code05 起動⑨
東京へ、一時的に帰っていた。
報告、庶務、人事手続き、もろもろ。
『出張』1日目を終えて、夕刻。
佐木沢警視監から、呼び出しを受けた。
挨拶もかねて、執務室へ立ち寄った。
「元気そうで何よりだ。まあ、掛けてくれ」
「失礼します」
応接ソファの向かいに座る。
居づらい空気にならないのが。
この幹部の不思議なところだった。
「急に呼び立てて済まなかったな」
「いえ。ご挨拶に伺いたいところでした」
「なら良かったか。道警行きも引き受けてくれて助かっている」
「こちらも。非常に勉強になっています」
「凄まじい部署だろ。作ってみて正解だった
。高桐君が行ってくれてからは、もっとな」
「昼夜ない状況ですが。初めて持つ部下としては、
みなさん、優秀過ぎたかも知れません」
「はは。そりゃ喜ぶだろう、所員が聞いたら」
崩れた好顔を窓の外へ向けて。
夕映えに切り取られたビル群を見る。
「札幌は雪深いだろうな」
「ええ。3月でも雪景色のようです」
「こちらと、えらい違いだな。千早くんは元気にしてるか」
「はい。先日も会いましたが、相変わらずでした」
「そうか。まあ、頼ってやってくれ。気にしてたからな」
「ずいぶん助けていただいています」
うん、と頷いている。
それからも、ひとしきり話をして。
切り出しにくそうに、顔を向けた。
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