code08 凍結⑦
無理に笑っている店主に案内され。
さっそく防犯カメラを見せてもらう。
手口としては、男が1人で来店し。
店員が商品を差し出したところで、
奥の客が、派手に騒ぎを起こしている。
前情報がなければ、客を警戒は出来ない。
店主も店員も、騒ぎに気を取られた、一瞬。
指輪2点を素早く掻っ攫い、歩いて退店。
防犯カメラで、遠目に顔は見えているが。
人相が確認できる距離では背を向けた。
「……この場に、映像解析班がいればな」
高桐警部が呟きながら、映像を戻している。
確かに。
現地でカメラ映像を詳細に解析できれば。
早期検挙への足掛かりになるに違いない。
「遠目でも分かるな? 聞き込み、行くぞ」
「はい」
映像をスマホに収めて、店外へ出る。
この指輪店が、連続窃盗の最終地だ。
聞き込みをしながら、通りを歩く。
ホシと思しき証言も、ちらほら。
犯行から1時間以上たっている。
とっくにエリア外へ逃走している。
普通は、そう思うだろう。
そして、普通は本当にそうする。
しかし人間は――。
簡単に割り切れない時がある。
犯した罪が大きいほど。
盗んだ品に価値あるほど。
どういうわけか現場に――。
高桐警部と6人目に話を聞いている。
その最中だった。
ふと視線を感じた。
振り返った、横の細い路地の先。
――嘘だろ?
こちらを見る、黒パーカーとデニムの男が。




