最後の大戦 その8 魔法打ち合いを繰り広げる
擬音の語彙が無さ過ぎて泣けてくる
(魔王)「ふん!余が回復を使えるのを見ても絶望はしないか、よもや判っていたと見える」
俺たち全員の闘志は潰えるどころか、
まだまだこれからである。
こうなるのは分かっていた。
むしろ、回復するだけのダメージを与えられたという意味もある。
(アレン)「それはお互い様だ。俺たちも随時回復している」
隠してないし、プレイヤーは回復するのが当たり前だから、今更な話だが。
(魔王)「確かに。だが、それは違う。貴様もわかっているだろう?うぬらの魔力が切れさえすれば終わりだ。一方、余の魔力は無限。結果は火を見るより明らかだ」
魔力回復アイテムがあるから。
とは言っても、限りがある。
どんなに大量だろうが、無限との間には越えられない壁がある。
たとえどんな長時間になろうが、
捻り潰すだけの魔力が魔王にはあると。
まぁ、そりゃあるわな。
でも、そんな持久戦を良しとする性格にプログラムされてないだろう?
(魔王)「いつまでも、未来永劫戦ってしまえば、余が勝つだろう。だが、それではつまらん。チャンスをやろう!」
やっぱり。魔王の魔力が高まってくる。
こ、これは!間違いない、あれがくる。
(アレン)「来るぞ、皆!」
(ディアナ)「アレンさん、一つ目、準備完了です!【マナ・コネクション】!」
よし、間に合った!
(魔王)「止めてみよ、さすれば、余は回復を使うのは辞めてやる・・・【我が招くは混沌たる破壊の意志。汝に降りかかる災厄を逃れる術は微塵も存在せず・・・アビス・メテオ】!」
流石の魔王も大魔法は詠唱破棄できないらしい。
天が真っ暗になり、遥か彼方から巨大な漆黒の隕石が落ちてくる、アビス・メテオ。
これは、火水木雷土風の全ての属性を持ち、
さらに闇の力を纏わせた魔王オリジナルの大魔法。
破壊の力は凄まじく、防御不可能。
大地をえぐり、海を枯れ果てさせることも可能。
ゲームでは九死に一生スキルか、一撃死に対応したアイテムで乗り切るのが定石。
だが、今回はそういう類のアイテムは片っ端から手に入らなかった。
その上でだが、アレンはこれを使わせるのを待っていた。
だから、ディアナにそういう対応策をさせている。
初めから凌ぎ切る前提だ。
なぜなら、それは大魔法だからだ。
これを凌げば如何に魔王と言えどしばらくの硬直に入る。
そこを突くのが最もダメージ効率がいい。
これを消失させるには、光を纏わせた闇以外の全属性最上位魔法を
着弾までの短い時間にほぼ同時に当てる必要がある。
深化している必要はないが、出来る限りの高出力が望ましい。
難易度はかなり高いが、今の俺たちにならできるはず。
(アレン)「セニア、キャナル、リルム、ディアナ、頼む」
キャナルをミチルが、エスパシオで回収し、
俺もエスパシオでディアナの元に。
セニアが高速で動いて、全員が集合。
それぞれが詠唱に入る。
(キャナル)「%#$~?#@$$℃℉©®@?;【アトミックドラグーン!】」
まずはキャナルがその圧倒的物理量を殺しにかかる。
竜言語魔法【アトミックドラグーン】により、
超巨大化、強化されたシルフィードが突撃し、
頭と両手、さらには翼を当て、上空で隕石を食い止める。
長くは持たない、その間に他の魔法を全て用意する必要がある。
(セニア)「【母なる大地の神、ガイヤよ、高潔な意思により、万象の理を破り怨嗟の鎖を断ち切る力を示せ・・・破壊は新たなる創世なり】』
(アレン)「【全てを無に帰す爆破を伴う獄炎よ、ここに力を示し、慈悲なき破壊を与えよ】」
セニアと俺はそれぞれが土と火深化(爆発)の最上位を前口上だけ詠唱する。
そして、
(ディアナ)「【ガイヤカタストロフ】!」
(ディアナ)「【メギドフレア】!」
ディアナが魔法を詠唱し、発現させる。
【マナ・コネクション】により、
俺たちは全員が魔法、属性を共有状態にある。
つまり、セニアが詠唱し、ディアナを魔法発射砲台として使う。
こうすると、主属性、魔力消費はセニア、
魔法威力としてはディアナが使うものになる。
同時に魔法の苦手具合もカバー出来る。
タイミングも合わせやすくなる。
そして、俺も火を預けることで、他の2つを存分に放てるわけだ。
さらにディアナは詠唱破棄しエクサリーフランサーを、リルムは水深化属性最上位を放つ。
流石のディアナでも【マナ・コネクション】に火、土の最上位を出しながら
木深化属性は無理だったようで、
通常の最上位になったのだろう。
そして、
(アレン)「【大いなる風神、アイオロスよ、荒ぶる大気に依りて、その力を示せ・・・さすれば聖なる刃となりて全てを切り刻め】」
(アレン)「【偉大なる雷神トールよ、粛清の如き猛々しい怒りに依りて、その力を示せ・・・さすれば天帝の意思で全てを破壊つくし新たなる世界を刻め】」
(アレン)「【アイオロスブレード】!」
(アレン)「【トールハンマー】!」
加えて俺はスキル詠唱保留をフルで使いながら、
風、雷を入れる。これはかなり体が辛い。
とりあえずこれで全属性が揃った。
その魔力の塊に、ミチルがレムを使い、光を纏わせていく。
バシュゥウウ!
ズガガガーン!!
けたたましい音を放ちながら、
【アビス・メテオ】が食い止められる。
そしてそのまま光が混沌を食い尽くしていく。
(魔王)「な、何だと!?」
初めて魔王の顔に焦りと、驚愕が広がったのだった。




