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私の日常の非日常  作者: タフ
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10/14

夢の中で

お久しぶりです。

今回は現実ではなく夢のお話。

よろしくお願い致します。

 えーと、今日は何を話そうか。


 昔から見ている夢の話でもしようかと思う。




 初めてその夢を見たのは、小学三年生の時だったと思う。夢なのにかなりはっきり覚えていて、最初は不思議だった。

 その夢の舞台は通っていた小学校。三階建ての校舎で、スタートは確か体育館の脇からだった。

 時刻は真夜中であろう。空は真っ暗、というよりも真っ黒で、所々点いている明かりでうっすらと周りが見える程度、なぜここにいるかはもちろん分からない。

 誰も居ない校舎はもちろん怖いが、好奇心には勝てない。いつもと違う体験をしているという事に少し興奮しながら、校舎を歩き回ろうと決めた。



 ここで目が覚めた。

 これがその夢を見た最初の記憶。起きてすぐに夢だと気づいたが、不思議な高揚感が残っていた。またその夢を見たい、とも。



 次にその夢を見たのは、確かそれから二年後くらいだったと思う。

 夢はまた体育館の脇から始まる、ということはなく、校舎を歩き回るところから始まった。

 あの夢の続きだ、とすぐに気付く。前回は気づかなかったが、今回はここが夢の世界だと分かっている。だがそこは、夢だとは信じられないくらい生々しい世界だった。

 季節は夏だろうか、妙に暖かい風がどこからともなく吹いてくる。虫の声などは聞こえず、それどころか何の音も気配もしない。

 少し怖くなるが、なに、どうせ夢の世界だ、と思いながら歩き回る。

 校舎の一階をくまなく探索し、さて二階にも行ってみるか、と思ったところで目が覚めた。


 起きて、少しがっかりしている自分に気付く。もっと続きを見ていたかった。やはりどこか興奮している自分がそこにいた。




 またその夢を見た時、私はもう中学生になっていた。

 中学では部活に入り、毎日忙しくしていた。その事もあり、夢の事などすっかり忘れていた。

 だが、その夢を見たとき、またここに来れた、と嬉しくなった。今度はもっと長く見ていたいなと、そう思いながら二階に上がっていった。



 今では少し懐かしく思える校舎をのんびりと見て回る。夢の中でもあの頃と変わっていない。違うのはやはりここは夢の中で、空は真っ黒で、何の音も気配もしない。それでもやはり少し興奮しているのか、不思議と怖さは無くなっていた。


 校舎の二階もすべて回り、残すは三階のみ。音楽室の方へ向かう階段に足を踏み出し、そこで目が覚めた。



 起きたとき、またがっかりしている自分がいた。なぜだかは分からないが、あと少しだったのに、とそう思っていた。





 次にその夢を見たのは、高校生になった頃だった。

 高校生になった私は、また部活に入り、勉強に部活に遊びにと、また充実した毎日を過ごしていた。そうしてあの夢の事も忘れていたのだが。







 気づけばまたあの夢の世界。私は校舎の三階に居た。そして息を荒くしながら走っていた。

 


ナニかに、追われていた。



 「ソレ」がナニかは分からない。分からないが、絶対に追い付かれてはいけないと必死に考えていた。

 音楽室を通りすぎ、渡り廊下を走り抜け、図書館を抜けて教室の前を突き抜けるように走る。

 アレはだめだ。アレを見てはいけない。アレに捕まるわけにはいかない。

 とにかく追い付かれまいと走る、走る、走る。だが走っても走っても後ろから「ソレ」は着いてくる。

 音もなく、ただ静かに。気配も無く、それでも迫ってくる予感がする。



 ここに居てはいけない。もはや夢だとかそんな事は頭には無かった。下に降りなければ、一階まで降りて、そして校舎から逃げ出さなければ、そうしないと「ソレ」が私に追い付いて、そうなったらそこで私は……








 目が覚めた。

 いつもその夢を見たときのがっかりとする気持ちなどどこにもない。とにかく安堵する。良かった、何とか逃げ切れた。

 そう思い深く息を吐き、そこで気付く。


 まだ校舎の外に逃げることは出来ていない、と。



 夢から覚める時、私はまだ二階へと降りるための階段に差し掛かった所だった。

 まだ終わらない。まだ逃げることはできない。まだあの世界は私を離してはくれない。




 そんなことに、気づいてしまった。











 あれから何年も経った。

 あの夢の世界に行くことは無くなっていたし、思い出すことすら減ってきている。

 だが、完全に忘れることはできない。

 いつかまたあの校舎に行くことがあるかもしれない。

 次もちゃんと逃げ切れるだろうか。

 そんなことを、寝る前に考えてしまう事があるのだから。







 信じられない人には信じられないでしょう。

 それでもこれが私の日常です。

ありがちな話ではありますが、こういう夢は見たくないものですね。

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