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忘れ物

今夜は麻央が忘れ物を取りに来る日だ


(少し遅くなると言う話だから

夜ご飯多めに作っておこう)


仕事帰り、いつものスーパーに寄って

カレーの材料を買ってきた


今日はほろほろチキンカレーにしようかな

鶏肉をとにかくほろほろにしてしっかり煮込む♡

スパイスもしっかり目に効かせる


まず具材をゆっくり煮込む


(うん、これくらいでいいかな

あとはカレーのルーを入れて更に煮込めば…)


天音

「え?ルーを買ったはずだけど…買い物袋に入ってない…

買い忘れた? 」


(はぁ…もうほんと

なんで私こうなのかな…)


あの時、どのルーにするか悩んで

先に野菜と肉を見に行ったんだ…


ルーがなければカレーにならない


(仕方ない)


天音はスーパーに買いに行くことにした


途中、ぼんやりとあのケーキの日のことを思い出していた


あれから数回、朝、祐希と顔を合わせたが

あの時のことといえば、お礼とケーキの感想くらいしか話ができてない


何かを期待していた訳でもないが

あの日、勢い余って祐希の頬にキスをしてしまったので…

このままあの時の気持ちについて

何も触れなくていいのか…

天音はずっとモヤモヤしていた



「天音ちゃん!」

 

この声は…


天音

「水瀬さん?こんばんは」


祐希

「おつかれさま、これから買い物?

俺は今駅着いて、そのまま買い物に来た」


たった今、あの日のことを思い返していただけに

天音はなんだか気恥ずかしかった


「一緒にいこうか?」

 

祐希のさりげない誘いが嬉しかった


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