第19章:傭兵ギルド
アレンと共に残ることを決めた双子は、彼を「師匠」と呼び始めた。
最初、アレンは慣れていなかった。
だが否定はしなかった。
彼らが従うなら、生き残る術を教える必要があると分かっていた。
まず市場へ連れて行った。
二人に新しい服を買った。
奴隷の服は古く、擦り切れていたからだ。
さらに二本の剣を買った。
一つはレッドに。
もう一つはブルーに。
レッドは剣を持ち、興奮していた。
だが同時に不安もあった。
ブルーは慎重に剣を握った。
まだ武器を信じきれないように。
その後、三人はルンセラの傭兵ギルドへ向かった。
建物は巨大で、中には多くの戦士がいた。
剣士。
魔法使い。
獣使い。
様々な種族。
場所は騒がしく、会話や笑い声、議論が飛び交っていた。
アレンはまっすぐ受付へ向かい、登録を始めた。
女性が質問した。
――「名前。」
――「アレン。」
――「年齢。」
――「十八。」
――「職業。」
――「剣士。」
そして最も重要な質問。
――「ランクは?」
アレンは静かに答えた。
――「ランク8。」
一瞬、場が静まり返った。
若者。盲目。そしてランク8。
驚く者もいれば、信じない者もいた。
特に弱い戦士たちは他者の力を感じ取れず、嘘だと思った。
大柄な男が笑いながら近づいた。
――「ランク8だと?俺は異常存在だな。」
周囲は笑った。
だがアレンは怒らず、静かに言った。
――「言いたいのは……ただのゴミだろう。」
場は爆笑に包まれた。
男の顔は赤く染まり、剣を抜いた。
――「この野郎!」
だがアレンは動かず、一言だけ。
――「静まれ。」
その声は柔らかかった。
だが同時に、目に見えぬ圧力を含んでいた。
男は突然動きを止めた。
体が凍りつき、胸に奇妙な恐怖が走った。
それはただの言葉ではなく、命令のようだった。
男は剣を下ろした。
理解できなかったが、本能が告げていた。
――「これ以上は危険だ。」
アレンは振り返り、登録を終えた。
そして任務を受けた。
近くの森でランク5の獣を討伐する簡単な依頼。
彼にとっては容易だった。
だが目的は金ではなかった。
アレンはレッドとブルーを連れて森へ向かった。
しばらく歩いた後、立ち止まった。
彼らの動き。呼吸。歩き方。
全てを感じ取っていた。
――「戦い方を知らない。」
双子は沈黙した。
アレンは続けた。
――「剣の使い方も、戦いでの動きも分かっていない。」
レッドは俯いた。
――「……その通りです。」
ブルーも言った。
――「誰も教えてくれませんでした。」
アレンは考え、静かに言った。
――「なら、基本から始めよう。」
剣を構えた。
――「まず正しい立ち方を学ぶ。次に戦いでの呼吸。そして剣の動かし方だ。」
双子は真剣に耳を傾けた。
アレンは彼らを感じ取り、分析した。
そして心に決めた。
――「この世界で生き残れる戦士に育てる。」




