4/10
旅立ち(3)
俺を助けた女性は小柄だった。
だが、剣で助けられた、この世界は俺の知らない世界だ。
ましてや、渡部裕也のいるべき世界ではない。
「あんた、逃げた方がいいわよ、ここにいると死ぬわ」
その女性剣士は相手の攻撃を抑えながら言った。
「ここから、太陽と反対の方向にまっすぐ行きなさい。そうすれば村が見えてくる」
「さんきゅ!」
俺は一目散に逃げ出した。
少なくとも味方と思われる人に背中を見せながら、俺は走り出した。
ー走ってるうちに日が傾いて来た。
見えてきたのは木ばかりだった。しかし、間違いなく街や村がどこかにあるはずだ。
この世界はおそらく俺の知らない世界、ではどこの世界だ?
オンラインゲームならば画面上の世界であるが、こうもリアルであるとマップもないから進み辛い。
ー暫く移動してると三角屋根の小屋が見えてきた。
外装や外の状況からするにして、一つの牧場のようだった。
俺は、牧場に寄ることにした。
中に入ってみると牛や動物の匂いで散漫していた。
「うわクサっ」
しかし、勝手に入ってしまったが大丈夫だろうか?
俺は恐る恐る声をを発した。
「すみませーん、誰かいませんか」
「はーい」
家の人を玄関からよんでみると部屋の奥から、一人の男性の声がした。
「どうしました?ここらで見ない顔だね。どこから来たんだい?」




