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code05 起動⑧
本部の駐車場に車を入れて。
外へ降り立った。
すでに春の東京とちがって――。
肌寒い冬の気配が色濃く残っていた。
「よう」
道警本部へ入る、エントランスに。
「来たな。高桐」
入庁後、初めての上司。
初任科研修での指導上官。
千早水貴――警視を拝命して直後。
待ち構えてくれているとは意外だった。
「なんでいるんですか」
「たまたま用事があったからな。
ついでに案内してやるよ」
「本当に、たまたまなんでしょうね」
笑い合って、ロビーを進んだ。
階段をのぼりながら、ふり返る。
「てかさ。お前が来て良かったよ。
北の大地は暇だからなあ」
「仕事は忙しいでしょ」
「遊びに行く相手がさあ。知り合い少ないから」
「千早さんでもですか」
「いや、俺。人見知りだから」
「何言ってんですか」
どうも、この人だけは調子がちがう。
笑わずに会話できない。
そんな先輩が、ちょっとだけ声を潜めた。
「……別れてきたんだな」
こちらも小さく答えた。
「はい……はっきりと」
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