code08 凍結④
ロッジの周りにも、足跡などはなかった。
降雪も、その痕跡を消すほどではない。
だが――。
「中を確認するか」
小声で言った高桐警部に――。
「立樹?」
「あ、はい……そうですね。窓から……」
「大丈夫か、ちょっと顔色が」
「いえ、冷たいだけですから」
そっとロッジに近寄って行き。
警部は、こちらを窓の横へ立たせた。
「そっと見てみろ」
ゆっくり左目だけで中を確認する。
真っ暗で何も見えなかった。
「暗すぎて……」
「日差しが無いからな。雲が厚くなってきた」
そう言うと、警部はカチャリと。
携帯命令の出ていた銃を手にした。
「立樹はこの陰にいろ。
中を見てくる。もし出たら大声。いいな」
警部の姿がロッジの角に消えて。
ドアノブをまわす音が聞こえてくる。
本当は、貧血気味になっていた。
息を深くしていると。
高桐警部が戻って、言った。
「中にもいないな。進んでみよう」
「はい」
気取られないよう、つとめて返事し。
警部のあとにつづいた。
市街地は近いが、標高は割と高い。
麓より確実に寒く、風も強くなっていた。
「別ルートから山越えして、
この先に合流する地点がある。降りてみるか」
「わかりました」
そうして、降り始めて間もなくだった。
ちらちらと舞う雪が増えたな、と思うと。
強風とともに、雪の幕が下りてきた。
「まずい。すぐ視界が遮られる。ロッジに戻るぞ」
山の天気は急変するというのは本当だった。
市街地からいつも見えている山とはいえ。
吹雪に遭うと、遭難候補地になる。
ロッジから離れてない場所で、助かった。
2人で一気に駆け戻って。
ロッジのドアの奥へ。
本当に倒れ込んでしまった――。
「立樹っ」
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