第40章:最初の夜
三体の魔獣が現れるや否や――
マーカスとルンが前へ出た。
――俺たちに任せろ、とマーカス。
魔獣たちは咆哮し、飛びかかった。
だが戦いは長く続かなかった。
マーカスは圧倒的な力で突進し、
剣を振り下ろす。
――クラッシュ!
一体の魔獣が頭蓋を砕かれ、地に倒れた。
その間、ルンは影のように動いた。
剣が一閃、そしてもう一閃。
背後に現れた瞬間、魔獣は崩れ落ちた。
三体目は逃げようとしたが、
マーカスが迎え撃った。
一撃で仕留めた。
戦闘は数秒で終わった。
アリスは結果を見て、厳しく言った。
――進むわよ。
――これ以上来る前に。
一行は暗黒の森を進んだ。
だが進むほどに魔獣が現れる。
ランク8の魔獣が次々と木々の間から姿を現した。
覇者たちは素早く討ち倒した。
古参の覇者たちは慣れていた。
だがアレンは全てを注意深く観察していた。
この地は敵に満ちている。
休息はない。
数時間進んだ後――
アレンは立ち止まった。
異なる気配。
強大な存在。
――来るぞ、とアレン。
地面が震え始めた。
森の闇から現れたのは巨大な群れ。
数十体のランク9魔獣。
その背後には二体の巨獣。
ランク10。
アリスが即座に叫んだ。
――隊形を整えろ!
――レイン、カエル、セラフィーヌ。
――ランク10を頼む。
三人の守護者がうなずき、気配を解き放った。
アリスは覇者たちへ。
――二人一組で背中を守れ。
アルドリックはマーカスと並び、
キアラはルンと組んだ。
そしてアリスはアレンを見た。
――アレン。背中を守って。
――了解。
魔獣たちが襲いかかる。
――グォォォォォ!
ランク9の群れが波のように押し寄せた。
戦いが始まった。
アルドリックが手を掲げる。
元素が彼を包む。
――風!
巨大な突風が魔獣を吹き飛ばす。
マーカスが飛び込み、剣を振り下ろす。
一撃ごとに魔獣が倒れる。
キアラは優雅に舞い、風で敵を切り裂く。
ルンは死角から斬撃を浴びせる。
魔獣は次々と倒れた。
一方、レイン・カエル・セラフィーヌは
二体のランク10と激突していた。
その衝撃は森を揺るがした。
だが最も激しい戦場はアリスとアレンの周囲だった。
数十体のランク9が彼らを囲んでいた。
アリスが剣を掲げる。
光が溢れる。
――光の元素!
剣が空を裂き、三体の魔獣を同時に貫いた。
アレンはその力を感じた。
――強い…。
アリスは驚異的な速度で動き、
正確な斬撃を繰り出す。
だが魔獣は止まらない。
背後から一体が飛びかかる。
アレンが反応した。
――ギィン!
黒刀が閃き、魔獣の首が落ちた。
――ありがとう、とアリス。
――気にするな、とアレン。
戦いは続いた。
アレンの黒刀が空を裂き、魔獣を斬り伏せる。
だが彼は考えていた。
――この森は強敵だらけ。
――今力を使いすぎれば、生き残れない。
――力を管理しなければ。
数分後、最後の魔獣が倒れた。
森は再び静寂を取り戻した。
守護者たちも戻り、ランク10の魔獣は討たれていた。
一行は息を整えた。
激しい戦いだったが、全員が立っていた。
アレンは理解した。
――この地は危険だ。
――一戦ごとに消耗する。
――まだ入口に過ぎないのに。
アリスが言った。
――進みましょう。
さらに数時間歩いた後――
巨大な洞窟の前に辿り着いた。
入口は暗く、深く、広大だった。
アリスが観察した。
――休むには良い場所かもしれない。
まず内部を調べた。
ランク8の魔獣がいたが、すぐに倒した。
安全を確認し、一行はそこで夜を過ごすことにした。
魔族領での最初の夜。
洞窟の中で皆が身を落ち着ける。
アリスが言った。
――入口を交代で見張りましょう。
――警戒を解いてはならない。
全員が同意した。
遠征は始まったばかり。
魔族領はまだ――
その危険の一端しか見せていなかった。




