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第20章:ルンセラの姫

森はその朝、静かだった。


アレン、レッド、そしてブルーは早くに出発し、ギルドの任務を果たすために森へ向かった。

討伐すべき魔獣はランク5。


アレンにとっては難しい敵ではなかった。

だが今回は、ただ任務を終えるだけではなく、兄弟たちを鍛えることも考えていた。


獣を見つけても、アレンはすぐには攻撃しなかった。

まず口を開いた。


――レッド。

――ブルー。

――動きをよく見ろ。


二人は集中した。

獣は大きな体に硬い皮膚、重い爪を持つ怪物だった。


アレンは続けた。


――敵は力だけで倒せるものではない。

――まず動きを読む。

――そして攻撃を予測するんだ。


兄弟たちは真剣に耳を傾けた。


やがてアレンが動いた。

素早い一閃。

剣が空を切り裂く。


獣は防御しようとしたが…遅すぎた。

正確な数撃で、怪物は倒れた。


戦いの後、アレンは稽古を始めた。

剣の基本姿勢。

持ち方。

体の動かし方。

戦闘における呼吸法。


レッドとブルーは驚きの連続だった。

アレンは強いだけではない。

知恵も深かった。


質問すれば、必ず明確な答えが返ってきた。


しばらくして、アレンは問いかけた。


――お前たち、属性の親和はあるか?


レッドが答えた。

――エルフは普通、風・水・土に親和がある。


ブルーが続けた。

――俺たちはすでに風と土を覚醒した。

――だがまだ水はない。


アレンは少し考え、言った。


――なら、まだ大きく伸びる余地がある。


彼は手を上げ、小さな炎を灯した。


――俺の親和は火だ。

――何年も鍛えてきた。

――だから元素の扱い方を教えられる。


兄弟たちは真剣に聞き入った。


その日一日、アレンは基本的な元素制御を教えた。

感じ方。

導き方。

制御を失わない方法。


訓練を終えると、三人は街へ戻った。

獣の死体を傭兵ギルドへ持ち込み、報酬を受け取った。


だが建物を出た瞬間、街全体がざわめいた。


――道を開けろ!

――姫君だ!


大きな馬車の隊列が通りを進んでいた。

多くの兵士が護衛している。

市民たちは興奮して見守った。


――あれが姫様だ!


アレンは立ち止まった。

目では見えなくとも、多くの重要な存在を感じ取った。


レッドとブルーは驚きの声を漏らした。

――美しい…


姫は白い髪に青い瞳を持ち、三十一歳ほどに見えた。

その姿は優雅で威厳に満ちていた。


市民たちは囁き合った。

――王の代理として来られたのだ。

――大会が近い。

――だが王はまだ冠を渡していない。

――まだ待っているらしい。


しかしアレンは別の存在に注意を向けていた。

護衛の中に、特別な人物がいた。


非常に老いた男。

フード付きの外套をまとっていた。

だがその気配は異質だった。

重く、深い。


ランク10。

大陸を守る騎士の一人。


老騎士もまた、何かを感じ取った。

一瞬、アレンの方を見た。

だが敵意を感じなかったため、そのまま進んでいった。


隊列が消えると、アレンは兄弟と共に宿へ戻った。

部屋に入ると、静かに告げた。


――俺はルンセラの大会に出る。


レッドとブルーは驚いた。

――本当に?


アレンは落ち着いて答えた。

――ああ。

――あと二ヶ月だ。


そして続けた。

――明日からもっと厳しく鍛える。

――獣を狩って技を磨け。

――その間、俺はランク4の獣を探す。

――契約を結び、戦う仲間を得るんだ。


兄弟たちは目を輝かせた。

彼らは理解していた。


アレンに従うことで…

自分たちの運命が完全に変わったことを。


そして今――

彼らはさらに大きな舞台へと備えていた。


ルンセラの大大会へ。

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