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社畜が目覚めたら将軍!? 史実(未来予知)で成り上がり、乱世を生き抜く  作者: 八月河
第十一回 論功行賞高順封公 白門楼呂布帰順
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第十一回 論功行賞高順封公 白門楼呂布帰順 三段

袁術の残党が一掃され、寿春の偽朝廷が崩壊したことで、天下にはひとまずの平穏が訪れた。もっとも、それは表面的なものに過ぎず、諸侯たちはそれぞれの思惑を胸に次の一手を練っている。しかし朝廷としては、まずは一連の戦いにおける論功行賞を済ませねばならなかった。


許都の未央宮では、久方ぶりに百官が勢揃いした。玉座には献帝が座し、その傍らには司空の曹操が控えている。先日の袁術討伐で功績のあった者たちが次々と名を呼ばれ、新たな官職や爵位を授けられていった。


曹操には封地の加増と武平侯の爵位が与えられた。もともと曹操は費亭侯だったが、今回の功績により武平侯に昇格したのである。これにより彼は、名実ともに朝廷の最高権力者としての地位を固めた。劉備は鎮東将軍に任じられ、正式に徐州における軍権を認められた。呂布は平陶侯に封じられ、右将軍に任じられた。かつて董卓を討った功績が改めて評価されたのである。孫策には揚州牧、荡寇将軍の位が与えられ、江東における彼の勢力が朝廷からも認められる形となった。


しかし、高順の処遇については朝廷一堂が頭を悩ませた。


高順はもともと驃騎将軍、鎮北将軍、武衛将軍、并州牧、晋陽侯、開府儀同三司、執金吾の官職を帯びている。戦国時代風に言えば、従一位、大納言、準三宮、右近衛大将、鎮守府将軍、奥州探題、京都所司代、国守護、城主を兼ねるに等しく、織田信長や豊臣秀吉、徳川家康といった後世の天下人たちの最終的な官職に限りなく近い。すでに人臣として位を極めている高順に、これ以上何を加えればよいのか。朝臣たちは連日議論を重ねたが、結論は出なかった。


「もはや高順殿に与えられる官職は、公王か大将軍、あるいは丞相しか残っておりません」


ある朝臣がそう発言すると、朝廷はざわめいた。公王とはすなわち王爵であり、大将軍や丞相は三公を超える最高位である。これを与えるとなれば、高順は名実ともに朝廷の頂点に立つことになる。曹操の一派はこの発言に眉をひそめ、孔融や楊彪といった漢室の老臣たちは「高順の功績は確かに大きいが、そこまで与えるのは過分ではないか」と囁き合った。


高順はこの議論を聞くと、自ら進み出て言った。


「私はすでに過分な官職を頂いております。これ以上の加増は望みませぬ。逆賊を討つは臣として当然の務めであり、何の功績もない当たり前のことをしたに過ぎません。どうか論功行賞からは外していただきたい」


「高順、そなたはいつもそうだ。功績を認めようとすると逃げる」


献帝が珍しく強い口調で言った。少年皇帝はこの日、自分が天子であることの重みを強く意識していた。高順は自分にとっての兄のような存在だが、それと朝廷の法は別である。彼は高順にきちんと報いることで、天子としての責務を果たそうとしていた。何より献帝には、どうしても高順に報いたい個人的な思いがあった。


「陛下、しかし……」


「高順。朕は幼い頃、長安で李傕と郭汜に囚われ、毎日を震えて過ごしていた。あの時、朕を人間として扱ってくれたのは、そなただけだった。そなたは朕をただの子供として遇し、夜の街を歩かせてくれた。朕はあの日のことを生涯忘れない。だからこそ、朕は天子として、そなたにきちんと報いたいのだ」


献帝の言葉は、宮殿の高い天井に吸い込まれていった。朝臣たちは沈黙し、曹操もまた、この少年皇帝の思いがけない発言に目を細めた。献帝はこれまで、朝廷の場でこれほどはっきりと自分の意思を表明したことはなかった。それが今、高順に報いるためだけに、天子としての威厳を見せている。この変わりように、老臣たちは驚きを隠せなかった。


「まずは護匈奴校尉、護鮮卑校尉、護烏桓校尉の三校尉を一つに纏め、北域大都護の官を新設する。高順、そなたにこれを持節、仮鉞と共に与える」


高順はさらに辞退しようとしたが、献帝はそれを遮った。


「まだある。八万の異民族を退け、十五万匹の軍馬を手に入れ、北方の秩序を立て直した。この功績は漢室にとってこの上ないものだ。九錫を与える」


九錫とは、車馬、衣服、楽器、朱戸、納陛、虎賁、弓矢、斧鉞、秬鬯の九つを指し、臣下に与えられる最高の栄誉である。これを与えられた者は、事実上の摂政として朝廷を動かすことができる。かつて王莽が漢室を簒奪する前に受けたのも、この九錫だった。朝臣たちは息を呑んだ。曹操の一派は警戒の色を強め、孔融は驚きのあまり口を開けたままになった。


高順は慌てて平伏した。


「陛下、九錫は臣には過分に過ぎます。どうかご再考を。九錫はかつて王莽が受けたもの。これを私が受ければ、天下の人は私を簒奪者と見なすでしょう。それは臣の本意ではありませぬ」


「ならば入朝不趨、参拝不名、剣履上殿も付け加える。これで決まりだ」


入朝不趨とは朝廷に入る際に小走りに走る必要がないこと、参拝不名とは皇帝に拝謁する際に自分の名を名乗らなくてもよいこと、剣履上殿とは剣を帯びたまま履物を履いたまま殿上に上がれることを意味する。いずれも臣下に与えられる最高の礼遇であり、漢初の功臣である蕭何ですら、ここまでの礼遇は受けていなかった。


高順がなおも辞退しようとすると、献帝はさらに言葉を続けた。


「それでも足りぬというなら、晋王に封じよう」


これには朝廷全体が大きくざわめいた。曹操を筆頭とする群臣たちが、一斉に異議を唱えた。


「陛下、それはなりませぬ」


曹操の声は広間に響き渡り、普段の飄々とした態度から一変して、真剣な響きを帯びていた。


「高祖劉邦は『劉氏以外で王になる者がいたら、天下皆でこの者を討て』と白馬を生贄にして盟約を結ばれました。これを白馬の盟と申します。異姓の王を立てることは、高祖以来四百年の掟に反します。かつて呂后が呂氏を王に立てようとした時も、功臣たちは命を懸けてこれを阻止しました。どうかご再考を」


曹操は高順を評価しているが、それとこれとは別である。もし高順が王になれば、朝廷の権力は完全に高順に移り、曹操の立場は著しく弱くなる。それ以上に、漢室の根幹を揺るがす前例を作ることになる。曹操は自分自身もまた、いつかこの掟に挑戦するかもしれないという密かな野心を持っていたが、今はまだその時ではないと冷静に判断した。


高順もまた、深く平伏して言った。


「陛下、曹操殿の仰る通りです。異姓の王を立てることは、漢室四百年の掟に反します。私は晋王などもってのほか。どうかこれまでの恩賞だけでも過分に過ぎると思っております。もし臣が王となれば、天下の人は『高順は漢室を簒奪しようとしている』と疑うでしょう。それは臣の本意ではありませぬ」


献帝はしばらく沈黙した。彼は高順に王となってほしかった。いや、そうすることで高順に朝廷を守ってもらいたかったのである。曹操の勢力が日増しに強まる中で、献帝は高順だけが頼りだった。高順が王となれば、曹操に対抗できる力を持つことができる。しかし曹操の指摘は正論であり、高順自身も王位を固辞している。これ以上押し切ることはできなかった。献帝は深く息を吐き、ようやく折れた。


「わかった。晋王の話は取り下げる。しかし九錫と入朝不趨、参拝不名、剣履上殿は受けよ。これ以上辞退すれば、朕は天子としての面目が立たぬ。そなたは朕の兄のような存在だ。その兄が、弟からの礼を受け取らないというのか」


献帝の声には、天子としての威厳と同時に、一人の少年としての寂しさが滲んでいた。彼は高順に報いることを通じて、自分の存在意義を示そうとしていたのである。高順はその声の奥にあるものを感じ取り、深く頭を下げた。


「……御意。陛下のご厚情、臣、肝に銘じます」


こうして高順の官職は驃騎将軍、鎮北将軍、武衛将軍、執金吾、北域大都護、并幽二州都督軍事の兼任となり、支配地域も幽州、并州、河内郡に加えて河東郡が加わった。爵位は侯から公に昇り、晋陽公と称することになった。開府儀同三司に加えて、持節、仮鉞、九錫、入朝不趨、参拝不名、剣履上殿が付け加えられた。持節は皇帝の使者としての権限を、仮鉞は皇帝に代わって軍を指揮する権限を意味する。これにより高順は、名実ともに朝廷における最高位の臣下となったのである。


論功行賞が終わると、高順は曹操を廊下の隅に呼び止めた。二人は人気のない庭園の隅に移動し、周囲に誰もいないことを確認してから、静かに話し始めた。


「孟徳、お前さん人が悪いぞ。さっきは笑いを堪えておったな。私が陛下に追い詰められて冷や汗をかいておるのに、一人で楽しんでおっただろう」


曹操は口元を緩ませた。高順の言う通り、彼は先ほどの論功行賞の間中、笑いを堪えるのに必死だったのである。


「これはこれは、陛下を困らせる高将軍には敵いませんぞ。九錫を辞退する臣下など、古今東西、聞いたことがない。九錫を辞退するどころか、入朝不趨まで辞退しようとするから、陛下も意地になっておられたではないか」


「喧しい。私は本気で断っていたのだ。しかし陛下は私が思っていたよりずっと強かになられていた。いや、強かというよりは……」


「寂しかったのだろう」


曹操が静かに言った。その声には、普段の彼からは想像もつかないような優しさが滲んでいた。


「陛下は幼い頃から董卓に虐げられ、李傕と郭汜に囚われ、大人たちの都合で洛陽から長安に連れて行かれ、そして今は私が許昌に迎えた。陛下はこれまでずっと、誰かの手中で生きてこられた。その中で、ただ一人、陛下を『人』として扱ったのがお前だったのだろう。だから陛下はお前に報いたかった。自分の意思で、自分の大切な者に」


「孟徳、お前は陛下を『道具』として扱うと言ったな。しかし今のお前の言葉には、道具に対するものとは思えぬ響きがあったぞ」


曹操は少しだけ目を伏せた。彼は献帝を奉戴することで天下に号令している。それは間違いなく政治的な計算だ。しかし、献帝という一人の少年に対して、曹操もまた何かを感じ始めていたのかもしれない。


「話が逸れたな。孟徳、一つだけ頼みがある」


高順が真面目な顔をしたので、曹操もその意図を察して居住まいを正した。


「ならば、場所を移そうか」


二人は庭園の東屋に移動し、改めて向かい合った。周囲には誰もおらず、二人の会話を聞く者はない。


「頼みとは何だ」


「呂布の助命だ」


曹操の目が細められた。彼は高順が呂布の旧臣であることを知っている。高順が旧主への情からこの頼みをしているのだろうと察した。


「呂布はお前の旧主だ。その旧主に情けをかけるのか」


「情けではない。計算だ。孟徳、お前の次の敵は誰だ。呂布、劉備、袁紹。どれも容易な相手ではない。呂布を滅ぼせば、確かに徐州は手に入る。しかしその後には袁紹が控えている。呂布を生かしておけば、袁紹に対する防壁として利用できる」


「防壁、か。呂布は誰にも飼いならせぬ虎だぞ。あの男は結局、誰をも裏切る」


「それは承知している。だからこそ、ただ生かすだけではない。河内郡太守として、我が并州の監視下に置く。河内は我が支配地域に隣接している。いつでも睨みを利かせられる」


曹操は腕を組んで考え込んだ。高順の提案は筋が通っている。呂布の騎兵指揮官としての能力は本物であり、袁紹との戦いが避けられない以上、一人でも多くの将が欲しいのも事実だ。


「いいだろう。呂布の助命は約束する。ただし、俺の条件は、お前が直接、呂布の身柄を引き取ることだ」


「承知した。ところで孟徳、お前に会わせたい者がいる」


高順が手を叩くと、庭園の奥から数人の影が現れた。最初に姿を見せたのは、高順の妻である董媛に手を引かれた一人の女性だった。年の頃は四十前後、品の良い衣装を身に着けているが、その顔には長い悲しみの年月が刻まれている。丁夫人である。彼女は曹操の顔を見ると、その場に立ち尽くした。その目には驚きと困惑、そしてかすかな怒りが浮かんでいた。

に会わせてくれると言って、并州から連れてきてくださったのです」


丁夫人の声は震えていた。彼女は高順を振り返り、深く頭を下げた。


「高将軍には、何とお礼を申し上げればよいか。私のために、子脩のために、ここまでしてくださるとは」


「礼には及びません。私は約束を守っただけです」


高順が静かに言うと、庭園のさらに奥から、三人の男が歩み出てきた。先頭を歩くのは長身の若者、曹昂である。彼は父の顔を見ると、深く一礼した。


「父上、お久しゅうございます」


「子脩……! お前、生きておったのか……!」


曹操は目を見開いた。南陽の戦いで死んだと思っていた長子が、今、確かに自分の目の前に立っている。曹操はゆっくりと曹昂に近づき、その肩に手を置いた。


「男になったな…!」


「父上、私は宛城で死にはしませんでした。高将軍が救ってくださったのです。私はあの日、父上に馬を差し出し、自ら殿を務めました。しかし敵に囲まれ、もはやこれまでと思ったその時、高将軍の軍が現れたのです」


曹昂の声は落ち着いていたが、その目にはうっすらと涙が浮かんでいた。


「その後、私は并州で療養し、雲中の戦いでは高将軍の傍らで戦場を学びました。私はまだ何も成し遂げてはいません。しかし、これからは父上のために、この命を使いたいと思います」


曹操は何も言わずに曹昂を抱きしめた。彼の肩がかすかに震えている。曹昂もまた、父の背に手を回し、声を詰まらせた。長い沈黙の後、曹操はようやく口を開いた。


「すまなかった、子脩。お前を戦場に連れて行きながら、守ってやれなかった。父として、情けない限りだ」


「父上、恨んだことなど一度もありません。戦場で馬を差し出したのは、私が自ら望んだことです。どうか、ご自分を責めないでください」


曹昂は涙をぬぐいながら言った。曹操は息子の肩を抱いたまま、深く息を吐いた。その顔には、普段の奸雄の仮面はなく、ただ一人の父親としての安堵と感謝が浮かんでいた。


続いて、巨漢の典韋が進み出た。彼は曹操の前に跪き、深く頭を下げた。


「公……! この典韋、生きて再びお目にかかることができました。宛城では及ばずながら、殿を務めさせていただきました。しかし、大公子や安民公子と共に敵中に孤立し、もはやこれまでと思ったところを高順将軍に救われました。この恩は一生をかけても返しきれませぬ」


典韋の巨体が震えていた。彼は曹操の護衛として最も信頼されていた男であり、その忠義は誰もが認めるところだった。曹操は典韋の肩に手を置き、静かに言った。


「典韋、よく戻ってきてくれた。お前を失ったと思っていた。お前なしで、これからどう戦えばよいかと、何度も考えた。お前の戟は、この曹操にとって替えのきかぬものだ」


「主公……ありがたきお言葉」


典韋の目から涙がこぼれ落ちた。曹操は彼を立たせると、その背を軽く叩いた。


曹定もまた、進み出て曹操の前に平伏した。彼は三人の中で最も若く、まだ十代半ばの少年だったが、その目には戦場を経験した者だけが持つ落ち着きがあった。


「伯父上、安民にございます。父の曹疾は、今頃許都で私の死を嘆いていることと思います。どうか父に、私が無事であることをお伝えください」


「ああ、あれが聞いたらどれほど喜ぶか。あの弟は、お前を失ってから毎日のように酒に溺れておる。今日、この知らせを聞けば、きっと立ち直るだろう」


曹操は曹定の頭に手を置き、優しく笑った。その笑顔は、普段の彼からは想像もつかないほど穏やかだった。


丁夫人が曹昂の手を握りしめながら、曹操の前に進み出た。


「旦那様、私はあなたを許せずにおりました。子脩を戦場に連れて行き、死なせてしまったと、あなたを恨んでおりました。しかし子脩は生きていました。高順殿が救ってくださったのです。私は、あなたにひどい言葉をぶつけました。どうかお許しください」


「許すも何も、私こそすまなかった。お前の大切な息子を、守れなかった。しかし子脩は生きている。これからは、家族が揃って暮らせる。それだけで、私は十分だ」


曹操は丁夫人の手を取り、静かに言った。丁夫人は涙を流しながら、何度も頷いた。


庭園の片隅で、董媛がその光景を静かに見守っていた。彼女は曹操の家族が再会する場に立ち会うのが、少し気まずかったのである。何しろ彼女は董卓の娘であり、曹操にとっては仇敵の血を引く者だったからだ。しかし曹操は董媛に気づくと、軽く会釈した。


「夫人、そなたも将軍の妻として、よく尽くしておられるようだな。董卓の娘だからといって、遠慮することはない。高順が選んだ妻ならば、私も信頼する」


董媛は驚いたように目を見開き、それから深く一礼した。彼女は何も言わなかったが、その目には安堵の色が浮かんでいた。


高順はこの場の空気を壊さぬよう、静かに一歩後ろに下がっていた。彼の胸中には、曹操とその家族が再会する光景を見守る中で、複雑な思いが去来していた。自分は曹操にとって恩人であると同時に、いつか敵になるかもしれない存在だ。しかし今この瞬間だけは、そんな計算はすべて脇に置いてもよいだろう。


曹操はしばらく家族と言葉を交わしていたが、やがて高順に向き直った。


「孝父、お前には借りが多すぎる。父を救い、弟たちを救い、そして息子を救った。今回の呂布の助命も、断るわけにはいかんな」


「孟徳、借りなどではない。私は自分の意志で動いただけだ」


「それでも、だ」


曹操は高順の手を固く握った。二人の間には、奇妙な友情とも呼べるものが確かに存在していた。それは打算や利害を超えた、乱世に生きる者同士の独特の絆だった。


こうして高順は、呂布の助命を曹操から取り付けた。後に高順は自ら徐州に赴き、呂布の身柄を引き取ることになる。そして呂布は河内郡太守に任じられ、并州の監視下で新たな人生を歩むことになるのだが、それはまだ少し先の話である。


今はただ、曹操の庭園で、長い間引き裂かれていた家族が再び一つになった。その光景を、高順は静かに見守っていた。

「旦那様……?」


「丁氏……なぜここに」


曹操は言葉を失った。丁夫人は南陽の戦い以来、実家に戻ったまま丞相府には戻っていなかった。その彼女が、今ここに立っている。


「将軍が、子脩

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