code05 起動④
教室内がザワついた。
肩書のわりに、えらく見た目の若い、
かなりイケメンの警視だった――から。
壇上の上条が一同を見まわした。
「皆さん。警察庁入庁、おめでとうございます。
といっても、もう夏ですが。
僕のほうから言う機会が今日になってしまったので、
遅くはありますが、伝えさせてもらいます。
さて――今日は本年度採用の皆さんに、
人事制度とか進路形成とかのお話をするために
来たんですが」
着ていたジャケットを脱いだ。
「あっついからね。ちょっと脱ぎます。
で、人事制度。
これはね本、見ればいいよね。あ、読めばか。
もらったやつ。分からないときは警務に訊く。
どの警察署でも教えてくれるから。
制度は分からないなら使えません、なんてことはないから。
はい。で、次は進路形成かな?
まあ、これは最初のうちは言われた部署へ
行くしかないんだけども」
手元のノートPCを操作して。
次の資料を出した。
「おっきく分けて3つかな。あるよね。
刑事、公安、事務方。それぞれの希望も、
あるていど聞かせてもらってるよね。
それに応じて、基本は進んでもらうんだけど。
えとね――とくに刑事部。これはね、5年後かな?」
次の資料が表示される。
室内が、また、ちょっとザワついた。
中央に大きく、
『新興独立捜査機関―仮称JPO―設立計画』
と表示されたからだ。
「まだ正式な名前は決まってない。
具体的な規模とか、場所、部局編成について、
現在、細かく協議中。
だけど、おそらくこの中からも、何人かは新組織所属、
もしくは助力してもらうことになると思う。
とりあえず話があるということは覚えておいてね」
えーと、と。
ノートPCに目を落とす。
「そうだね。
なんで新組織かというと、新しい犯罪がくそほど多いから、で。
制御できてないからだね、もう。
サイバーチームとか。
がんばってる部局も多いけど、それだけじゃ追いつかない。
もっと部署間の連携が非常にスムーズな、
風通しのいい組織を作って、
迅速な捜査形態を敷けるような体制作りをしないとね。
たとえば刑事部の中に、司令部と捜査部を作って、
司令官がつねに直属の捜査班を動かせるようにするとか。
医局も併設して、
被疑者、被害者の聴取を本部内で行えるようにするとか。
今までにはない何かを取り入れて、
組織が変わって行かないと、
対応できない世の中になってきてるから。
いま、その組織づくりに全力で取り組んでいる
――と、こういうわけね」
そこで壇上を降りて、教室の前に出た。
「じゃあさ。
いまの話を聞いて、自分がやってみたいです!
って人、いるかな?」
即座に、ばばばばっと。
たくさんの右手が直立に挙げられた。
林のように腕が生えた教室内で。
高桐と、奈守と。
あと2人が手を上げなかった。
『LOVERSコード』および関連作品に掲載されている文章・画像・動画・ロゴ・キャラクター・設定等の権利は、作者・蒼貴みかげに帰属します。




