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第四話 少年と師匠

父から難題を受けた少年は知り合いから紹介してもらった職人の元へと向かい協力を持ちかける。

最初は断られたものの、少年の起点により職人は協力することを誓う。

しかしながら、魔鉱石という鉱石を使うこと、そして、繊細な切削が必要なことをもとに、魔道旋盤を得るため、そしてある人手紙を書くために家に帰った少年は無事父から魔道旋盤を取り寄せる約束を取り付け、あとは手紙を書くのみになった。


**固着**:鉄どしの原子がくっついてしまい動かなくなってしまったり、部品が取れなくなってしまうこと。

**CNC千番**:数値を入力することで、その数値通りの切削を機械的に誤差範囲を手作業よりも限りなく出さないようにできる機械。

魔道旋盤を父にお願いし、発注してもらった少年は手紙を書くべく、実質へ戻った。

「やっと交渉し終えた。父様がまさかあんなにあっさり了承してくれるとは。あとは、膨張率の計算をする上で師匠に手紙を送るだけだな。


(フィジー先生へ


息災ですか。私は元気に過ごしております。実は、先生と別れる前にお話しした『新たな移動手段』の開発に着手し始めたのですが、少し困ったことが起きてしまいました。組み立ての段階で部品を極限まで冷やして収縮させ、ほぼ隙間なく入れ込みたいのですが、温度が常温に戻って膨張した際、微妙な隙間が出て圧縮が漏れてしまったり、逆に膨張しすぎて完全に固着して動かなくなったりしてしまうのです。つきましては、先生の熱力学の知識を少しお借りしたく思います。


アルフィー・シュミット)


「これでよしと先生覚えていてくれるかな…」


そう考えている少年は手紙をメイドに手渡したのち過去のことを思い出していた。


六年前


「アルフィー勉学に励むと言っていたので新たに家庭教師を用意したぞ。」


その父のお言葉と共に、緑が身の美青年のような男が部屋に入ってきた。


「初めましてアルフィーさま私はフィジーと申します。熱力学を専攻しており、研究もしています」


自己紹介をしている青年を見て少年は目をキラキラさせながら話しかけた。


「先生は物理学についての知識は王国の中でも一位二位を争うような方だと聞いています。新しい発見も多いとかこんな方を師匠に持てるなんて私はとても幸運ですねこれからよろしくお願いします」


少年はあまりにもテンションが上がってしまい、フィジーへオタクのような早口で話しかけてしまった。


それを聞いていたフィジーは少し引きながらも、「よろしくお願いします」と丁寧に返してくれた。


その後フィジーとアルフィーはレース業界における必須な知識である流体力学や空気力学についての研究をも同時並行しながら、必要である知識を少年はフィジーからどんどんと吸収していった。


そんな少年を見てフィジーは一人の研究者として少年を尊敬しており、同時に同僚として認められる人間だと考えるようになっていった。


二年後


「フィジー先生今年で最後になるのがとても悲しいです。そこで、現在私が考えている計画の話をしたいのです」


そう話しながら少年は前世のことは話さず、現在考えている自動車の研究開発に関することを打ち明け、共に研究しないかと持ちかけた。


「フィジー先生がいればより効率的かつより強力な車が作れると思うのです。なのでぜひ一緒に開発したいのですがどうでしょうか。」


その提案を聞きフィジーは将来を考えワクワクしながら了承をしようとした。


しかしながら彼の本業は熱力学の研究者であり、一度離れたら戻ることが難しいことも知っていた。


「申し訳ありません。協力したい気持ちは山々なのですが、私自身はまだ熱力学に関する研究や論文発表を行なっていきたいと考えています。今後は手紙でのやり取りのみになりますが、あなたは私にとって初めての生徒であり、一番信頼できる研究者です。あなたなら、私の力無しでも自動車というものを作り上げることすら可能でしょう。」


その言葉を聞き少年は複雑な気持ちに襲われていた。師匠として尊敬していたフィジーからの激励の言葉に対する嬉しい気持ち。


しかしながら、一緒に研究開発をできないという悲しい気持ち。その両方がせめぎ合い少年は少し動揺したような顔をしていた。


その気持ちを察するようにフィジーは心配しそうな顔をしながらもにこりと笑った。


「先ほども言いましたが、あなたは将来的に確実に完成させられます。これは私が保証しましょう。さらには私も手紙上であれば手伝うことも可能です。なのでそんなに悲しまないでください。私まで泣きそうになってしまいます。」


フィジーはニコニコ笑いながらも目には少し涙が溜まっていた。


その顔見て、言葉を聞いた少年は目には少量の涙を浮かべていたが、少年は納得したかのように一年を過ごし切った。


一年後


「先生今までお世話になりました。」


少年は深々と先生にお辞儀をしたのち、固い握手を交わした


「あなたの夢私は必ず叶うと思っています。あなたはこの一年でさらに成長しました。これからがとても楽しみな研究者です。」


その言葉を聞いた少年はフィジーを見ながらニコニコ笑い、門から出ていく馬車に向かい見えなくなるまで手を振り続けたのであった。


現代


(先生とのあの三年は短かったが俺にとってはかけがえのない時間だった。また、師匠と研究開発がしたいな)


そう考えながら少年は眠りについた。


三日ごに、メイドが急いだように少年の部屋に入ってきました。


「アルフィー様魔道旋盤とフィジー様からの返信の手紙が到着しました」

中世の時代くらいの技術力とはいえ、前世のような物流の速さをすでに魔法では実現していた。


「ようやく到着したか。」


そう喜びながら少年はまず、魔道旋盤の元へと向かった。


「これが魔道旋盤か。思っていた十倍はでかいな」


その言葉の通り、前世で見たよりも大きいのが魔道旋盤であった。


CNC旋盤のように魔法石に切削したい単位や形を記録することでその通りに切削できるのが魔道旋盤でありその大きせは旋盤に比べるとかなり違う大きさのものであった。


「これさえあればさまざまな形のものを作ることができるな」


そう言った少年の目には野心が隠れていた。


そして自室に戻った少年はフィジーからの返信の手紙を大急ぎで開けた。


(アルフィー様、お久しぶりです。開発が難航している件、承知いたしました。

あなたが必要としている計算のために、私が普段使っている熱力学の公式と、

主要な金属ごとの線膨張係数のデータをあらかじめ書き留めてお送りします。

式を組み立てる上で必要な基盤は、すべて私の授業で教えてあります。

あなたなら、すぐに正解の数値を導き出せるでしょう)


その手紙を読んだ後アルフィーは晩御飯のことも忘れたように狂ったように計算をし、ガレクの下に持っていけるような状態の設計図を引き直した。


計算後少年は確信をした。


(これさえあれば、一気筒の小型の車であれば開発は可能だ。この勢いで必ず一年以内には開発を完了させるぞ)


その言葉と同時に少年の目には野心とも熱意とも取れる炎が燃え盛っていた

今回も読んでいただきありがとうございました。一話に書けなかったフィジーとの話をかけて私は大満足です。今回の話は過去編となりましたが、次回からまた、ガレクとの話に戻ります。

次回は2026年5月22日の12時に投稿予定ですのでぜひご覧ください

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