code03 進学①
伯父のすすめもあり。
一橋大学に入学した。
続けて弓道部にも。
1年に出番はないかと思っていたが。
思った以上に経験者が少なく、
試合に出たりすることもあった。
「立樹さん入って、すごい勝てるようになったね。
うれしい」
1つ上の佳央梨先輩が、笑ってくれた。
きれいで優しくて、みんなに慕われていて、
部内に格好いい彼もいる、完璧な先輩。
3年生まで、すごく良くしてもらった。
いい後輩で居たかったのに――。
※※※
「あー、今日も終わった」
ハルカが大声で伸びをする。
結局、同じ一橋大に入っている。
「練習、疲れるよー」
「そうだね」
「すずしい顔してるけどな。三朝は」
「そんなことない」
構内の並木道。
遠く先の校門に、黒塗りの車が見える。
「今日もこのあと?」
「英会話? のあと、なんだっけ。
毎日ありすぎて分かんない」
「大変だね」
「しゃーないよ。
今のうち資格そろえて箔付けないとね。
身内ってだけで、ナメられるの耐えられないから」
「就職活動のかわりだね」
「三朝だって大変でしょ。国家1種、甘くないよ」
「それなんだよね……」
「まだ反対だって?」
「良し、とは言ってくれない。もう考える時間もないけど」
「伯父さん、そんなにイヤなのかな。同じ警察庁って」
「うーん……どっちかっていうと」
「伯母さんか……」
沈みかけた空気をすくうように。
「あ」
とハルカが空を仰ぐ。
すぐ三朝を振り返った。
「ねえ、気づいた?」
「なにを?」
「佳央梨先輩。
朝比奈先輩と喧嘩してるみたいじゃなかった?」
「ちょ、声が大きい」
人通りは少なかったが。
学内での会話は気を付けないと。
「ごめん。でも気づいたでしょ?」
「あ、うん……」
「歯切れ悪いね?」
「人の事は、あんまりね……」
「ふーん?」
黒塗りの車の、ドアが開いた。
ほほ笑みかけたハルカが、向き直る。
「ま、気をつけなね」
「え」
「知らないと思ってる? 甘いな。――朝比奈先輩」
「……そか」
「噂になる前に何とかしないと。
っても相手にしない以外、ないけどね」
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