闘いの日々に終わりを告げる その3 後日談とエンディング
(アレン)「おーい、そろそろ出かけるよ、支度できたか?」
今日はディアナの女王即位式。
俺たちは皆で呼ばれているのだ。
10日前にディアナから招待状が届いたのだ。
伝令耳飾ではなく、伝書タカを使ってというのがなかなか情緒がある。
(キャナル)「なぁ、あんちゃん、ひらひらしたのはくすぐったい。あたいはこのままでいいだろ?」
(アレン)「まぁな。身だしなみくらい整ってればいいだろう」
キャナルは混合型になれば、半裸に見えてもかなりカッコイイ。
スタイルもいいのにあまりエロさを感じさせない
凛とした彫刻のような美しさがある。
逆にドレスやら化粧やらをした方が違和感があるわけだ。
がさつだけど元がかなり美人だしなぁ。
汚らしい汗だくとかじゃないなら
問題はないだろう。
主賓がそう言うのを気にするとも思えないし。
(セニア)「私達も準備終わったよ。ふぅ、こう言う服は疲れるね、動きにくいし」
パタパタと手で仰ぎながら、ドレス姿のセニアが部屋から出てきた。
すげぇ美人が胸元露わにしてる、犯罪的な美しさだ。
セニアもそのままで良かったけど、せっかくだから。
とサキ、リルムとドレスを買いに行って、
おしゃれをリルムから習ったみたいだ。
今までおしゃれしなかったから楽しいのだそうだが
これがなかなかに素晴らしい。
化粧はしていないが、見栄えは凄い。
(サキ)「では行きましょうか」
着飾ったサキも凄く可愛い。
むしろ、3人のなかで黒いドレスをシックに着こなして一番決まっている。
流石、リルムの妹として元々貴族宅にいただけのことはある。
(メイド達)「「「行ってらっしゃいませ」」」」
サキが馬車に乗り、俺たちも乗り込み、移動を開始したのだった。
エスパシオで移動もいいが、こういうのは雰囲気だよ。
空飛ぶ馬車で登場したほうが、っぽいからな。
ちなみに俺は別段タキシードとかスーツを着ているわけではなく、
あくまで最終の勇者装備を着ていた。
聖鎧マリアはかなり見た目がかっこいい。
軽いし、慣れているし、そもそもこの格好で来るように言われていた。
既に俺が目を覚ましてから30日あまりが経っている。
自宅が出来て7日くらいだ。
家は豪邸の部類だろう。部屋は俺たちそれぞれ分の部屋、
リルム、ディアナ用の部屋、
使用人たちの部屋、
さらに客間が数部屋ある状態で
暖炉のあるリビング、
温泉を引いている巨大な風呂、
キッチン、畑、畜産スペースなどの共同スペースも充実している。
何故か風呂が男湯と女湯に別れてないのだが、
チグリス王がわざとそうしたらしい。
全く・・・ありがとう、流石だぜ!
加えて、家にはサキをメイド長に
他6人のメイドが住み込むようになった。
要らないと言ったが、当初の予定より大きくなってサキ一人では掃除が行き届かないのと、
雇用を確保するためらしく、ウィリアム王に
懇願されたので、置いておくことにした。
職としてだから給金は出さないといけないが、
金は腐るほどあるし、ダンジョンに入ればいくらでも稼げる。
ウィリアム王は、メイドはまだ増やすつもりらしい。
正直、貴族っぽくなってしまったなぁ。
彼女らは他の街にも買い物にいくのだ。
つまり、エスパシオが使えるのが前提なのだが、
魔法も覚えられるし、給金も含めて扱いが良いとのことで、
アレン宅メイドはなかなか人気の職業らしい。
元サルトベルグ人も余っているし。
俺たちに恨みを持つ人だけは対象外だが。
そんな規格外の家が初めの20日間で水の大陸に建ってしまった。
改めてドワーフに本気で土木建設をやってもらうと恐ろしい。
建築中の間、俺はウィリアムをぶらついたり、図書館に行ったり、
ラルバやブラミスと話をし、日々を過ごしながら傷を癒やした。
寝すぎても疲れてしまうし。
中でも午前中はケリューン王を始め、様々な人が入れ代わり立ち代わりお見舞いといいながら
雑談をしにきていて、
ケリューン王とはすっかり仲良くなってしまった。
どうやらアイリス、ディアナは代替わりの準備で、
ウィリアム王は復興などにかかりきりで、
チグリス王は俺の家を建てているために時間が取れないらしいが。
ケリューン王は暇らしい。
部下は忙しいが、実質仕事を振ったらあとはトラブらなければ暇なのだそうだ。
散歩がてら他の国の来賓室に頻繁に来るのはどうかとも思うが、
ウィリアム側も何も言わないしな。
まぁ、レイチェルとルドルフが優秀なんだろう。
一方、キャナルはダンジョンに潜る日々をしていた。
彼女の敵になるような魔物はいないわけだが、
夜になる前には少なくない金と肉系の獲物を抱えながら、
必ず戻り、ライルエル家でリルムも合わせて食事をしていた。
これは、キャナルが稼いで俺はヒモになってないか?
セニアは街を歩いたり、両親と過ごしたりしながら、オシャレをしていた。
たまにキャナルと二人でダンジョンに行ったりしていたが、
基本的にはウィリアム近郊にいたようだ。
要するに、ディアナ以外は自由にしながらも、
ほぼ一緒にいたというわけだ。
俺としてはそういうのは自由でいいと思っている。
図書館に行くときなんかは一人がいいし、
キャナルやセニアが来ても苦痛になるだけだろうし。
――――――――――
エルガルドに着くと、すっかり式典の雰囲気になっている。
各国の王や、今まで冒険で世話になった人々が
参列し、ディアナ新女王を祝福するつもりのようだ。
ディアナも女王のドレス、冠を着こなし、
堂々たる振る舞いをしている。
(ギル)「皆さん、ようこそ!どうぞ、こちらに」
(リルム)「意外と遅かったわね」
(アレン)「リルム?」
(リルム)「なんで疑問なのよ、あたしのこと忘れたの?」
(アレン)「いや、悪い。すげぇ綺麗でさ、ちょっと圧巻された」
(リルム)「ふふふ、ありがとう」
リルムはすごく大人っぽい淡い紫色のドレスに、翼を出した状態だった。
エルフと並び容姿端麗であるフェザーフォルクの
彼女は美女具合は突き抜けていて、
佇んでいるだけで芸術だ。
式典も進み色々な人々が挨拶をし、
笑いながら平和を喜び、
食事をしていく。
そこにはドワーフやヒューマンも多くいて、
種別の壁も超えていけるんだろうな。と思う。
と同時に、アレンはこの今の光景こそが、
いわゆる激レアにして真のエンディングなんだろうな。
もしかしたらゲームだったらスタッフロールが流れていてもおかしくはないか。と思っていた。
ところで、何故アレンがこちらに来たのだろうか。
女神がいない今、謎が残ってしまったが。
終わりよければ全て良しだ。
――――――――――
これからアレン達は、畑を作り、
狩りなどをはじめた上でゆっくりと過ごし、
自分たちの戦いを本に書いたりするのだが、
それはまた別のお話。
完
遅筆ですみませんでした。
新作も作っていきたいと思います。
準備ができたら、そちらも読んでいただければ、幸せです
新しいのは
魂識士の英雄譚~勇者はどこにいる?
というタイトルです。
よろしくおねがいします。




