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転生ガチャ、大当たり

赤ちゃんの産声と共に、美幸の意識が浮上した。


「奥様!おめでとうございます!女の子ですよ!」


「ああ……やっと会えた……。」


「早く旦那様に知らせを!」


部屋中に響く元気な産声、自分を抱き上げる助産師らしき女、ベッドにグッタリと横たわる妙齢の美人、歓喜に湧くメイドたち………。


(………え?もう生まれ変わった?)


美幸は漠然と思う。


その後、美幸は温かい産湯に入れられ、美しいおくるみに包まれる。


「奥様、本当によく頑張りましたね。」


メイドがベッドに横たわる美人に、赤ん坊を抱かせる。


「ああ……なんて、可愛らしいの。クロードによく似ているわ……。」


チョコレートブラウンの輝く髪に、スカイブルーの美しい瞳が、赤ん坊を愛おしそうに見つめている。


(この人が、私のお母さんかな?)


その時、バン!と慌ただしく扉が開き、誰かが入ってきた。


「カミラ!生まれたのか!」


(声、でけぇ……。)


「あなた、そんなに大声を出さないで。赤ちゃんがビックリするわ。」


「ああ、すまない……。私にも抱かせてくれ。」


「ええ……。あなたと私の子よ。」


カミラ、と呼ばれた女性は生まれたばかりの娘を、そっと夫に抱かせる。


(あらまぁ……イケおじやん。)


赤ん坊を愛おしそうに抱くのは、金髪にエメラルドグリーンの瞳を持つ、渋いイケおじだった。


「結婚して16年だ……もう諦めていたけど……。

カミラ、ありがとう。こんなに元気な子を生んでくれて……。」


「今だに信じられないわ……。本当に奇跡よ……。」


夫婦は寄り添いながら、娘を愛おしそうに見つめる。


「名前は、もう決めたの?」


「ああ。ヒルダと名付けよう。」


「ヒルダ?」


「ああ。私のお祖母様と同じ名だ。この子には、お祖母様のように、自分の足でしっかりと立つ、強い子になってほしいんだ。」


「……素敵ね。ヒルダ、初めまして。おかあちゃまよ。」


「おとうちゃまだぞ〜!ヒルダ〜!」


「あなた、声が大きいわ。」


「すまん、すまん。嬉しくて、つい……。」


部屋は、誕生したばかりの小さな女の子を祝福する温かい空気に包まれていた。


***


佐藤美幸、改め、ヒルダはルクレティア王国の貴族であるハワード伯爵家の一人娘として生まれた。


両親が結婚16年目にして誕生した、待望の跡取り娘だ。


(現実のヨーロッパにない国名だな。

なら、いま流行りの異世界転生か。)


生後6か月のヒルダは、庭でメイドたちとシートの上で遊びながら冷静に考えた。


(この国じゃ、男女関係なく跡を継げるって事は、男女平等参画社会なのかな?)


ボールをポイっと投げながら、思う。


「お嬢様、もうあんなに遠くに投げられるんですね〜。」


「なんとたくましい……。」


褒められたヒルダは、得意げに胸を張ると、メイドたちは「可愛いぃぃ〜!!」と一斉に黄色い悲鳴を上げた。


ヒルダは両親から乳母、メイド、執事に使用人たちから愛情たっぷりに育てられ、順調に成長していった。


「……おとうちゃま。」


「ん?なんだい?」


「ことしの小麦のしゅうかくりょうは、れいねんより多い気がいたしましゅ。」


「そうだなぁ。今年は天候に恵まれたからなぁ。だが、来年も天候に恵まれるとは限らない。

今年の収穫量に合わせて、税金を決めると、来年に万が一に不作になった場合、領民たちの生活に影響が出る。」


「………では、どうしゅるのでしゅ?」


「過去5年分の収穫量を計算し、平均を出して、来年度の税を決める。」


「なるほど。」


3歳にして、父より領地経営を学んでいた。

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