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祝福を受けた番は愛する人に呪われる  作者: おつかれナス


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13/16

十三 夜会の次の日

 結局夜会から三晩ブラッド公爵邸でお世話になった私は、公爵家の侍女さんたちに変わる代わるお世話になっている。

 その理由が・・


「フローラ様、お加減はいかがですか?今朝やっと熱が下がったのですからまだ起きてはいけません」

「ザ・・ザーラさん、ずみまぜん・・」


 夜会の次の日、疲れなのか?興奮なのか?高熱を出してしまい三日も寝続け、今朝ようやく解熱したのだと説明を受けた。


「皆さんに迷惑をかけて申し訳ありません」

「何を仰るのですか!」

「そうですよー、フローラ様のおかげで公爵邸も浮き足だって・・」

「ちょっと!それ以上は!」

「 ? 」


 私がいても迷惑しかかけていない気がするけれど・・と思いながらも侍女さんたちに寝かされてしまう。家の人たちにここまで構ってもらったのはいつぶりだろう・・

 お母様が生きていた頃はお母様がいつも側にいてくれた記憶があるが、亡くなってからは乳母が代わりを務めてくれた。が、ここまでメイドたちも看病はしてくれていない。


「フローラ様、もう少しお休みください。サディル様も心配されますので」

「・・ザーラさんありがとう。公子様にも・・」


 私は最後までお礼を言えずそのまま眠ってしまった。




「ボソボソ・・」

「ボソボソボソボソ」


 誰かの話し声が聞こえて目が覚める。

 覚めると言ってもバッチリではなく、目よりも先に頭が醒めた感覚で誰と誰が話しているのかは分からなかったが


「あっ!サディル様、フローラ様が」

「えっ!?フローラ、大丈夫か?」

「・・サン?と、ばあや・・」


 ボヤけた目で見ればそこにはサンとばぁやが・・


「!!す、すみません公子様!」

「お嬢様!急に起き上がってはいけません」


 まさか公子様が部屋にいると知らずに幼い頃の彼の名を呼んでしまった。

 そこにいる訳が無いのに・・

 そして急に起き上がり眩暈を起こした私は、ばぁやに背中を支えられた。


「大丈夫か?今朝やっと熱が下がったと聞いたが」


 そう言いながら私の額に手を置いた。その手が冷たくて気持ち良い。


「まだ少しあるか・・」


 公子様はばあやに何かを伝えると、ばぁやは軽く頭を下げると部屋から出て行った。

 部屋に公子様と二人きり?

 と思ったが扉の前にはウィルさんとザーラさんが控えていた。


「医者の診断では流行り病だそうだ。その、フローラは栄養が足りないようだと言われた。だからレビィ子爵には手紙で病が治るまではこちらで療養させる。と伝えてあるから、ゆっくり休むんだ」

「そこまでして頂く訳には・・」


 私の額に手を置いたまま話し続ける公子様に申し訳なく、軽く頭を横に向ける。


「あっ、すまない。嫌・・だったか・・」

「いえ!違います!!」

「そ、そうか・・」



 そう言いながら手を退けた公子様に慌てて言葉を被すと、公子様は驚いた顔をしていた。


「サディル様、そろそろ」


 後ろからザーラさんが声をかけてきたタイミングでばぁや部屋へ入って来た。公子様はばぁやの姿を認めると椅子から立ち上がり


「また明日、様子を見に来る」


 そう言い残しウィルさんを連れて部屋から出て行った。


「さぁお嬢様、スープをお持ち致しました。少しでも良いのでお口に入れてくださいませ」


 ゆっくり起き上がると美味しそうな香りが漂う。私はスプーンで一口すくい口に運ぶ。


「とても美味しいわ」

「それはようございました。さぁ、温かいうちに」


 私は用意されたスープを平らげるとまた眠りについた。今年は流行り病の当たり年なのか領地でも病に倒れる領民が多く、公子様は王宮との連絡係で忙しく動かれていた。

 その間に私はすっかり元気になりいつでも子爵家へ戻れる準備は整っていた。が、公爵家の皆さん( 特にザーラさんどばぁや)が


「公子様が留守の間に子爵家へ帰すな!と言付かっておりますので、お戻りになられるまでご滞在願います」

「ですがお父様からも戻るようにと・・」

「サディル様が居らぬ間にフローラ様を帰したとあれば、屋敷にいる私たちの首が飛びます」

「・・そんな風に脅されたら、帰れませんね・・」


 私はばぁやに便箋とペンを用意してもらい、お父様へ手紙を書いた。

 それまでは何回も届いていたお父様からの手紙が届かなくなったと思っていたある日、突然子爵家からある人物が公爵邸へ訪れた。

 しかも先ぶれもなく突然に・・



「本来であれば当主であるサディル様の留守に、突然押しかけて来るなんて行為は断罪ものですが・・」

「ごめんなさいザーラさん。それでもきっと、私が顔を出さないと納得しないと思うの・・」


 私の支度を手伝いながらザーラさんと二人の侍女さんが呆れていた。

 本来であれば格下の者が格上の、しかもアポイントも取らずに押しかけることは御法度だ。

 だが今回は私が公爵邸にいるため、特別に屋敷の中へ案内してもらった。


「私もお世話になっている立場なのに・・」

「何を仰るのですか!フローラ様はれっきとしたサンディ様のお客様です!あの礼儀知らずの者たちとは違います!!」

「ありがとう」


 そう言って整えてもらった私は椅子から立ち上がると、身支度をしてくれた侍女たちにお礼を伝えた。


「お嬢様、応接室でお待ちで限界が近いかと・・」

「ありがとうばぁや。今向かいます」


 礼儀知らずのお客様の元へばぁやとザーラさんを従えて向かう。


「何の用事で来たのかをしっかり聞かなければね!」


 そう言って廊下へと出ると二人が待つ応接室へと向かった。

 リーナとクルト様が待つ部屋へ。


 


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