闘いの日々に終わりを告げる その2
(ウィリアム王)「む、欲が無いな」
(アレン)「そうですか?好き勝手自由気ままに生きるって話をしてるんですが。どう考えても貴族のしがらみに絡まるより、贅沢だと思います」
やっかみとか、嫉妬によるイジメはどう考えても起こる。
特にヒューマンは自分達の普通、平均からはみ出たものは
嫌ったり、邪魔に思ったりする。
それが、平均より上なら体よく利用され、下なら卑下される違いはあるが。
どちらにしろ、平穏を望むなら、
人里から離れた方がいい。
買い物やグルメなどで街には来るから、
引きこもるわけじゃないけど。
税金も納めませんと言っているわけだし。
納めてもいいんだけど、どこにって問題もあるし。
(ケリューン王)『な?だから、アレン殿は内政などには興味を持たんだろうと言っただろ。地頭が良いなら利権より、自由を選ぶのも至極当然だ』
(ウィリアム王)「むぅ、なるほどな。アルベルト卿が黄昏たから代わりに・・・とはいかんか」
黄昏たって。
筋肉ダルマに対して大層な物言いだな。
神様かよ。
(アイリス)『テッハのうすら馬鹿とアレン様が対等なわけがなかろう』
(ケリューン)『最初からそんなものは無理だ。ほら、一応の選択肢を示そうか。従わなくても構わないからな』
ケリューン王には俺が考える話が読めていたらしい。
まぁ、『俺も国王なんか辞めて自由に生きたいぞ!』的なこと言ってもおかしくない性格しているしなぁ。
(アイリス)『アレン様がそう言うと思いまして。腹案を考えております。一つ目は我がエルガルドに住んでいただければ、自由を保証します』
(ウィリアム王)「むぅ、やはり納得がいかん。余が言ったことと同じではないか」
(アイリス)『いえ。ヒューマンとエルフは根本的に違いますから。エルフは選民思想で差別したり、面倒事になったり
利用されたりはしないので、お望みは果たせます。それにディアナも喜ぶでしょう』
(ディアナ)「ちょ、っ!お母様!?」
何故かディアナは顔を真っ赤にし慌てふためいた。
俺がエルガルドに来たら困るのかな。
それは置いておいて、ヒューマンと暮らすよりは懸念は減りそうではあるよな。
(アレン)「有り難いお話ですが、どこだろうが一国家に所属するつもりがないんです。後、やはりエルガルドは他国との国交はあれど、住民はエルフ限定にしておくべきかと思いますよ」
(アイリス)『そうですか』
(チグリス王)『ふむ、じゃあ、チグリスに来るのも同じで却下じゃな。チグリスなら酒が飲めれば、他より突出した能力があろうが関係なく自由だから提案しようとしたんだが、駄目じゃな』
酒は飲めないのだが。
ブラミスがチグリストに戻るなら、なくは無いか。
まぁ、ブラミスは今更故郷に帰るわけ無いし。
もう武器作ってもらう必要はないし。
否定する前から提案を引き下げたなら何も言う必要はないわな。
(ケリューン王)『だから、その腹案は無理があると・・・それなら、実質案の二つ目だな。今、我々は緑の大陸、火の大陸、大地の大陸を治めておるが、他にも土地はある。例えば水の大陸、つまりサルトベルグ領は、サルトベルグが滅亡したため、手つかずで放置されているし、風の大陸、中央大陸の一部も管理者は居ない。好きな所に住むといい』
待ってました。この提案が100点だわ。 流石、ケリューン王だなぁ。
(アレン)「本当にいいんですか!?(棒読み)」
(ウィリアム王)「当然だ。各国国王が皆認めておる。好きに選ぶといい。」
(アレン)「では・・・水の大陸に居住を構えることにします」
(チグリス王)『居城じゃろ?ワシらが最高の城を作ってやるわい!』
(アレン)「ありがとうございます。ただ、城を作って国家を興すつもりはないんです。それだとどこかの国に所属するのと変わらないですから。小さな家で十分です、それはお願いしたく」
(チグリス王)『分かったぞい。なんでも要望に答えるからの、任してくだされ』
なんとなく農耕して、釣りと酪農とかをして、
たまにダンジョン行ったり、
のらりくらりと読書したり、
しばらくゆっくりする。
その後は、やりたいことがあればだが、
誰かを統治したり、教えたりは向かないわけだし。
なるようになるスローライフで生きていこうかなと。
でかい城だと執事、お手伝いやメイドも必要だ。
それだと国王になるのと大差はない。
いらんいらん。
ま、かわいいメイドは居てもいいか。
(ウィリアム王)「ふむ。何故水の大陸なんだね?」
(アレン)「あそこは自然も豊かですし、水はきれいだから農作物も自給しやすく、さらに魚も肉も豊富に取れますよね。何より静かですから」
メリットだけ話してみたが、
正直、他に魅力が無さ過ぎて一択でしかない。
風の大陸も常に風が吹いているし、
魔大陸は言うまでもなく荒廃している。
名もない小島でもいいが、新たに拠点にするには大変だし。
(ウィリアム王)「分かった、すぐに準備始めよう。自立とは言え、英雄だ。色々サポートはするからの。ローシュ、ライルエル、頼む」
(ラルバ・ローシュ)「「はっ、御意」」」
ラルバと、ローシュ卿が手を貸してくれるらしい。
やりたい放題してもいいのは本当だろう。
ゴルドー卿は内政を復興するのに忙しいらしい。
まぁ、父親もピエールもあまり仲良くないし。
(キャナル)「ん?あんちゃん、あたいも一緒でいいんだろ?」
そういえば、シルフィードが角をもらうと。みたいな話していたしな。
(アレン)「ああ。勿論だ。ただ、戦ったりとはしないさ、相手もいないしな」
(キャナル)「それはどこにいても一緒だろ」
ニカッと笑ったキャナルだが、
誰も止めないし許可もいらない。
まず同行が決まった。まぁ、そうなるわな。
(セニア)(あたしも行きたいなぁ、でもお父さんと母さん心配だし)
(マーレ)「アレンさん、うちのセニアも頼めないか!?」
(アレン)「ん?ああ、セニアもおいで。暇かもしれないけどな」
(セニア)「え?母さん?」
(ダデナス)「セニア、私達のことは気にせず、好きに生きるんだ。行きたければ行きなさい」
(セニア)「うん、ありがとう。お父さん、お母さん」
もじもじしていたセニアは両親に背中を押され、やはり同行。
セニアの両親であるダデナスとマーレはウィリアムで新生活を始めるらしい。
英雄の親ということで何一つ不自由ないようにしてくれるようだ。
(リルム)「私はやはりライルエルを継ぐことにします」
(ラルバ)「無理はしなくていいぞ、リルムも既に大人だ。貴族を継ぐのが当たり前だけど、やりたいことをやっても皆許すだろう。それだけお前は十分な働きをしたんだ」
(リルム)「いえ、私はライルエルを継ぎます。国政に参加しながら、医療に携わりたいのです。それが見識を増やしていくと思いますから。ただ、アレン達とは今後も会っていくのはお許しください」
(ラルバ)「もちろん、構わない。早く孫が見たいものだ」
(リルム)「ちょっ・・・」
(サキ)「ラルバ様、私はアレンに付いていくのは駄目でしょうか。やはり食事や身の回りのお世話をしたいのです」
(ラルバ)「サキ、君ももう自由だから、好きにしなさい」
こうして色々決まっていった。
俺は体が万全になるまで、ウィリアムに滞在し、
その間に、水の大陸にチグリスト王たちが住居を構えてくれることになった。
場所や間取り、欲しいもの、などを伝えていく。
一緒に住むのは俺、セニア、キャナル、サキだが、
ディアナやリルムの部屋も作り、いつでも来れるようにお願いした。
アイリスが二人の部屋には俺たちにしか使えない専用転送陣を刻んでくれるらしい。
使用人とかそういうものはまた必要になったら。らしいか、いらんなぁ。
かわいい嫁が3人もいるし、リルム、ディアナも近くにいるわけだし。
後は後日談とか、ちょっとした解説で終わりです




