code05 起動⑤
「……そうか、わかった。おろしていいよ」
日焼けぎみの顔に笑顔を浮かべ。
上条は1人に目を向ける。
「えーと、君。酒井くん。なぜ手を上げた?」
「はい!
非常に理想的な、興味を引く組織だったからです!」
メガネで、いかにもな。
大学の同期だった。
挨拶すら、したことないけど。
「興味、ね」
「はい!
司令官が捜査班を率いて効率的に捜査する!
非常に興味あります!」
「わかった。覚えておこう」
「ありがとうございます!」
そのノリ。
どこで習ってきたんだ。
「じゃあ、次ね。えーと……椎名くん」
「……はい」
さっきの同級生と打って変わり。
低い、まるでヤル気の感じない返事。
入庁当初から、こちらに張合う空気が透ける、
こいつもイケメンだ。
「君は挙げてなかったよね。なんで?」
「まあ」
「はっきり言っていいよ」
「うまく立ち上がったなら、関わらせてもらえたらと」
「……最初から関わる気はないと?」
「そうですね。
立ち上げてみて、失敗なら汚点になりますから」
「なるほど。忌憚ない意見、ありがとう」
それじゃあね、とスマホを見る。
「次は……奈守くん、でいいのかな、これは」
「はい」
はい、の似合わない男だなと思う。
「君も挙げてなかったね。どうして?」
「えーと……ここにいるってことは、
司令官として指揮する立場として、
組織に関わる可能性が高いと思いますが」
「そうだね。たしかに、その通りかもしれない」
「司令官なら、まだいいですが、司令長?
みたいなポストになるなら、
ちょっと勘弁かなと思いました。
チーム全体を見て、適材適所、瞬時にふりわけて動くって、
そんな力量、自分にはないと思ったからです」
「正直だね」
「偽っていいことなど何もないと学んでいます」
「……うん。わかった。ありがとう」
上条は壇上には戻らず、その場で続ける。
「えー、全員にね。
ほんとは話を聞きたいところだけど。
時間の都合もあるからね。次の話題にいこうかな。
――君たちは、これから現場の指揮、部署の長、
そういった上の立場に立つ人間として、
各所に配属されていくと思うけども。
ずばりね。
上の立場の人間が、重んじなければならない事って、
なんだろうね?」
また即座に、ほとんどの腕が挙がった。
今度も挙げてないメンツは同じだった。
「じゃあ、今川くん」
「はい!」
またあのノリのヤツ。
「君はなんだと思う?」
「自分は正義と秩序、序列と法令だと思います!」
「えーと。正義……とは?」
「正しく条理にかなったことを言います!」
「……うん、そうか。わかった。ありがとう」
「ありがとうございます!」
「次は、えー。高桐くん」
呼ばれてしまった。
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