code04 分岐⑥
結局――。
事件のあと、就職活動もままならず。
苦肉の策で大学院へ進学した。
得られた時間で考えるようになっていた。
もともとの志望先でもあったが。
人を守る――というより『助ける』。
直接そう出来る仕事に就きたい、と。
2年生なので進路を決めないとならない。
佐木沢家でお世話になって数年。
伯父伯母の意向にも出来るだけ沿いたい。
だから話し合いが必要だった。
「……それがいいかもしれないな」
「いいんですか?」
「かえって安全かも知れんと思うようになった。
あの事件のあとな」
「警察にいたほうが?」
「職務上の危険はあるぞ。
だが守られるのも事実だ。訓練もあるしな」
「なるほど……」
「受けてみろ。ただし縁故は組まん。実力でな」
夫妻の声が聞こえてくる。
手すりにもたれる望と聞いている。
「私は賛成はできないわね」
「受けさせんというのか」
「受けるのは賛成よ。
他の省庁が良いって言ってるの」
「たとえば」
「法務省でいいじゃない。
法学科なんだから。わざわざ」
「だから言ってるだろう。
かえって安全じゃないかと」
「どこが安全よ。
危険に自ら飛び込む仕事じゃない」
「そのために訓練もある。身を守れれば」
「あのね。
そもそも力で勝てるわけないんだから。
いくら強くなったって」
「もう本人はその気だぞ」
「だから応援してあげたいわよ。
賛成はできないけど」
望と自分の部屋に戻った。
「まあ大丈夫じゃない? 応援するってさ」
「なんか悪いなあ」
「じゃ、進路変える? 考え、曲げるか?」
「……それはいやだな」
「進むしかないよ。決まり」
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