第39章:冥界の罪
魔族領の最深部――
人間が一度も足を踏み入れたことのない場所に、黒い石で造られた巨大な広間があった。
空気は恐ろしい圧力で満ちていた。
そこに集まっていたのは、魔界で最も強大な存在。
七人の魔王。
それぞれが一つの罪を象徴していた。
暗黒の巨大な玉座に座る者たち:
ルシファー ― 傲慢。
最も威圧的で、その存在は広間を支配していた。
マモン ― 強欲。
暗闇の中でも瞳は貪欲に輝いていた。
アスモデウス ― 色欲。
危険で嘲笑的な笑みを浮かべていた。
レヴィアタン ― 嫉妬。
冷たい眼差しは全てを分析しているようだった。
ベルゼブブ ― 暴食。
巨大な体からは貪り喰らうような気配が溢れていた。
ベルフェゴール ― 怠惰。
会議にほとんど興味を示さなかった。
サタン/ベリアル ― 憤怒。
その力は暴力的で爆発的だった。
これは緊急会議だった。
ルシファーが最初に口を開いた。
その声は広間全体に響いた。
――まもなく…客人が来る。
他の者たちが彼を見た。
レヴィアタンが静かに問う。
――また人間か?
ルシファーはうなずいた。
――そうだ。
ベルゼブブが低く笑った。
――奴らはいつも死にに来る。
一人の魔王が言った。
――指揮官を送り込もう。
だがすぐに別の者が答えた。
――何年も同じことをしてきた。
レヴィアタンが玉座に手を置いた。
――隊長…指揮官…
――結局は皆殺される。
ベルゼブブが唸った。
――生き残っても、人間を二人殺すのがやっとだ。
沈黙。
――ならば…我らの誰かが行くべきかもしれぬ。
視線が変わった。
サタンが玉座を叩いた。
――我らが行く?
――ただの人間の蟻のために?
アスモデウスが笑った。
――奴らにそれほどの価値はない。
だがその時、マモンが低く笑い始めた。
瞳が輝いていた。
――悪くないかもしれない。
他の者たちが彼を見た。
――人間はいつも面白いものを持ってくる。
――秘宝、財宝、武器…。
彼は強欲に笑った。
――全て奪えばいい。
ベルゼブブが笑った。
――いかにもお前らしい。
マモンはゆっくり立ち上がった。
――俺が行こう。
広間は静まり返った。
ルシファーが彼を見た。
――自ら手を汚すのか?
マモンは笑った。
――観察するだけだ。
――三人の指揮官を連れて行く。
そして冷静に続けた。
――だがまだ行かない。
レヴィアタンが眉を上げた。
――なぜだ?
――まず奴らが生き残れるか見たい。
――あの地の魔獣が奴らを殺すはずだ。
冷たい笑み。
――死ねば、俺の時間を費やす価値はない。
――だが生き残れば…俺が行く。
――そして全員を滅ぼす。
――――
その頃、魔族領。
アレンたちは暗黒の森へ到着した。
景色は完全に異様だった。
木々は黒く、葉は紫。
空気は重く淀んでいた。
アリスが厳しく言った。
――ここから先は魔族領。
――警戒を怠るな。
古参の覇者たちは慣れた様子で歩いた。
だがアレンにとっては全てが初めてだった。
森へ足を踏み入れた瞬間――感じた。
強大な気配。
――強い魔獣が近くにいる。
マーカスが笑った。
――魔族領へようこそ。ここではそれが普通だ。
森は暗く、紫の葉が光を遮っていた。
彼らは慎重に進んだ。
その時――音が響いた。
――グルルルル…
三つの影が木々の間から現れた。
巨大な狼のような魔獣。
だが頭から黒い角が突き出ていた。
瞳は赤く輝いていた。
シオンが静かに言った。
――魔獣だ。
キアラがその気配を見た。
――ランク8。
三体の魔獣がゆっくりと彼らを囲み、牙を剥いた。
マーカスが笑った。
――ちょうどいい。準備運動だ。
だがアレンはすでに刀の柄に手を置いていた。
本当の旅が――
今、始まった。




