code08 凍結⑤
雪山に逃げ込んだ犯人は。
翌朝、ある部隊が確保した。
当日の体調不良――そこからの発熱。
毎月の不調も、まだ燻ぶっていて……。
翌日。
報告書を上げる前に――と。
検証室から少し離れたトイレで用を済ませて。
出てみると、通路で堀口が待っていた。
「立樹」
トイレは袋小路で。
つまり人の目も、逃げ場すらなかった。
「昨夜、山に入ったって? 高桐警部と?
ふたりきりで?」
「……はい」
「吹雪になったって聞いた」
「突然、前が見えないほど。よくあるんでしょうか」
「ある。それは。
じゃなくて――下山できなかっただろ?」
「はい、無理でした。ちょうど山小屋があったので」
「つまり」
ひたと、下睨みに視線を止めた。
「……ふたりで一晩、てわけだな」
思わず、まっすぐ受け止めていた。
「……あの」
「雪の……ロッジで2人って……一晩? 嘘だろ……」
「堀口さん」
「何かあったんじゃないのか。お前ら、まさか……」
「堀口さん、やめてください」
「……分かる、分かるよ……そういう」
ことかよ……と。
うつむき、髪を雑に掻きあげ。
「あのな、立樹」
「…………」
「指導上官だぞ」
「……堀口さんも、ですが」
「女がいるんだ。聞いてるだろ、あいつ……」
「だから、そういった事は、何ひとつ――」
雪山より冷たくなる事を。
不気味なほど、静かに……置いた。
「じゃあさ」
「…………」
「相手が俺でも? 一緒にいたのが俺でも」
「…………」
「同じように……
あいつと同じ事……俺とでも、出来たんだな?」
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