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子連れ竜生録  作者: こるり
28/48

~二十五里霧中~   帰宅へ


 

 子ども達がいるところは、全体で体育館のような広さのある集会場で自分がいたとことは対角線上にある一区画なのでちょっと歩く必要がある。

 

 ちらっとみたとき、それなりに囲われていた柵は頑丈そうに見え、もしや倒したのはうちの子では?ヒィロちゃんでは?と思った。

 竜の子として自分と同じく転生してきたわけだし、手を離れたら何をするかわからないものと頭の片隅で思っていたこともあった。

 それ以前に、前世ではほんとうにあっちこっちにと高速ハイハイしたものだった。

 まだつかまり立ちはできないのでふらふらたって頭をごちんとすることはないが、それでもどこへ突撃するのかわかったものではない。

 元気があるのはいいけども、それでも怪我だけは親心としてしないでほしい。

 こっちにきて抱っこばかりしてあまり体を動かしてはいない反動とかないかなとも思った。

 それゆえに心配で見に来たのだが・・・・



 柵が倒れたのは、ちょっと緩んでいた縄がほどけたようだ。



 それはそれでちょっと管理責任がとも思ったが、幸いけが人はいないみたいだしよかった。

 ただ、それ以上に飛び出してきた乳児幼児がばらばらと出てきていてちょっとばたばたしている感じだけど、それはそれで微笑ましくすら思えた。

 で、肝心のヒィロちゃんだけど、なにやら片方には木で作られた鳥のような緩やかな形の模型をもち、もう片方にはチェーンを握ってそれを押したり引いたりして黙々と座って遊んでいた。

 ぷちゃっとしたお尻をこっちにむけて一心不乱。

 倒れた柵にはお構いなしである。

 肝が太いというかなんというか・・・・・


「ヒィロちゃん」


 するするっとこどもやおもちゃを避けてそばによった。

 一声かけたがあまり反応はなくまだ遊んでる。

「ヒィロォちゃん」

 自分もそばに座り込んでよびかける。

「う?」

 きょとんとした顔でこっちを見た。

 黒目がちのおっきな目でこっちを覗き込むとにこっと笑ってくれた。

 ん、かわいい感じで無事だし、歓迎会に戻ろうかと思ったが、さっきおもいっきり啖呵をきったのもあるし、ちょっと行きづらいかも。

 逡巡してるとルネがこっちにきてくれた。

「だいじょうぶでしたか?」

「ああ、どこもけが人はいないみたいだし」

 自分のセリフでお互いにほっとする。

 見れば、ちょっとルネの登場で色めき立っていた保母さんたちだったがそれも一瞬のことですぐに子どもたちをまとめにかかっていた。

 幼児用安全対策とか柵外ではされてはいないしテーブルの角とか椅子に登られたりとかして事故が起こるとも限らないしね。

 この辺もどこの世界も変わらない。

「ならよかった。歓迎会も座が妙な雰囲気もあったし、短いが簡単にまとめさせてもらったよ。あと、仕事に関してだが」


 ちょっと、言葉をとめる。何か迷っているような感じ。

 不安にもなる。が、


「全部やる気概は受け止めたし、こっちで補助という形でだが、職業体験として体裁を整えてもらうよう手はずを整えてもらったよ。だから、安心するといい」

 

 あの短い間でぱぱっとまとめあげるか・・・・ちょっとすごいな。

「とりあえず、だいぶ、収まったのもあるし、軽く一献受けたら早々に退散しよう。あまり、歓迎会ばかりに時間を取らせるのも悪いしね」

 ん、まぁ、確かにそうなんだろうけど、明らかにこういう歓迎会にはあまり乗り気ではない様子だったし、ルネとしてはわたりに船だったんだろうな。



 そういうことで、自分らも簡単に一献うけてからその場を早々に退散することになった。

 ちなみに、全部やるとうのは嘘でも誇張でもなくなり、本当に全部やることとなった。もちろんいっぺんにまとめてやるということではなく、日にちをわけて行って適性を見つつ、復興に尽力してもらうという体裁になった。

 申し訳なさそうにミルエラさんが頭を下げていた。なんかこっちが気の毒になるほどの慌てっぷりだったけど、気にはしないようにと言って、その場をあとにした。


 うん、まぁ、短期バイトをいろいろこなすという心持ちでいるべきかな。

 そもそも、何を行うのかは詳細なところは追って話してもらうことになるようだし、漠然とどういうことをしたらいいのかわかっただけでも収穫である。

 

 ただ、どこの仕事も十全にやりたいのもあるし、前世での仕事では人間関係にけっこう苦しんだ記憶が生々しい。

 今はこうしてリセットもされて心機一転するわけだが、そのためには仕事もきっちりできるようにしておきたい。

 

 とりあえず、霧の竜の力を使ってなんとかできるのではと考えたのもあったし、帰ったら自分の能力の練習しないとと思った。


 にしても、つと思う。

 そもそも仕事はどうも明日から開始されるそうだし、まずはどこからかはわからないが当日にツリーハウスへと伝えにきてくれるそうだ。

 それはいいんだけど、何をするのかわからないのもあるがそれ以前に、今ある力がしっかりと把握できていないのがちょいとまずい。

 フィラさんからきいたのは『霧状化』と『索敵』。自分で確認したのがヒィロちゃんへの栄養補給と『着替え』である。

 まぁ、着替えや栄養に関しては霧状化からの派生ではあるがそれでもこの『霧状化』には応用性が半端なくありそう。

 そのあたりを考えないといけない。

 限界とかも知らないといけない。

 できないことをできるといってしまうと後々後悔することになるんだから。


 

 とりあえず、帰ろう。

 決意が消えてしまう前に、不安が広がる前に。



 あと、純粋になんかつかれた。



 ヒィロちゃんを抱き直してルネと揃ってツリーハウスへと戻っていった。

 

 

 

 

じっくり目にやってきたけど、そろそろペースアップ。あと、コミケ準備も進行・・・・がんばろ・・・・・

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