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子連れ竜生録  作者: こるり
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*ミルエラ視点*   心の動き

 ああ、本当にびっくりした。

 襲われたことよりもいろいろとびっくりすることが多くて何からびっくりしていいのかわかんなくなっちゃいそう。


 さっきまで、ラス様に会いたい思いできて、さて、これからお仕事をいろいろ案内して差し上げてから、ゆっくりと、お話を交わしていこうとしていたところだったのに・・・・



 あっという間に沈めてしまわれた。



 どこから取り出したのかわからないけど、一枚の布を自在に操って、相手を翻弄しているさまはかっこよかったですわ。

 もしかしたら、あれが異能とよばれるお力なのかもしれませんわね。

 

 ともあれ、それとヒィロ君のこと。

 襲撃されてオルディとヤハンが倒れているそばで呆然としている私に


 「ぼうっとしているな。ミルエラさん。とにかく、今はここを乗り切ることが先決だ。しっかりしろ」


 と激を飛ばして気持ちをしっかりさせたあと


 「ヒィロのこと、頼めるか?赤ちゃんの世話は、できるな」


 真剣な表情でこちらを見るルネ様。

 陶然としてしまいそうな容貌をこちらに向けてこられてつい顔を赤くしましたがただ、それだけでした。

 

 前までならともかく、今はラス様というかたがいますし、私もしっかりするのですわ。


 「はい、任せてください」


 何よりもラス様の息子様。

 もしかしたら、遠からず・・・・なんて思いもしてお預かりしましたわ。

 ヒィロ君をお預かりして、ルネ様はすぐに家の周りから矢でラス様を攻撃しようとする矢を居る相手に牽制し始めてあちらへいったりこちらへいったりと忙しなく動き始めました。

 こっちはこっちで、はじめ抱っこしていた時はうにゅうにゅ動いて落ち着きがない様子で、赤ちゃんを抱く機会はなくはなかった私ですが、やはり慣れていないからかちょっと戸惑ってしまいましたわ。

 でも、抱っこしている間、とてもいい子にしていてとてもかわいらしいですわ。

 とはいえ、本当にこの子は人懐っこいこですわね。

 いくつくらいなのかわからないけど、月齢としてはこのくらいの子だと、人見知りも始まって、以前に友人の子が産まれてちょっとしてから会いに行った際に抱っこしてものの見事に大泣きされた記憶がありますわ。

 そういうケースは行くたびにあってしょげる感じでしたわ。

 子どもは嫌いではないですけども、でも、あの泣きをされてしまうと心がめげてしまいそう。

 でも、この子は泣かずに私をみてくれている。

 初めてかもしれませんわ。



 もう、これは運命なのかもしれませんわ。



 ラス様を見て胸はときめき、そして、息子様からは泣かれずに済んでいる。

 

 「ふふ、お母様ですよぉ」

 つい、状況が状況であるのに、思わず口をついてしまう。

 「うゆ?」とぐりんと右へ反り返る感じがあり慌てて抱きなおす。

 赤ちゃんって本当に暖い。

 その間、ラス様の戦いをちらちらと見ていました。

 一人目は見えませんでしたけど二人目のときはちょうど見えるところあたりだったので見えて、びっくりするような、そして胸ときめくような騎士物語から抜け出したような戦いをお見せになってくださったラス様。

 ヒィロ君とがんばって、パパって内心思いましたわ。

 そうして二人目が片付いたところで、一本の矢をルネ様が射る。とある木へとささり、ラス様もそちらへ急行して、三人目を捕縛してしまいました。

 何やら、あたり一面濃い霧にも覆われたように見えましたが、周りでも霧が立ち込めていますし、このあたりいったいは地形からとても霧が立ち込めやすいところですし、そろそろ朝なので余計に濃くなる気配。

 それが、一本の木に向かっていくのが見えましたけど、でも、そういう偶然に助けられもして、たぶん相手も視界がぼやけたかして慌てたのか木から落ちて、そのままつかまりましたわ。


 ラス様は運にも愛されているのかしら?


 そうして、全部片付いたのでしょう、ほっとしたような様子を見せていましたわ。

 それを見て私も安堵して、その場でへたりこみましたわ。

 すると、ヒィロ君が急に泣き出しちゃいました。

 

 いきなり座り込んだのが悪かったのいかしら?!

 

 もう大慌てになってあやしにかかったけど、そこからほんとうにびっくりすることが起こったの。

 


 ヒィロ君がどんどんどんどんぼやけてしまっていくの。

 そうして、つい、慌てて下に落としてしまったの。

 幸い太ももにあたってからズルズルといった具合に下に降りていったので怪我とかはないだろうけどでも、その場でぎゅっとしているような不定形の形に変化して泣き続けてしまっている。



 これ、いったいなんなの?



 そういう疑問を強く持っているうちにこちらの泣き声に慌てたのかラス様がヒィロ君のもとへ駆けつけて慣れたように抱き上げた。

 そうするや、すぐに泣き止んで元の形へと戻っていった。



 こんなの、私、見たことも聞いたこともないですけども、一体なんなのかしら?

 


 余計に頭を混乱させていた私を見かねてかルネ様が丁寧にヒィロ君のこと、そしてラス様の改めての経緯を教えてくださいました。



 そういうわけでしたの・・・・・




 でも、それでもラス様がヒィロ君のことを大事にしているのはとてもよくわかりますし、もしかしたらこのかたは子供が欲しかった方なのかもしれません。

 私もできることならほしいところですけども、もう三十を越えて初産は難しいでしょうし、今後、子どもを望めないかもしれない。

 養子とかも考えてはいたけども、なかなかふんぎりがつかないなかでしたし、ほんとうにこれもひとつの縁なのかもしれませんわね。

 それにヒィロ君がいなくなればラス様も当然悲しまれることでしょうし、実験なんかそれこそこんあ可愛らしい子に対してできるものではありませんわ。



 気持ちも新たにして、ルネ様から今回の襲撃について、私も気になるものですし、下へとおりて三人を確認しに行きました。

 でも、目を離している隙にいなくなっているかもしれないのにその心配はどうもされてはいないようす。

 どうしてでしょう?

 信頼の証なのかしら?


 こんな短い期間で信頼される仲になるなんて、ちょっと妬けてしまいますわ。

 そう思いながら下へといって転がされている三人の男を見ました。

 改めて屈強な男たち。

 これをルネ様の援護がありながらも片付けてしまわれたのはすごいですわ。

 そう思うと、畑仕事や接客業などよりも初日から護衛任務を中心にしていただくほうがいいのではないのかしら?さっき家の中ではあのようにいったけど、このあたりの護衛に関しては争いの中を突っ切る可能性もあるし、それこそ死すらありえる状況下に放りだされることになる。

 だからあまり勧めようとは思っていなかったけどもこれだけの力があるのなら私も推薦文出しておけるし、きっと生き延びていただける。

 それに護衛ともなれば、今回みたいに私のそばでの護衛もあることだから余計にいいしね。


 そうしてるうちにルネ様が三人の様子を確認して起き上がる様子がないことを見た上で黒い布を、目だけを出して顔を隠している布を外していった。

 一人目二人目三人目と手際よく剥いでいく。


 そして、その三人を見て・・・・・



 体が思わず硬直してしまった。



 なぜなら、一昨日、村から襲って追いかけてきた三人の男だったから。



 狙いは私?

 でも、目的がわからない。

 村長の娘だけども、でも、そんなに大きな特権はないし、身代金とか考えてもそれだけなら私を襲う理由にもならないし・・・・


 あーん、わかんない!



「むぅ・・・」

 ルネ様もどうも男たちのことを思い出した様子で難しい顔をなされました。

 何か心当たりがあるのかしら?

「ミルエラさん、すまないがすぐにでも護衛で連れてきた二人をどうにかして起こしてきてくれないか。それと家のベランダに縄があったからそれを三本持ってきてくれ」

「わかりましたわ」


 踵を返してルネ様をその場に残しました。

 白い帯で縛られているのにさらに縄で縛るってことかしら?

 よくわからないけど、とりあえず言われたとおり、二人は起こさないといけないし、まずはそれからかしらね。


 上へ行き、オルディとヤハンを起こしに行ったけど玄関前には二人はいなかった。

 あれ?もう起きたのかしら?


 そう思っているとラス様が玄関から出てきて出迎えてくれました。

 ヒィロ君を抱えて。

 なんだかついさっき見た光景でしたわ。

 でもほんの少しだけ違うところがありました。

 

 それはほんの少しかもしれないけどラス様と私との距離が縮まっているような雰囲気でしたから。

 他人行儀ではない、そんな様子で。


「あ、ミルエラさん、さっきの二人は寒い中でいるのもあれなので、中に入れて休ませていますよ」


 そう暖かく行ってくれました。

「はい、ありがとうございます、ラス様。では、二人を早速起こさないと」

 

 うん、二人で共同で、ね☆

 

(前回のあとがきより、またちょっと改めての気持ちで・・・)


改めて、皆様、あけましておめでとうございます。

新年早々、このような拙作にお付き合い頂きありがとうございます。

今後も精進に精進を重ねてがんばっていく所存ですので、どうぞ暖かく見守りいただきますよう、どうぞよろしくお願いします。(>人<;)

なお、感想・評価・批判など、受け付けますのでどうぞなのです。


そこから生まれるものもあったりしますので☆

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