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プラマイゼロ

翌朝

天音はスッキリと目が覚めていた

朝ごはんを食べながら


天音

「昨日のコーヒーのお礼…エレベーターであったらちゃんと言わなきゃ」


なんて呟いた、その時


(ガチャっ)


隣の玄関ドアの鍵の音が聞こえた気がした



(え?もう出るの?いつもより30分も早い)


コツコツと天音の家の前を足音が通り過ぎる…



「え、待って…お礼言わなきゃ!」


天音は玄関に急いだ



勢いよくドアを開けたので

その足音は止まり天音の方に振り返った



(……女の人?)

 


天音

「あ、すみません…驚かせちゃって」


すごく綺麗な人だった

その女性はにっこりと笑ってそのままエレベーターの方へと歩いて行った


確かに水瀬の家の方から鍵が開く音がした

玄関が隣り合わせになっている作りなので

間違えようはない


「彼女さん…かな…」

 

何故か少し胸が痛んだ気がした

 

「…彼女いてもおかしくないよね

かっこいいし、優しいもん…」



天音は気を取り直して

メイクを始めた



……あ、私

ノーメイクで水瀬さんに話しかけようとしてた?

ということは…

あれが水瀬さんじゃなくて逆によかったかもしれない

 


天音の中で

さっきの出来事はプラマイゼロになった

いつものエレベーター前

水瀬はまだこない


と思ったら


「天音ちゃん、おはよ」

後ろから水瀬の声がした



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