」
「ああ、だけどそのやり方は好きじゃない。」
何が目的か知らないが、この村人に罪はないはずだ。
隊のリーダーは右手を上げて魔法を放とうとする。
俺は右足を踏み込み、自我のままに剣を振った。
すると隊の別の兵が剣を防いだ。
このままでは村が危ない。そう感じた俺は剣で2撃目を繰り出す。
だが、その攻撃も届かず、防がれる。
ふと見回してみれば隊は10人ほど、とても初めてこの世界に来た俺が太刀打ちできるような数ではない。
俺はすぐに後ろに下がり、様子を見る。
すると、1人が突っ込んで剣を振って来たので俺はその攻撃を受け流す。
リーダーは魔力と思われるものを集中させて村に放とうとしている。
「お前は見逃してやる、この村から立ち去れ。」
「いやだね、こんな小さな村でも存在する価値はある。目的が何かは知らないけど、やめろ。」
隊のリーダーはその言葉を聞き、魔法を溜めるのをやめた。




