表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
とある天才が異世界でも規格外だった件  作者: dainasoa
最終章 勇者と魔王と世界の行く末と
401/404

戦いの後に。ミチル消滅。

〜ミチルside〜 


この魔力が使えれば、エスパシオが発動出来るかも?

何とかして取り出せないかなぁ。

と色々やってみたけど、なかなか難しい。

どれだけ魔力が詰まっているかも、どう取り出すかも

調べるだけの時間も余裕もない。

と、なると・・・


レーヴァテインで結晶を叩ききることにしてみた。

ズバッと簡単に切れ、そこから魔力が溢れている。

うん、魔力、多少は入っているわね。

適度な大きさに斬ってから食べてみる。

どうせ、私の体はもう保たない。

あのアレンが最後の一撃を放った瞬間、エスパシオてアレンに追いつき、

強力すぎる必殺技を真横で見てしまった。

余波によって私も左下半身が死んでしまった。

あのとき、何故かアレンのところに行かないとと思った。

自分がどうなろうが、アレンには生きていてほしい。

その思いだけで突き動かされているが、

そこからずっと無理をしている。


(ミチル)「・・・まっず!」


ガリガリと砂を食べているような。

味もしないし、ただ硬いだけ。

普通ならお腹壊すんだろうか。

でも少しだけ魔力は回復したみたい。


ピキッ・・・

体が軋む。

パキッ、ミシッ・・・

くっ、もう痛覚が・・・な・・・い・・・


(ミチル)「い、行く、よ・・・アレン。【エス・・・パシ・・・オ】」


私はアレンを無感覚の中で抱きしめ、

思いを込め、エスパシオを唱えた。

私達は光の粒となり、その場から転移したのだった。


―――――――――― 

〜リルムside〜


チグリスト王国が主体となり、

ケリューンからも人員を割き、

海底捜索隊を出してしばらくしたとき、

ウィリアム王城の来賓室ではセニア、リルム、キャナル、ディアナが

寝かせられ、回復、治療を受けていた。

とは言え、皆体が動かないだけで、意識はあった。

いや、アレンとミチルのことが気がかりで眠りにつけないというのが正しい。

黄金神薬(エリクシール)も既に無いから、

待機するしかない。


(ディアナ)「私が、二人も拾うべきでした」

(セニア)「ディアナのせいじゃないわ、あの状況で、アレンのスピードに追いつけたのは私だけ。私が・・・」

(キャナル)「んなこと言ってもよ、セニアじゃあ、あんちゃんのあの一撃の余波で危なかっただろ?だからあたいだったんだよ」

(リルム)「皆、卑下するのは止めましょう。そんなことで言い争っても仕方がないわ。あの状況で私達にはどうすることも出来なかった。距離もあったし、何より私達自身が体がボロボロだったのだから」


回復できなかった私も悪いし。

とは思っていても言わない私が一番ずるいよ・・・

でも、魔王を倒して、私達が助かった今を喜ぶべきだし、

そんな仲間同士で誰が悪いとか言っていても仕方がないわけだし。

アレンがそんなこと望むわけがない。

仮にディアナがエスパシオを出来たとしても、

ミチルとアレンの両方を救うことが出来たかとかは甚だ疑問が残るわ。


(ディアナ)「すみません、ドレインレイズが強力すぎましたかね・・・」

(セニア)「あれを使わなきなかったら勝ててないかもよ、だからそれは問題なし!」

(キャナル)「だな!一つでも欠けていたら負けただろうね」


ここ、来賓室は国王の間に繋がっているため、

捜索の情報なんかも私の耳にはきちんと聞こえ、把握ができる。

ここには首脳陣の中ではウィリアム王、アイリスがいる。

もちろん、必要なことは皆にも話をしている


(リルム)「なんかバタバタしだしたわね。ん・・・?」


(近衛兵)「も、申し上げます!」

(ウィリアム王)「騒がしい、どうしたのだ!」

(近衛兵)「城下正門にアレン様がご帰還なされました!」

(ウィリアム王)「なに!して、無事か!?」

(近衛兵)「ご存命ではあると思われますが、意識はなく重症かと」

(ウィリアム王)「何をしておる、早く連れて参れ、即時回復をするのだ!」

(近衛兵)「それが・・・アレン様は間違いがないのですが、アレン様は得体のしれないものに体を預けているものでして。よもや魔物とは思えないのですが、うかつに近寄れず・・・」

(アイリス)「多少リスクがあろうが、アレン様を助けるべきです。話を聞くからには敵ではないでしょう」


ということで、国王達は自分たちも、

戦う力のあるものも、私達も含めて

アイリスのエスパシオで街の入口に飛ぶことになった。


警戒態勢をとりつつ、王達はアレンを開放するように

アレンを支えているなにかに訴えかける。

その何かは全身が白く毛羽立ち、さらに鉱質な印象を受けた。

ゴーレムや彫刻、結晶みたいな何かとしか言いようがない。

だけど、天使のような神々しさと、儚さを感じる。

ただ、どう見ても敵意はない。

むしろ、生きているのかすら怪しい。


だけど、その波動は僅かながら、はっきりと分かる。

私達には。


(リルム)「ディアナ、どう思う?」

(ディアナ)「どうもこうも、あれはミチルさんに違いありません」

(近衛兵)「え?あ、あれがミチル殿ですと!?」


肩を貸してもらい、私達4人が近づく。


(リルム)「ミチル!その姿は!?」

(ミチル)「あ、リ、ルム?た、だいま・・・」

(セニア)「ひどい状態ね?誰か、回復わ・・・」

(ミチル)「わた、し、は、もう、、、む、り・・・あ、アレ、ンを・・・」

(キャナル)「ミッちゃん、死ぬな!だ、誰か回復を!」

(ミチル)「キャ、ナル・・・わた、しは、いち、ど、ア、スガ、ルドに、行、くとき、しん、で、いた、わ、十、分よ。い、のちも、魔、力も、限、界以上に、使い、はた、した、から、た、すからな、いわ、アレ、ンを、生き、残らせ、たか、ら、もう、いい、わ。さ、いごに、皆、にあえ、て、よかっ、た・・・」


パキッ。バキッ・・・

ミシリ。


ミチルから気持ちの悪い音が聞こえる。

全身が結晶のように硬く固まっていく。

固まった矢先にさらさらと砂のように舞い上がり、

光の粒になっていってしまう。

回復魔法はある程度生命力がないと効果がない。

もはや既にミチルはその域にはない。

神界に戻るのかすらもわからないが、

確認もできない。怖いのだ。

残されたのは、彼女が使っていた髪留めだけだった。

後は装備も含め消えてしまった。


せめて、アレンに最後会わせてあげたかった。

皆でさめざめと泣きながら、空に祈りを捧げるしか出来なかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ