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子連れ竜生録  作者: こるり
21/48

~十九里霧中~   外出前


 部屋を出て、フィラさん、ルネさんに事と次第を報告。


 呆れられたけどフィラさんの場合はさもありなんという具合にちょっと驚いたくらいで


 「セティも白いふんわり調だったけどぉ、いろぉんな服装があったしぃ、そーゆーことだったのねぇ」


 とのことだった。

 ちなみに洗い物が減るしちょっと楽できるわ。ということもいわれた。

 まぁ、大きな洗い桶に洗濯板では確かにねぇ。

 っていうか、そういうケットは普通にこの世界にもあるものなんだねぇ。

 人がいればあまり変わらない面もあるか。

 てっきりもっと変わったやり方してる可能性もあったけど、魔法を使えない、となれば原理というのはどこも似たようなものでしょうね。

 ちなみに、ルネさんの場合は驚きはしたが、「そうか」と納得しただけで服を戻しに行ってくれた。昨日の夜の質問攻めのときが嘘のような穏やかさだったが、霧の竜ってわかったからかいろんなことがすとんと納得したんだろう。

 そういえば、言葉に関して、というか口の動きやルイナ語だっけ、そういうのはだいじょうぶなのかなと尋ねてみると


 「うむ、確かに違和感はあるかもしれないが、それは私にとってはそうであるだけだ。竜の持つ特異な能力の一つかもしれないのだし、そうなればあとは慣れの問題だろうからな」


 ということだった。

 まぁ、考えてみれば自分だって、洋画をよく見てて字幕入りだとついつい字幕に目を追ってしまうから吹き替えをよくきいていたけども、英語を日本語にしているから確かに口の動きの違和感はあったけど、あまり気にしたことはなかったからね。

 

 自分にとってもなんかいろいろと精神的に楽になった。

 そりゃ、会話するたびに違和感感じられたらちょっとやだもの。


 そんなこんなで自分なりにも着替えて気分を入れ替えてヒィロちゃんと一緒にフィラさんの家事を見に行った。

 フィラさんはツリーハウスの端と言うべきベランダ。

 八畳くらいの大きさで広々としている。

 その大きさなら洗濯物かけて大きな洗い桶広げてもまだまだ余裕がある。小柄なフィラさんならさらに余裕かな。

 はじめは手伝いに、と思ったけども、さすがというかなんというか年季の入った要領のいい掃除っぷりや洗い物っぷり。

 横はいりする隙がないって感じである。

 それに


 「ヒィロちゃんとぉ、しっかり遊んだげるといいよぉ☆」


 にこっと微笑んでくれた。

 

 こうして微笑むと笑いジワが本当にくっきりとする。

 フリル多めのアキバ系メイド服着用のメイド老女さまだけど、つと、ヨーロッパの雑役女史、オールワークスとしての見方からするとなんとなく違和感なく見えてきた。

 先入観あったのか、それとも自分もこうして民族衣装に着替え(?)て気分が一新されたからか。

 それとも心に余裕が出てきたか。


 ともかく、すみませんと言ってヒィロちゃんを抱え直した。

 ふと、抱っこひもあったっけと思ったが、今日の着替えのことを思い出し、イメージしてみる。

 自分に対しては実験をのぞいて二度目のことなので今回はもっと早くにできた。

 もともと慣れた抱っこひもゆえにストッパーなども完備してしっかりとヒィロちゃんをカバーできるようにできた。

 抱えていた腕をおろしてから大きく広げた。

 こった筋肉がほぐれるような気持ちよさが全身を伝う。

 とはいえ、自分の体が霧状の個体かもしれないと考えると筋肉というものの存在を考えざるを得ないけど、これ以上考えすぎると何もできなくなりそうなのですぱっとこーゆーものだと納得させた。


 車だってエンジン機関やらサスペンションやら乗っている人がいちいち考えて乗っているかというと否であるのと一緒なように。


  

 ま、ルネさんに一言言ってからこのツリーハウスの周辺だけに留めて散歩感覚で、遊びましょかね。

 この辺は柔らかい草はらが多いし、確か、なんかのCMで子供がそこをハイハイしているのがあったはず。

 何のCMだったかは覚えてないけど西欧の赤ちゃんっぽかったなぁ。

 さすがに自分にとって、ヒィロちゃんを直におくのは勇気がいるけど、そこはそれ、今の自分にはこの着替えに付随した力もある。

 つまりは大きめのレジャーシート(囲い付き)を床下に作ってみること。

 足先に集中してハンカチ位の大きさの布を足元にイメージしたらエフェクト込みでこれもすっとできた。

 ならばということでもっと広げられればいけるのではないかという次第。

 それにそれ以上に自分の能力についていろいろと知りたいこともあるから実験もかねている。

 いざというときに何ができて何ができないのかは重要である。

 特に、今はこうして穏やかな時間を過ごせているが、そもそもルネさんと出会った場所も緊迫した場所であったわけだし、おそらくは現に今もこうしている間に、元村があったあたりでは争いが継続していることだろう。

 いくらなんでも一日で収束しているとはあの規模からしたら思えない。

 そういうところからも地理感のないところなだけに家の周辺だけに留めようと思った。

 というわけで、廊下ですれ違ったルネさんに散歩に行くことを言ったら「なら、私も一緒に行きましょう」と連れ添ってくれた。

 うん、なんかやっぱり嬉しい。

 会って一日経過したってとこだけど、友人としていけれれば嬉しい限り。

 もっともこの歳になって「友達になってください」っていうのも気恥ずかしいものがある。

 でも自然と気楽な友人になればいいと、本気で思った。

 そういうことで、ルネさんもいるのならばとちょっとツリーハウスのまわりのみでなく、近場ではあるが家の周りというよりも当然遠い、昨日の避難所へとまた向かうことになった。

 そもそももともとは何か働くという意思もあったことだし、短い道すがらルネさんと連れ立ってヒィロちゃんと散歩感覚でいくことにした。

 

 避難所で、いいことあるといいなぁ・・・・・

 

 

 

 

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