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姉貴

「ただいま…」

祐希は玄関を開けた


「おかえりなさい、弟君

なぜ、片付けておかない?」


この冷静な物言いが1番怖いことを祐希は知っている


祐希

「いや、今日急に仕事呼び出されたからさ…」


「言い訳はいいのよ…

で、とりあえずお弁当買ってきてるから

食べましょうか?」


(なんで怒ってるの?

もうめんどくさいな…

俺に先に彼女できてムカついてんのか?)


いろいろと理不尽に思いながらも

ここは従う祐希だった


「あんたはこっちだから!」


(なんか、明らかに弁当に格差がある…

買ってきてもらって文句は言えないが

姉貴の弁当はやたら豪華だ…)


祐希

「はいはい…ありがとね」


「ついこの前、気になる子が…とかいっててもう彼女ができてるなんてさっ

私振られたばっかりなのに…」


(マジで意味わからん…

弟の幸せ、なんで素直に喜べないんだよ)


「でもさ…

あんたも久しぶりじゃない?

そんなふうに自分から好きだって思える子

いや、初めて?

うん、初めてなんじゃないの?」


確かに初めてだった

これまでいつも恋は

相手の好意から始まってきた


自分から話しかけて…

誘って…

気にかけて…

これまでにはない俺がいる

いつも受け身だった俺が…


祐希

「確かに、そうだな…

なんかさ、目が離せないんだよ

かわいくて笑

でもどこか真面目すぎるとこあってさ

かと思えば

えええ?っと思うことしたり…」


姉はそんな弟に優しい笑みを返した


「よかったじゃん

ほんと…そう言う子に

一生懸命になれる子に出会えてさ」


お弁当のゴミを片付け終わり

姉が手を叩いた


パンっ!


「さてー、祐希くん

その可愛い彼女を紹介してしてもらいましょうか?」


祐希

「いきなりは無理だよ…

姉貴とは違うんだから…」


姉は少し不貞腐れ気味で


「なによ、それ…

彼女に渡したいものあるから持ってきたのに…」


祐希

「え?なんだよ、それ…

なんか変なもん渡すんじゃないだろーなっ?」


姉貴のことだ

最悪の場合、避妊具とかの可能性もある…


「バカじゃないの?

変なものなわけないじゃん

弟の彼女に変なものって何よ?」


「…で、彼女

呼んだら来てくれそう?

本当いきなりで彼女には悪いんだけど…

ちょっとでも会いたいなって…」


祐希は大きくため息をついた

でも、さっきの天音の言葉を思い出した


祐希

「じゃあ、一応聞いてみる

LINEするね」


『天音、姉貴がやっぱり会いたそうなんだけど

どう?まじで無理しないで

断ってくれていいというかむしろ断ってくれた方がいいかも…』


(送信)


ものの2分も経たないうちに


(ピンポン)

玄関のチャイムが鳴った


祐希

「あ、天音??」


姉も「もうきたの??」とあまりの早さに驚きを隠せない


天音

「こんばんは。来ちゃいました…笑」


少し恥ずかしそうに挨拶をして

会釈をする天音だった




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