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子連れ竜生録  作者: こるり
16/48

~十四里霧中~   語る前に


「もぉ・・・えっとぉ、テーブルの上に片足を載せるのはよくないですよぉ」


 フィラさんが両手で顎を支えるようなポーズで下から見上げていってきた。

 むぅ、にしても仕草やら格好やらが妙に様になっている。

 でも、年齢がねぇ。いくつなのかはわからないけども、つくづくそれさえつりあっていればなぁ。

 なんていうか、シチューやお菓子作りがとっても上手なおばあちゃんが朝の魔女っ子アニメみたいなことをやっているというのが一番しっくりくる表現かもしれない。




 是非にも昔に出会えれば・・・・・ろりこんじゃないよ。


 じゃないですからね!!




 って、今の自分の状態は、まさにテーブルに足をつけているから文句をいわれるのは至極当然。なんかやけ気味になっていて無意識に立っていたみたい。


 イタイなぁ


 慌てて座り直して姿勢を正す。

「さて、ラスさんの状態が理解できましたかぁ?」

 首をこくこくと縦に降るこれでわかんなきゃだめだめだよね。

 今のこの体ってどんなやからにも狙われる可能性があるっていうことなんだからね。

 でも自衛手段かぁ。

 いったいどういうことなんだろ。

 ルネさん自身が習っていた武術とかかな?


 ○ートキャンプ的な?


 まぁ、今の体は以前に比べれば腰痛もないし、動きやすいし、そこそこスペックは上がっているだろうけどそれでも素人にほんのわずかな毛が生えた程度のものだろうから習えるなら習うに越したことはないけど。

 でも、どんなのだろ?


「なら、自衛手段ですけどもぉ・・・・」


 と、今度は指を一本、あごにつけて考えるような素振りをみせて・・・・




「自分でがんばって☆」



 満面笑でそうのたもうてくださいました。

「はい?!」

 なにそれ、前面投げられた?

 一本背負いどころで床どころか壁に叩きつけられたような気分だよ、おい。

「あ、いえ、誤解はしないでくださいね。私自身から、そうですね、武術とかそういうのは教える必要はないかなって思うんですぅ。ぶっちゃけ、ラスさんの、というよりも霧の竜の力があれば油断さえしなければどうにかなると思うんですぅ」


 あ、なるほどね。

 確かにそれはそうかも。

 っていうか、自分の知りたいことの最たるものの一つじゃないか。

 メモでもとろうかな。

 紙ないけども。

 でも、しっかりと記憶にとどめるくらいはしなくちゃね。


「じゃぁ、セティから聞いたこと、教えてあげるね☆」


 そう行って、語ってくれた。

 その間、ちなみにルネさんだけども、フィラさんの隣に座って黙々とパンを食べていた。

 けっこうな小山ほどの量があるパンだけど意に介していないように見える。

 よく食べる人なのかな?

 ただ食べながらこっちの話も無論、聞いていて、時折「むぅ」とか「そういうのも伝えて欲しかった」とか聞こえたけどもいろいろと今まで聞いてこなかったんだろうな。

 秘密の事柄だったけども、事ここに至って、ルネさん自身が自分という存在を保護してしまったから当事者の一端として話を聞かせてくれたんだろうな。

 フィラさんも目でルネさんを時折ちらちらと見ているけども、謝罪的な気持ちはなく、「今こそ語るべき時だから」って感じで話してくれていたから、ルネさんも別に恨みがましいとかそんな気持ちは一切なかった。

 言葉がなくても気持ちは通じ合えるっていうのはやはりいい信頼関係を気づいている証拠だろうなってところだなぁ。

 ちなみにヒィロちゃんはたまにフィラさんの腕の中でうゆうゆと動いて、フィラさんも縦抱きにしたり横抱きにしたりいろいろ姿勢をかえさせて心地よいようにしてくれていた。

 今のヒィロちゃんは横抱きよりも縦抱きの方が心地よいようで横抱きにすると寝ていても途端に泣き出すことがあったがフィラさんはなれた様子でいい具合に姿勢維持してくれていた。

 そういうスキル、けっこう子育てには大事だものね。

 男も女も関係はなく必要だからね。

 一時期、仕事の都合でなかなか構ってくれない時期があってその間は自分のことを『知らないおじさん』として認識していたような節があって抱っこしても大泣きされたものだった。

 まぁ、仕事もややブラックであったがどうにかやりくりしてきちんと構って上げ続けていたらだんだんとわかってきてくれたようで、抱っこどころかお風呂とかにもすっと一緒に入れるようになったものだからね。

 とはいえ、知る知らないよりも赤ちゃん自身とそれ以外とのどちらに比重をおいているかというのが赤ちゃんなりにもわかるようで、それをきちんと向き合って上げ続けた結果なのかもしれない。

 それゆえ、こうしてフィラさんが抱っこしていてもちゃんとヒィロちゃんを見てますよって全身からわかるようにしているからそうして落ち着いて寝ているのかもしれない。

 そんなルネさんとヒィロちゃんを見つつ、自身のことゆえしっかりと頭に刻み付けるよう、耳をダンボにして聞いていた。


 どこぞの議員みたいな仕草の真似は絶対にしないけど、気持ちはってことで、ね。 

 


次回は能力特性入りますので今回はちょっと短めにしました。で、明日の投稿はちょっとだけ遅れます。お昼辺りに・・・・・

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