↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
祝福を受けた番は愛する人に呪われる  作者: おつかれナス


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
35/57

一 公爵領へ

「フローラ様、あちらに見えるのがブラッド公爵城です。その昔、この辺り一帯が戦いの場所だった為その名残で今でもお城なのですよ」

「すごいわ!とても素敵!ここからでも素晴らしいのに近くで見たらもっと素敵なのでしょうね!!」



 木々の間から見えたお城はとても荘厳で美しい城だった。

 私は今公爵家から遣わされた馬車に乗りブラッド公爵領へと来ている。

 公爵領は王都より馬車で五日はかかるため、乗り心地の良い馬車を迎えに寄越すとサンから連絡があった。

 (更に言えばレビィ領からは二十日はかかるらしい・・)

 今回の訪問理由は婚約式を行う前に一度、公爵家一族への挨拶のため・・

 一月前にサンから手紙が届いたその内容が、


 [婚約式は公爵領で行なう事が決まりと両親より言われてしまった。婚姻式は王都で行うがフローラ、申し訳ないがこちらまで来てもらえないだろうか?もちろんこちらで全て準備をするから]


 と。

 レナは


「こんな大切な事をフローラ様にお伝えしていないなんて、サディル様はどれだけ浮かれていたのかしら?」


 と呆れていたが、そもそも私のような子爵令嬢が公爵家のしかも嫡男と結婚する事自体あり得ない話なのだ。


 では何故結婚できるのか?

 それは私が公爵家嫡男であるサディル様の番(つがい)だからだ。

 そしてその事はすでに一族全員の耳に入っている様で、私の到着を今か今かと待ちわびているのだとか。


「ねぇレナ・・本当に私で大丈夫なのかしら・・子爵家程度の事ならお父様からある程度教えられているけれど、公爵家となると規模が違いすぎて不安だわ」


 私は馬車の窓から見えるお城を眺めながら一人呟いた。そんな私をレナは


「フローラ様は一人ではございませんよ?わたくしも、ザーラもいます。奥様だってフローラ様がいらっしゃるのを心待ちにしておいでです。何よりサディル様がフローラ様を手放す事など考えてもいらっしゃいません!」

「・・そうね、皆が私を助けてくれるわね!」


 私がそう言うとレナは思いきり頷いた。

 ブラッド領に入った所で宿に一泊する事になった。無理すれば夜中に入城出来るが、私の準備を整えたいからとレナが言ってくれたおかげでの泊まりだ。

 私としても直ぐにでもサンと会いたいが疲れた顔で会うのは気が引ける。

 出来れば(こんな私でも)万全な体勢でサンに会いたい。


 サンが予約してくれた宿は貴族も泊まれる宿だけあってとても煌びやかだった。特に案内された最上階の部屋は我が屋敷の、女主人の部屋と同じくらいの広さに見るからに高そうな家具が揃えられていた。


「さ、さすが公爵領の宿だけあるわね・・」


 あまりの豪華さに扉の前で足が止まってしまった私にレナは さぁお入りください。 と促す。

 王都の公爵家の部屋は客間だったので、ここまででは無かったから入りやすかったけれど・・

 私が部屋の前でまごまごしていると


「フローラ様お疲れ様でございました。お風呂の用意も整っておりますので中へお入りください」

「ザーラ!来ていたの?」

「はい。奥様とサディル様の命にて」


 頭を下げてはいるがザーラが笑っているのはわかった。私はザーラの声に安心して部屋の中へ一歩を踏み出した。



「気持ち良かったー!ザーラありがとう。レナも今頃はお風呂に入っているかしら?」

「レナさまはお城へと向かわれました。フローラ様の事をお伝えに、それとフローラ様のお部屋を整えに」


 私はソファーでザーラが淹れてくれたお茶を飲んでいたが、レナの事を聞いた瞬間カップを置いた。

 まさか泊まらずにそのままお城へ向かったなんて・・

 そんな私を見たザーラが


「レナさまなら大丈夫ですよ。こちらに合わせて容姿を年齢よりも高くしているだけなので。本来のレナさまはもう少し若いです」

「・・え?」


 私の反応にザーラが ああ! と言う顔をした。


「ブラッド公爵家、その家門はフローラ様たちよりも成長が遅いのです。その、サディル様からは」

「な、何も聞いていないわ!!」


 何?そんな事聞いていないわ!じゃあサンもザーラも見た目は私とそんなに変わらないけれど、実は・・もっと年上って事!?


「そう驚かないでください。フローラ様が一年で一つ歳を重ねるのに対して、私どもは二年で一つなのです。なので王都で勤める者も周りに合わせて入れ替えているのですよ」

「そう・・なのね。じゃあザーラは今」

「二十四歳です」

「・・・」

「二十四歳です」


 年齢を強調するザーラに対し何も言えなくなってしまったが、あと数年もしたら私はザーラだけでなくサンの年齢も越してしまう。

 その事実にショックを受けてしまった。

 ザーラはそんな私にそれ以上の事は言わなかったが、最後に


「そう気を落とさないでください。詳しい話はサディル様よりお話がありますので」


 そう言って私を寝室へと促すと部屋から下がっていったが、私は一人になったベッドの中でザーラが言っていた言葉が頭から離れず、結局眠れたのは日付が変わって少し経った頃だった。



 

 

頑張って更新していきます!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。