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祝福を受けた番は愛する人に呪われる  作者: おつかれナス


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7/16

七 公爵家の夜会で ニ

「お前たちこっちだよ」


 公爵邸に到着し馬車から降りた私たちはお父様を探した。初めて訪れたブラッド公爵邸は馬車の乗降場所から会場が少し離れており、会場までの道は庭園を通るようになっていて来場者を出迎える様に花々が咲き誇っていた。

 庭園を抜ける少し前でお父様とお義母さまと合流出来た私たちに、さすがのお父様も良い顔をしなかったその訳は


「クルト君はなぜフローラでは無くリーナをエスコートしているんだ?」


 いつもは何も言わないお父様に言われ驚いた顔をするクルト様。そんなお父様に対し


「まぁ宜しいではありませんか。いずれは義兄妹になるのですから」


 とお義母さまが間に入る。

 普通に考えたら可笑しいですよ?と心の中で思ったが口には出さずに堪えた。

 私だって私のことをブスと言う人とは腕を組んで歩きたくもない。


「宜しいのですよお父様。今に始まった事ではありませんもの」


 扇で口元を隠しながら答える。

 さすがのお父様も私の嫌味に気付いたのか眉間にシワを寄せた。


「しかしクルト君は・・」

「こんばんは子爵殿、フローラ」


 お父様が何かを言いかけた時、後ろからこえを掛けて来たのは先生だった。


「オードレ先生」

「先生!」


 私とお父様の声が被る。


「これはまた・・今夜のフローラも美しいね」

「あ・・ありがとうございます・・」


 お父様以外の男性から面と向かって褒められるのは恥ずかしいく、思わず俯いてしまう。

 そんな私の態度を面白く思わない二人。


 お義母さまとクルト様だ。


 特にクルト様は私のことを 美しい と言った事が気に入らなかった様で、爵位が自身よりも下である先生に対し見下すような目で見ていた。

 そんなクルト様に気付いたのか、ワザと煽るように


「おや、初めましてレディ。お名前を伺っても?」


 と、クルト様にエスコートされているリーナに声をかけた。先生に見惚れていたリーナは急に声をかけられ頬を赤くしながら礼をする。


「初めまして、フローラお義姉さまの妹のリーナと申します。お義姉さま同様お見知りおき下さいませ」


 そう言い終わるとお得意の天使の微笑みで先生を見上げる。

 そして右手を差し出した。

 普通の男性ならばここでリーナに堕ちすぐにリーナの手をすくうのだがそこは先生、普通に微笑んで終わった。

 行き場を無くしたリーナの右手を救うようにクルト様が手を取ると何故か先生を睨んだ。


「失礼ですが何処かでお会いしましたか?」


 先生がクルト様の視線に気付き声を掛ける。あ〜、先生がこの顔をしている時は相手を挑発している顔だ。先生は私の婚約者からの仕打ちを知っているから尚更・・


「・・サマーン伯爵家のクルトです」

「ああ!サマーン伯爵のご子息でしたか!申し遅れました、私はレイモンド・オードレ。子爵位を賜っております」

「子爵・・ですか」


 クルト様は先生の爵位が自分より下と知り態度が大きくなった。先生が侯爵家出身と知らず・・


「ところでレビィ子爵。私の記憶が確かならサマーン子息はフローラの婚約者だったかと・・」

「ええそうです」

「のわりにフローラよりもリーナ嬢との距離が近いような?」


 先生はワザとクルト様を見る。

 お父様は今この事をクルト様へ注意しようと思っていたところだった為、二人を離そうと間に入った。

 私は楽しそうにしている先生を注意しようか考えていると急に先生に手を引かれた。


「せ、先生?」

「でしたら私がフローラ嬢をエスコートしましょう。私も独り身ですので」

「でしたら私はどうでしょう!お義姉さまとクルト様は婚約者同士ですもの」

「リーナ!!何を言い出すんだ!僕のエスコートで入る約束したじゃないか!」

「でも・・やっぱりおかしいですわ。婚約者同士で入場しないと・・」


 ね?と言う顔を私と先生に向けるリーナは可愛い顔をしている。


「僕にあんなブスをエスコートしろ!って言うのか!?」


 面と向かって言われたのは初めてだが私の顔、そこまで変かな?と先生の顔を横目で見ると・・


 笑っている?


 てっきり怒ると思っていたのに今の先生の顔は笑っている。


「オードレ様、今夜はリーナのエスコートをお願い出来ますでしょうか?リーナもまだ相手が決まっておりませんし・・その、フローラはクルト様と婚約しておりますし」


 今まで黙っていたお義母さまが声をかけて来た。が、先生もリーナをエスコートする気は無いようで


「せっかくの申し出ですがフローラの主治医である自分は、出来ましたらこのままフローラのエスコートを許していただきたい。そちらの彼に恨まれたくもありませんし・・」

「そうですね、フローラもいつ具合が悪くなるか分かりませんし。良いかな?フローラ」


 私は頷くと先生にお願いをした。

 リーナは面白くない!とわかる程の顔をしていたが、隣にいるクルト様はホッとした顔をしている。


 入場の順位は我がレビィ家よりもオードレ家のが格上のため、入場はお父様たちのが先だった。

 リーナは私を睨んできたが知るものか!


「なかなか楽しい家族だね」

「・・先生面白がってましたよね?あとが面倒なので止めて頂きたいですわ」


 先生はクックと笑いを堪えていた。そして私に聞こえない声でつぶやいた。


「サン、君の呪いは効いているよ」

 




 



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