グラス
イルカショーも無事見ることができた
たまにかかる水飛沫も
二人には楽しいハプニングになった
もちろんクラゲも見に行ったのだが
人気者すぎて
遠くからしか眺められなかった
他のところもそんな感じだったので
二人はお土産屋さんへと向かった
天音
「さっきみたのは…
これ、じゃないな…」
祐希
「あまねー、こっちこっち」
祐希が手招きをしている
そこには、レストランのグラスと同じものが並んでいた
天音
「あ、売ってるー
買って帰ろう!
2つでいいかな…」
そういって天音はふたつ手に取った
それを見ていた祐希は
祐希
「じゃぁ、俺も2つ買う」
とグラスを2つカゴに入れた
天音
「祐くんも買うの?」
祐希
「うん、買うよ
だって、俺のところに来た時もこれで飲みたいじゃん」
天音は嬉しかった
自分が好きだと思うものを一緒に揃えようとしてくれる
祐希の趣味ではないかもしれないのに
一緒に共有しようとしてくれていることが何より天音には嬉しかったのだ
天音
「ありがとう…笑」
「それにさ…」
祐希は続けた
「4つあれば人が増えても大丈夫だろ?」
(えええー?それって
こ、子どもとか??)
妄想族の天音の脳内は一気に宇宙まで広がりそうな勢いで未来に広がっていく
天音
「う、うん…」
祐希
「よし、じゃあ
天音の分、ここに入れな?」
天音
「え?いいよ
自分で買うから
っていうか、逆に私が祐くんの分買いたいんだけど…誕生日だし…」
祐希はクスッと笑った
祐希
「だから俺がプレゼントしたいんだ
こんな素敵な彼女に感謝の気持ちを込めて…ねっ
だから早くここに入れて」
天音
「そんなこと言われたら、涙出る…」
泣きそうな天音を見て
祐希
「そんなことで泣いてたら
これからもっと嬉しいことがあった時どうするの?笑笑」
そういってさっさとレジへと向かった
二人の水族館イベントの主役は
イルカでも、クラゲでもなく
この魚のグラスになった




