code02 進学②
「そろそろ決めないといけないよねー」
「それだよねえ……」
昼休み。
あと2週間ほどで夏休みに入る。
早い人なら、1年から決めている。
希望進学大学を。
三朝も、友達の安永も決めてなかった。
「やっぱ東大でしょ、三朝は。伯父さん、キャリアだし」
「いやー。そんな頭あると思う?」
「今からやれば間に合うでしょ」
「……そういう人が、行くところじゃないと思う」
「そんなことないって。ギリでも届けばいいんだから。
いつから勉強してるかなんて関係ないよ」
「かもしれないけど……ハルカこそ、東大でしょ?」
「悩み中。大変そうだからさ、先輩も」
「そうなんだ」
「別に無理してランク上行くより、ちょっと下げて、
それなりに卒業できるところがいいかなって。
うち、会社、だからさ」
「就職活動、ないもんね」
「そ。秘書室から役員に就いて、レールの上を歩く」
「決めてるから、すごいよね」
「私が歩かなきゃ、他の人に取られるからね」
「強いなあ……」
お嬢様なのに、お嬢様じゃない。
送迎車が来ても、いちいちお礼を言う。
安永ハルカの一番好きな面だった。
「三朝も継げばいいじゃない」
「……継ぐ?」
「官僚になってさ、現場の刑事を指揮してさ。
映画のあの人みたいに。
『そこ! 捜査会議なのよ! 目新しい情報、拾ってないの!?』って」
「で、できませんよ……」
「現場の刑事と恋に堕ちてさ。
自分の方が階級上なのに、私生活では抗えない、とかさ。
いいよなあ……」
「受ける? 一緒に」
「警察庁!? 無理むり、冗談。
憧れてるのは恋愛で、銃撃戦じゃないから」
「そか」
「てかさ。三朝」
「え?」
「絶対、そのうち、お見合い来るよ。
伯父さん、警察官僚なんだからさ。
自分の部下、選定して、写真出すって」
「……なに、それ」
「えー、あるって。伯父さんみたいにさ?
しっかりした大人の戦略家は、
娘の結婚相手、絶対に手、抜かないから。
自分が選んだ、ちゃんとした人、ぜったい連れてくる」
「…………」
「そん時さ。イケメンだといいよね、せめて」
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