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とある天才が異世界でも規格外だった件  作者: dainasoa
最終章 勇者と魔王と世界の行く末と
402/404

闘いの日々に終わりを告げる その1

「ん・・・?ここは?」


俺が目を覚ましたのは見知らぬベッドだった。

ウィリアムの来賓室っぽいな。

誰かに助けられたようだ。

魔王に必殺技を当てたあとは意識が飛んであまり覚えてない。

生きているということは、魔王には勝てたということだろう。

イテテ、体中が痛い。

どんだけ怪我したんだ?

上半身を起こすだけでこれだと、

実質的にはしばらく動けんな。

と考えていると


「あ、アレン!目が覚めたのね?」


聞き慣れた軽やかな声が聞こえてきた。

安心した。皆、大丈夫だったんだな。


(アレン)「あ、セニア、無事だったか」

(セニア)「うん、良かった、アレン目を覚まさないかと思っていたよ。あ、皆呼んでくるね?待ってて?」


走っていってしまった。

すっかり元気娘に戻ってる。

やっぱり皆、無事らしい。良かった。

ん?となると、俺はどれくらい寝ていたんだ?


しばらくすると、セニア、リルム、ディアナ、キャナルが入ってきた。

さらにウィリアム王や王妃、ブラミス、ラルバ、ローシュ卿、ゴルドー卿までが入ってきた。

ウィリアムの主要メンバー勢ぞろいだ。

ホントに皆を呼んだらしい。

こういうときは、仲間だけじゃないのか。


(アレン)「いや、ギャラリーが多いわ、特に王様達にこんな格好では失礼だ」


どう着替えさせられたかわからないが、寝間着に、頭もヒゲもぼっさぼさ。

身なりに気を使う相手に合う次元ではない。

TPOは全部無視だ。


(ウィリアム王)「英雄がそんなことを気にするな」

(王妃)「休んでいるのを知っていながらお邪魔しているのはこちらですし、寝姿なのは仕方のないことです」


しゃ、喋った!

てっきりゲームによくあるモブかと。


(ウィリアム王)「ごほん、一応、事の顛末を説明してもらいたいでな。ある程度は聞いているが」

(ローシュ卿)「それだけ皆、君の安否を心配したんだ」

(ラルバ)「素直じゃないのぉ、閣下は」


え?つまり、おっさんのツンデレかよ。

要らんって。


(ウィリアム王)「こ、これ、ほら、こちらからも、今後のことなど話しておきたい」

(アレン)「それにしても多すぎです。ん?あれ、ミチルは?」

(リルム)「・・・」


リルムは首を静かに横に振っただけだった。

まさか、見つかってない?いや、なら探すか。つまりは・・・そういうことか。


(アレン)「そうか、助からなかったか・・・となると、最後俺を助けてくれたのはミチルだな」

(ディアナ)「覚えているんですか?」

(アレン)「いや・・・ただ、誰かの温かい手と魔力で包まれていた感じがする。そしてそれは弱々しくなって行くのも感じていたよ、朧気だが」


その後、リルムがミチルの最後がどんな感じだったかを説明してくれた。

ついでにどう皆が助かったのかも。


(ディアナ)「・・・アレンさん、あまり驚いてませんね?」

(アレン)「ん、ああ。ミチルはさ、フラウの魔力を命に変換して、現世にとどまっていたわけだ。フラウと女神は一心同体なんだろう。女神が死に、魔王に体が奪われた。それでも体が消滅したわけじゃなかったけど、倒したことで、完全に拠り所が無くなった。魔力や生命力の使いすぎじゃなくて、もしかしたら・・・ミチルは覚悟していたのかなって思っただけだ」


・・・

・・・

・・・


(アレン)「雰囲気が重くなったが、後悔とか、自責の念があるわけではないから。さてと、俺はどこから話せばいいかな?」


俺が話そうとすると、

ケリューン、エルガルド、チグリスとも通信、映像をつなぎだした。

ま、どうせ、各国で同じ話するなら一回でいいしな。


(アレン)「リルム、俺はどれくらい眠っていた?それから今の体はどんな感じ?」

(リルム)「10日くらい寝ていたわ。目が覚めなかったらどうしようかと。内臓や骨とかもかなりめちゃくちゃだったの。。正直、生きてるのが不思議なくらいよ」

(アレン)「どうりで腹が減るわけだ」


当のリルムも魔力が空になり、回復出来ない、

さらには黄金神薬(エリクシール)もない。

そこで、リルムの魔力が復帰するまで、エルフが高レベル回復魔法をかけ続けてくれたようだ。

よく見ると点滴も繋がっている、栄養剤か。

リルム復帰後はグランヒールを何回もかけていたが、

死に向かう速度が早く、

それでも完治はまだしてないらしい。

リルムが今、疲れているのは、俺に付きっきりであまり寝れていないからなのかもしれん。

また、俺の目が覚めたからあとは何とかなるらしい。

とはいえ、満足に生活出来るまではしばらくかかるとのこと。


(アレン)「迷惑かけたな、ありがとう」

(リルム)「何言ってんの?世界を救った勇者でしょ、私はそのパーティの回復役よ、当然だわ」


その後、用意された粥を少しずつ食べ、落ち着いてから話を始めた。

各国国王からは、ある程度一般兵から犠牲が各国あったとの報告を受けた。

あれだけの大戦だ、犠牲がないのは難しい。

数でカウントしてはいけないのはわかっているが。

この10日は喪に服していたらしいが、

これからのことも考えないといけない。

サルトベルグ民は全てウィリアムとケリューンで引き受けることが決まったらしい。


俺、リルム、ディアナからは、ざっくりと、

一回目魔王戦、レムとシャドウの修行、魔王城つぶし、

魔王との最後の戦いについての説明をした。

それから勇者レンとその仲間のこと、女神のことも。


(ウィリアム王)「今一度、世界を救っていただき、ありがとうございました」


ケリューン、エルガルド、チグリスも全員が跪き、敬礼してくれている。

ああ、終わったんだなと、改めて認識する。

しばし、沈黙。話が進まん、早く誰か次行け。


(ケリューン王)『解説、ご苦労であった。女神がいないのは本当なんだな。これから我々も大変だが、頑張らなくてはな』


ケリューン王が口火を切り、これからの話をしだすらしい。

俺たちも身のフリ方を考えよう。


(チグリス王)『やれやれ。まだ老体に鞭を打って良き世の中にしよう、のう?エルフの?』

(アイリス)『ええ。ですが、私は次の世代に任せます。既にディアナは私の力を凌駕していますし、経験も積みました。女王を正式に名乗るべきでしょう」

(ディアナ)「わ、私!?私はまだ・・・」

(チグリス王)『何を言っておる。ディアナ殿、いや、ディアナ様。あなたが長年のエルフとドワーフのいざこざを納めたのですから。あなた程の適任はいないでしょう』


敵対していたドワーフにそう言われたら何も言えなくなるわな


(アイリス)『では、近いうちに式典を開きます。皆様も是非お越しください。ディアナ女王、しばらくゆっくりしておいでなさいな』

(ディアナ)「は、はい、お母様」


ディアナはエルガルドに戻って、女王になると。

まぁ、順当だよな。

そして、これからは、チグリストを含めた各国とも交流していくんだろうな。

ハーフエルフの件もあるが、彼らが乗り越えないといけない問題だ。

ディアナなら平気だろう。


(セニア)「私はどうしよう?アリアナ、潰れて無くなったんだよね?」


アリアナとイレインは魔王戦で跡形もなく消えてしまった。

ただ、セニアの家族も、アリアナの人も皆無事だ。


(リルム)「私達より先にアレンとキャナルのことじゃない?アレンはどうするの?」

(キャナル)「あたいは目的も果たしたし、あんちゃんと一緒にいようかな」

(ウィリアム王)「それならアレン殿、これからどうするね?」


リルムは当然、ライルエル家があるから、帰るところもある。

一方でキャナルと俺は家族も家もない。


(アレン)「うーん、元々、魔王を倒してから、元の世界に戻るかも含めて女神と話すつもりだったしなぁ」

(キャナル)「んだよ、あんちゃん、そんなこと言わずにこっちにいろよな」

(ディアナ)「女神様がいないのでそうせざるを得ないでしょう」

(キャナル)「お、そっか、あんちゃん、ごめん。流石に今のは考えなさすぎた」

(アレン)「キャナル、気にするな、大丈夫だ」

(リルム)「アレンは元の世界に戻るつもりだったの?」


皆、じっと見てくる。

やめろ、恥ずかしいじゃないか


(アレン)「最初はな。正確には迷っていた。でも今はこっちにいるつもりだった。こっちの方が過ごしやすいし、仲間にも恵まれた。今更あっちに帰って、力を隠したり、人の顔色伺ったりは面白くないし。そもそもあっちでは天涯孤独だからな」


気がかりがあるなら、幼なじみで唯一理解してくれたユミだけだ。

彼女なら、俺がいなくても新しい友人や彼氏が出来ていくだろう。

俺の記憶くらいは消してほしいが。


(ケリューン王)『一応、我々でも選択肢を用意した。自分の好きになるようにしたらいい』


俺が寝ている間に、ケリューン王を筆頭に、各国で相談していたらしい。


(ウィリアム王)「選択肢としては、エルガルド以外のどこか好きな国の国王を譲るのはどうか。ウィリアムもケリューン、チグリストともに賛成している」

(アイリス)『すみません、エルガルドもいいんですが、エルフでないといけないので』

(アレン)「いやいや、国王って、冗談でしょ!ガラじゃないし、無理ですよ」

(ケリューン)『では、敷地を用意する、貴族になられてはどうだ?公爵級になれば名前だけで仕事などしなくてもよい。』

(アレン)「公爵って!国王と大して変わらないじゃないですか、それに仕事はあった方が。普通がいいです」


国王が仕事をしてないとは言ってない。貴族って感じも向かないからなぁ。


(アレン)「それに、私が国政に居たら中々に迷惑や、やっかみが発生するでしょう。魔王を倒せる力のあるヒューマンを、隣人にしたいとは思えません」

(ウィリアム王)「そんなことは・・・」

(ケリューン王)『ないとは言えんか。時代がうつろえば、変わるだろう』

(アイリス)『アレン様がいる国だけ有利になり、隆盛を極めるとかでしょうか。まぁ、アレン様がそんな愚かしいことはしないでしょうが』


ケリューン王とアイリスは俺の言いたいことが分かったようだ。

力がありすぎると、それだけで発言力が増すし、相手が萎縮する。

交渉するにも、簡単にパワハラができ、相手としては溜まったもんじゃない。

国王達は差別やらはしないだろうが、

国民からしたら、穏やかではないよな。


(アレン)「なので、私は人里離れ、隠居しようかと。エスパシオもあるし、特に困らないかなと。旨い食事と、読書をしながらのんびりします」


とにかく静かに暮らしたい。

今はそれで十分だ。

後2話になるかと思います

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